眼科グラフィック 2021年1号　特集:コロナで眼科はどう変わったか? / はじめてでもわかる! 眼瞼疾患の鑑別と病態に基づいた手術治療

メイン特集
はじめてでもわかる！眼瞼疾患の鑑別と病態に基づいた手術治療

一言で「眼瞼下垂」といっても，その中には加齢による眼瞼下垂や先天眼瞼下垂，内眼術後下垂，動眼神経麻痺や重症筋無力症など，多くの病態による眼瞼下垂を含む．従って，眼瞼下垂を診たときには，その病態を考え鑑別診断し，適切な手術治療を選択しなければならない．また，内反症も同様に，加齢による内反症，小児の先天的な内反症では病態が異なるため，それに即した手術法も異なる．

眼瞼腫瘍の鑑別診断は，良悪性の鑑別が主となるが，頻度の高い眼瞼腫瘍とそれらの鑑別すべき腫瘍を知っておくこと，必要に応じて生検を施行することが重要である．

本特集では，日常よくみる眼瞼疾患である「眼瞼下垂」「眼瞼痙攣・片側顔面痙攣」「皮膚弛緩症・顔面神経麻痺」「内反症」「眼瞼腫瘍」について，鑑別診断のポイントと病態に基づいた手術治療について，エキスパートの先生方に解説していただく．

渡辺彰英
京都府立医科大学 眼科学教室

野田実香
慶應義塾大学医学部 眼科学教室

サブ特集
「With コロナ」時代の眼科診療

2020年初めからの新型コロナウイルスの世界的大流行により，私たち一人ひとりの生活様式が変わってきました．それに伴い，医療環境，眼科診療も変化を余儀なくされていると思います．特に，眼科診療は患者さんとの距離が近く，細心の注意が必要です．患者さんからもらわない，患者さんへうつさない，院内感染を起こさないためにみなさん考えを凝らして診療にあたっていることかと存じます．この特集では，もう一度新型コロナウイルスの特徴など学び直すとともに，各施設でどのような診療体制の変化があるのか，どのようなコロナ対策を工夫しているのかを具体的に教えていただき，今後自分たちの診療に活かせていけると良いと思います．

渡辺五郎
医療法人羔羊会 弥生病院 眼科