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- 実験医学別冊 実験デザインからわかるCRISPRスクリーニング実践テキスト
商品情報
内容
遺伝子探索の画期的手法として注目されるCRISPRスクリーニングを解説した,本邦初の実験書.基本フローと考え方のポイントから実際のプロトコールまで丁寧に解説され,開発者ならではのノウハウも満載です.
序文
序
目の前で起こっている生命現象にどの遺伝子がかかわっているのか.この遺伝子探索にさまざまな手法が開発されているが,遺伝学的アプローチをとることができれば,それが最も近道かもしれない.
私が研究を始めた25年前は,哺乳類細胞ではマウスES 細胞を使ったノックアウトマウスの作製と表現型解析が全盛期だった.面白い表現型を示すノックアウトマウスが報告される一方で,苦労して見つけた候補遺伝子をノックアウトしても想定した表現型が観察されないこともあった.着目している表現型にかかわる遺伝子をまず取ることができれば…….当時登場したRNA interference の応用が進むのを尻目に,ゲノムワイドに変異を導入して遺伝子取りをする順遺伝学こそ遺伝子探索の王道という信念のもと,遺伝学的ツールの開発を続けた.2012年のCRISPR システムの登場はあらゆる面で画期的で,順遺伝学に応用しCRISPR スクリーニングというほぼ理想の遺伝学的手法を確立することができた.
ヒトゲノム解読以降,マイクロアレイから次世代シークエンサー,そして1 細胞解析と,解析技術の進歩は目覚ましい.このような時代にCRISPR スクリーニングによる実験的遺伝子探索法が必要なのか,当初,その可能性の全貌は見えていなかった.しかし,次々と発表される論文を目にするたびに,CRISPR スクリーニングは「使える」ツールであると実感した.他の手法では候補遺伝子にたどり着かない場合でも,CRISPR スクリーニングによって遺伝子が同定された例もあり,表現型と遺伝型の因果関係に基づくアプローチがいかにパワフルであるかをよく示している.
まだ解明できていない表現型は無数に存在し,新たな生命現象も今後発見されるだろう.そうしたときにCRISPR スクリーニングは最も直接的な遺伝子探索手法となり,研究の進展に大きく貢献するに違いない.何やら複雑?…… いやいや,実験は難しくはない.「数」をきちんと理解し,自身の表現型に当てはめ,少々規模の大きな実験をするだけだ.スクリーニングが完了し,統計解析を経て候補遺伝子が得られたら,そこからが,ある意味,本当のスタート.道のりはまだまだ長い.なので,あまりCRISPR スクリーニングをするかどうかで悩まず,まずは遺伝子取りをやってみてはどうだろうか? プロジェクトが思わぬ展開を見せるかもしれない.
最後に,執筆いただいた先生方,そして羊土社編集部の山口さんと岩崎さんの多大なる努力によって本書を発刊できたことに,心から感謝申し上げます.
2025年7月
編者を代表して
京都大学医生物学研究所
遊佐宏介
目次
概論 CRISPRが一新した現代の遺伝子同定【遊佐宏介】
第1章 基本フローと各フローにおける検討ポイント
1. CRISPRスクリーニングで最も重要な「数」を理解する【遊佐宏介,樽本雄介】
2. ゲノム編集手法~種類と選び方【佐久間哲史,永友大暉】
3. Cas9 発現マテリアルの準備【樽本雄介,遊佐宏介】
4. gRNAライブラリ:既製品と自作【樽本雄介,遊佐宏介】
5. 変異細胞ライブラリの作製【遊佐宏介,樽本雄介】
6. 表現型アッセイ【遊佐宏介,樽本雄介】
7. NGSサンプル調製とシークエンス【遊佐宏介,樽本雄介】
8. 統計解析によるヒット遺伝子の同定【石川雅人】
第2章 実践 基本プロトコール
1. レンチウイルスの基本操作―ウイルス作製と細胞への感染【遊佐宏介】
2. Cas9レポーターアッセイ【遊佐宏介】
3. gRNAライブラリの複製【遊佐宏介】
4. フォーカスライブラリ自作と既存ライブラリ載せ替え【遊佐宏介】
5. 変異細胞ライブラリの作製とFitnessスクリーニング【遊佐宏介】
6. 選択圧によるスクリーニング【遊佐宏介】
7. ソーターを使ったスクリーニング【遊佐宏介】
8. NGSライブラリ作製【遊佐宏介】
9. MAGeCKを用いたgRNAカウントデータの解析【樽本雄介,遊佐宏介】
第3章 実践 応⽤プロトコール
1. 抗がん剤耐性・感受性因子の探索【仙波雄一郎,前田高宏】
2. ウイルスの増殖にかかわる宿主遺伝子の探索【牧野晶子】
3. がん免疫療法抵抗性にかかわる遺伝子の探索【伊藤能永】
4. ATAC-seeによるクロマチン・アクセシビリティ制御因子の探索【宮成悠介】
5. O-ClickFCを用いた脂質表現型スクリーニング【土谷正樹,浜地 格】
6. in vivoスクリーニングによる腫瘍免疫抑制因子の探索【乾 緋彩,合山 進】
7. 精子機能を標的とするin vivo sgRNAライブラリスクリーニングの方法論【野口勇貴,鈴木 淳】
第4章 発展的な活⽤事例
1. スキャニングとしての利用:タンパク質機能ドメインの解析【星居孝之】
2. 遺伝子間の機能的相互作用を狙ったCRISPRスクリーニング【吉永正憲,竹内 理】
3. アレイ型CRISPRスクリーニング【福田康二】
4. DepMapデータを用いたがん治療標的因子の探索【渋江 司】
5. シングルセル解析とCRISPRスクリーニングの融合【樽本雄介,遊佐宏介】
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書籍情報
- ISBN:9784758122856
- ページ数:266頁
- 書籍発行日:2025年9月
- 電子版発売日:2025年10月2日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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