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- 胆と膵 2021年5月号(Vol.42 No.5)【特集】 各施設での胆膵疾患に対する診療科横断的チーム医療
商品情報
内容
手稲渓仁会病院での胆膵疾患診療の現状:多診療科・職種による横断的チーム医療/東北大学病院での胆膵疾患に対する診療科横断的チーム医療/病理像・画像対比に適した病理組織標本を作る!―術後検体超音波検査を用いたチーム医療― ほか
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序文
序文:組織力が臨床・研究・教育の原動力
筆者自身,所属していた施設の組織力によって外科医として育てられたと感じている。これは高いプロ意識をもった各部署が作ってくれた垣根の低い,いつでも気軽に会話ができる環境に身を置くことができたからである。
筆者が以前勤務していた施設では外科と内科が南北棟の同じフロアにあり,互いの病棟を頻繁に行き来して画像を供覧し,患者さんを診察しながら相談をすることができる環境があった。同じ電子カルテを前に初期治療方針や化学療法後の手術のタイミングを相談し,内科病棟が満床であった場合でも緊急患者は外科病棟で一時的に受け取り,突然キャンセルとなった手術枠の差し替え患者を内科が探してくれるなど,真の意味での連携が取れていた。
当時の内科にはPanNET で高名な先生がおられ,多くの患者がセカンドオピニオン外来を受診していた。その診察中にコールがあり,紹介元で開腹の標準的膵切除術を提示された患者に,腹腔鏡下のしかも臓器温存手術(核出術,脾温存術,膵中央切除術など)をその場で約束するなど展開の速さに困惑することもあったが,振り返ってみるとすべての手術をその通りに問題なく行うことができ,結果的に筆者自身のPanNETの病態の理解と鏡視下臓器温存膵手術の技術が飛躍的に向上することになった。
放射線科医,病理医とも週1 回の定期カンファレンスを行っていたが,これとは別に対面での個別相談も頻繁に行い,報告書とは別の微妙なニュアンスを感じ取ることもできた。確定診断が得られない術前細胞診でも判定技師との会話から良悪性のどちらをより疑っているかを読み取り,方針を決めたことも多かった。また術後出血で緊急インターベンションを依頼したときにも必ず外科医が参加して放射線医と相談しながら進め,ときに引き気味な放射線医の背中を押したり,またタイミングが難しい“止め時”の判断(すなわち緊急手術へ変更)を外科医が行ったりもした。
外来ではパラメディカル・スタッフに大いに助けてもらった。癌性疼痛の症状が出れば,電話1 本ですぐに緩和ケアチームが駆けつけてくれ,化学療法剤の説明もパンフレットとともに薬剤師が丁寧に患者に説明してくれた。患者の自宅近くへの転医調整も連携室が迅速に対応してくれたが,これらは患者や家族の満足度向上とともに医師の業務負担軽減にも大いに貢献していた。
院内連携が進むと医療の質が向上し,結果的に患者満足度が上がり,そして患者紹介がさらに増えてくる。これが各診療科の医師やパラメディカルの豊富な臨床経験につながるとともに,さまざまな研究資源としても活用できるわけである。データベースの共有化でより効率のよい,そしてより質の高い研究を遂行することもできる。一方で,診療科横断的活動が患者側だけでなく医療従事者側にとってもよいことづくめであるのを理解していながら,日々の診療の多忙さと,依然残る院内縦割り構造のため非効率的な日常業務をこなしている読者も多いのではないかと思う。
本特集では全国の施設から,それぞれの特徴を生かした各部署横断的な胆膵疾患の診療・研究・教育体制を紹介していただいている。そのなかから自施設に適した活動を見つけ,参考にしていただければ幸いである。
大塚 隆生
目次
特集 各施設での胆膵疾患に対する診療科横断的チーム医療 企画:大塚 隆生
序文:組織力が臨床・研究・教育の原動力
大塚 隆生
手稲渓仁会病院での胆膵疾患診療の現状:多診療科・職種による横断的チーム医療
潟沼 朗生ほか
東北大学病院での胆膵疾患に対する診療科横断的チーム医療
中川 圭ほか
病理像・画像対比に適した病理組織標本を作る!―術後検体超音波検査を用いたチーム医療―
池田恵理子ほか
膵癌早期診断のためのチーム医療
田畑 宏樹ほか
当施設での胆膵疾患に対する診療科横断的チーム医療
祖父尼 淳ほか
国立がん研究センター中央病院での胆膵癌に対する診療科横断的チーム医療:がんゲノム医療中核拠点病院におけるチーム医療の現状
肱岡 範ほか
順天堂医院での胆膵疾患に対する診療科横断的チーム医療
伊藤 光一ほか
杏林大学病院での胆膵疾患に対する診療科横断的チーム医療
古瀬 純司ほか
One Teamによる胆膵癌診療:愛知県がんセンター病院の特色
原 和生ほか
富山大学附属病院「膵臓・胆道センター」における診療科横断的医療
武田 直也ほか
京都大学医学部附属病院における胆膵疾患に対するユニット治療―統一した診療と集学的治療への対応―
増井 俊彦ほか
和歌山県立医科大学附属病院での胆膵疾患に対する診療科横断的チーム医療
北野 雅之ほか
岡山大学病院における膵癌に対する集学的治療と肝移植後の胆管狭窄に対する内視鏡治療の診療科横断的な取り組み
加藤 博也ほか
JA尾道総合病院の胆膵疾患に対する診療科横断的チーム医療:高い相互信頼に基づく胆膵診療
花田 敬士ほか
九州大学病院での胆膵疾患に対する診療科横断的チーム医療
井手野 昇ほか
鹿児島大学病院での胆膵疾患に対するチーム医療
橋元 慎一ほか
コラム:膵疾患におけるセカンドオピニオン外来および医療連携
伊藤 鉄英ほか
コラム:重粒子線治療を基軸とした各診療科横断的治療戦略
篠藤 誠
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書籍情報
- ISBN:9784865174175
- ページ数:106頁
- 書籍発行日:2021年5月
- 電子版発売日:2022年7月22日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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