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成人肺炎診療ガイドライン2024
- ページ数 : 236頁
- 書籍発行日 : 2024年4月
- 電子版発売日 : 2025年6月1日
商品情報
内容
序文
第2版の序
日本呼吸器学会ではこれまで一般の医師に向けた成人肺炎の診療ガイドラインを作成,改訂を実施してきました。前版である2017年に公表された『成人肺炎診療ガイドライン2017』では,市中肺炎,院内肺炎,医療・介護関連肺炎の3つのガイドラインが統合され,日本医療機能評価機構により作成されたガイドライン作成方法である『Minds診療ガイドライン作成の手引き』に初めて準拠しクリニカルクエスチョン(CQ)を取り入れたことが特徴でありました。その後,2019年末から新型コロナウイルス感染症(COVID-19)が世界中に蔓延し,呼吸器専門医のみで肺炎診療を行うことはさらに難しくなり,非専門医の肺炎診療をサポートするガイドラインの重要性が増してきています。今回,超高齢社会やCOVID-19流行など,目まぐるしい医療現場の変化に対応すべく,また最新のエビデンスに基づいた内容となるように,本ガイドラインの改訂に取り組みました。米国では医療ケア関連肺炎の概念がなくなり,本邦における医療・介護関連肺炎においてもその概念とガイドラインでの扱いについて再考が必要と考え,委員会でも議論を重ねてまいりました。米国と異なり,本邦では超高齢社会を反映して高齢者肺炎が多いことを考えるとやはり医療・介護関連肺炎の概念はまだ本邦には必要ではないかという意見が多く,今回も医療・介護関連肺炎を残しています。また,2017年のガイドラインでは医療・介護関連肺炎に対して必要以上に広域抗菌薬を推奨していた可能性が指摘されており,今回のガイドラインでは,エビデンスに基づきできるだけ狭域抗菌薬での治療という流れで検討を行いました。
今回のガイドラインの他の特徴として,高齢者肺炎への対応について充実を図るべく誤嚥性肺炎の領域を作ったこと,COVID-19の流行に応じてウイルス性肺炎の領域を新設したことが挙げられます。今回も各領域のCQについてシステマティックレビュー(SR)を施行し,委員会で投票した結果に基づき,推奨の形で提示しております。またさらに,CQに加えてSRのみを施行した議論点も提示することで,実地医家の先生方の疑問に十分なエビデンスでお答えできるものになったと考えています。
しかし,今回の委員会のなかの討論において,まだまだ不足しているエビデンスも多く,本邦におけるエビデンス作りが必要であるということが明確となり,「future research questions」という形で将来のさらなる研究の発展に期待する点を抽出しておりますので,本ガイドラインを通読して頂き,次期改訂に向けて,ぜひ本邦からのエビデンスを創出して頂ければと思います。
最後に,この新しいガイドラインをぜひ皆さんに使っていただき,日々の臨床にお役立ていただければ幸いです。また,本ガイドライン作成に多くのご尽力をいただいた作成委員,SR委員,ならびに関係者に深く感謝申し上げます。
一般社団法人 日本呼吸器学会
成人肺炎診療ガイドライン2024作成委員会
委員長 迎 寛
目次
Ⅰ.SCOPE
1.肺炎の基本的特徴
2.検出微生物の検索
3.ウイルス性肺炎
4.誤嚥性肺炎
5.市中肺炎
6.医療・介護関連肺炎
7.院内肺炎
8.人工呼吸器関連肺炎
9.肺炎予防
Ⅱ.CLINICAL QUESTION/SYSTEMATIC REVIEW
CQ01.市中肺炎の重症度評価はA-DROPスコア,CURB-65スコア,PSIスコアのいずれが推奨されるか
CQ02.市中肺炎治療において,症状・検査所見の改善に伴い,注射用抗菌薬から経口抗菌薬への変更(スイッチ療法)を行うことは推奨されるか
CQ03.市中肺炎治療において,1週間以内の短期抗菌薬治療は推奨されるか
CQ04.市中肺炎治療において,β-ラクタム系薬にマクロライド系薬の併用は推奨されるか
CQ05. 市中肺炎治療において,抗菌薬投与に全身性ステロイド薬を併用することは,抗菌薬のみでの治療よりも推奨されるか
CQ06.医療・介護関連肺炎治療において,緑膿菌をカバーする広域抗菌薬は推奨されるか
CQ07.医療・介護関連肺炎治療において,1週間以内の短期抗菌薬治療は推奨されるか
CQ08.医療・介護関連肺炎診断時において,重症度評価(A-DROP/I-ROADスコア)は推奨されるか
CQ09.院内肺炎治療において,緑膿菌をカバーする広域抗菌薬は推奨されるか
CQ10.院内肺炎治療において,抗MRSA薬は推奨されるか
CQ11.院内肺炎治療において,de-escalation治療は推奨されるか
CQ12.院内肺炎治療において,7~8日以内の短期治療は推奨されるか
CQ13.院内肺炎診断において,重症度評価(I-ROADスコア)は推奨されるか
CQ14.人工呼吸器関連肺炎における気管支鏡を用いた侵襲的培養検査は推奨されるか
CQ15.人工呼吸器関連肺炎治療においてエンピリック治療に,多剤療法または単剤療法のいずれが推奨されるか
CQ16.人工呼吸器関連肺炎治療においてエンピリック治療に,カルバペネム系薬を使用することは推奨されるか
CQ17.人工呼吸器関連肺炎治療において,抗菌薬投与期間は短期間,あるいは長期間のいずれが推奨されるか
CQ18.誤嚥性肺炎治療において,嫌気性菌をカバーする抗菌薬は推奨されるか
CQ19.肺炎診療において多項目遺伝子検査は推奨されるか
CQ20.肺炎の予防に口腔ケアは推奨されるか
SR01.市中肺炎診療におけるプロカルシトニン測定
SR02.市中肺炎における検出微生物
SR03.市中肺炎治療における第一選択薬としてのニューキノロン系薬
SR04.医療・介護関連肺炎,医療ケア関連肺炎の耐性菌のリスク因⼦は何か
SR05.市中発症肺炎(市中肺炎,医療ケア関連肺炎,医療・介護関連肺炎を含めた肺炎群)の耐性菌のリスク因⼦は何か
SR06.医療・介護関連肺炎における検出微生物
SR07.院内肺炎における検出微生物(日本)
SR08.院内肺炎+人工呼吸器関連肺炎において,耐性菌高リスクと低リスク患者のアウトカムは異なるか
SR09.院内肺炎+人工呼吸器関連肺炎において,多剤耐性菌検出は,予後不良因子となるか
SR10.院内肺炎+人工呼吸器関連肺炎における耐性菌のリスク因子は何か
SR11.院内肺炎治療における嫌気性菌カバー
SR12.人工呼吸器関連肺炎における検出微生物
SR13.入院を要する高齢者市中肺炎の予後因子は何か
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書籍情報
- ISBN:9784779228100
- ページ数:236頁
- 書籍発行日:2024年4月
- 電子版発売日:2025年6月1日
- 判:A4変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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