ねころんで読める小児てんかん・けいれん

  • ページ数 : 272頁
  • 書籍発行日 : 2026年10月
  • 電子版発売日 : 2026年9月19日
¥3,960(税込)
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商品情報

内容

【「ねこてん」姉妹本となる小児版が登場!】
非専門医向けに有病率1%のてんかん診療をわかりやすく解説して大ヒットとなった「ねこてん」。一方、小児のてんかん診療は、成人のそれとは大きく異なる。地方での小児神経専門医は多くなく、神経発達症の併存、熱性発作時の対応、移行医療の問題など、非専門やプライマリで診る小児科医、成人科に引き継がれて診る医師が知っておきたい知識や対応がやさしくわかる!

序文

まえがき


「てんかんやけいれんは難しい」

何度この言葉を聞いたことでしょうか。非専門の小児科医・小児科専攻医・初期研修医などの先生方、看護師さん、薬剤師さんなど多くの医療従事者が、てんかんやけいれんに苦手意識をもっています。

その気持ち、よくわかります。私自身もそうでしたから。

けいれんを起こした子どもを目の前にすると頭が真っ白になる/脳波はさっぱりわからない/発作分類や症候群の名前が多くてイメージしにくいそんな毎日を過ごしてきました。

でも、小児医療にも、てんかんにも興味がなかった私が、小児科医であり、てんかん専門医でもあり、そしてこのような素晴らしいシリーズの一冊を書く機会をいただいています。人生は不思議だなと思います。

私が知識も経験も少ない中で、てんかん専門外来を始め、試行錯誤しながら続けていく中で確信したことがあります。それは、てんかん診療は「難しいことを覚えること・理解すること」から始まるのではなく、「患者さんを知ること」から始まるということです。

発作前に何をしていたか?/発作中の様子は?/発作後は?診断のヒントや答えは、脳波などの検査よりも、診察室での問診にあることは少なくありません。まさに探偵のごとく聞いていくのです。

そしてもう一つ、患者さんやご家族一人ひとりと向き合う中で学んだ大切なことがあります。それは「てんかんやけいれんを診る」のではなく、「患者さんの人生を診る」ということです。

学校や日常生活は大丈夫だろうか?/睡眠に困ってないだろうか?/併存症はないだろうか?/思春期になったら、将来の妊娠や出産、運転免許のことはどう伝えようか?診療を続ければ続けるほど、てんかんは「発作だけの病気ではない」と感じるようになりました。たとえ適切に薬を処方し、発作が軽減しても、患者さんやご家族が安心してその人らしく生活を豊かに暮らせなければ、本当の意味で良い診療とは言えないと私は思っています。

大切なのは、患者さんが自分自身で病気を理解し、向き合い、自分らしく生活していく力を一緒に育てていくこと、言い換えれば「させられている治療」ではなく、患者さん本人が「している治療」です。

そのためには、医療従事者自身が病気を深く理解し、それを患者さんサイドへ言葉や態度で伝えなければなりません。だから本書には、発作分類やてんかん症候群、薬物療法だけでなく、問診の仕方、医療機関外でのてんかん発作への対応、神経発達症などの併存症、生活支援まで、私が日々の診療で患者さんやご家族から教わってきたこと、これはぜひ伝えておきたいと思ってきたことを包み隠さずに詰め込んだつもりです。

恥ずかしながら私には、誇れる知名度も業績もありません。しかし、一人でも多くの患者さんやご家族を含めた周囲の方が安心して暮らせる社会になってほしいという思いで診療を続けてきた日々は、だれにも負けないつもりです。

この本は、小児科診療やてんかん診療が苦手だった私が若い頃に最初に読みたかった本です。「てんかん診療はおもしろい」「診てみようかな」と思ってもらい、外来や病棟で迷ったときに、「ちょっと開いてみよう」と思える一冊になれば幸いです。難しい言葉も出てきますが、例え話や説明順序を考慮し、患者さんサイドでも読んでいただけるように想定しながら書いています。読み終えたとき、「てんかんやけいれんは難しい」が、少しでも「わかる」「診られるかも」「かかわり方に自信がもてるかも」に変わっていたら、これ以上の喜びはありません。そして、皆さんで一人でも多くの患者さんを幸せに導いていただければ嬉しいです。

それでは、一緒に小児てんかんとけいれんを学んでいきましょう!最後になりますが、私を支えてくれたすべての人に感謝します。


2026年8月

三谷 納

目次

・推薦のことば

・まえがき

【1章 小児てんかん・けいれんのキホン】

1 「てんかん」と「てんかん発作」と「けいれん発作」―「けいれん発作」に出合ったら、まずは「てんかん」を疑うな!

2 「てんかん」ってどんな病気?―100人に1人の病気、小児のプライマリケア疾患

【2章 多彩なてんかん発作】

1 てんかん発作のメカニズム

2 「てんかん発作」分類

3 焦点発作

4 全般発作

【3章 「てんかん」「てんかん発作」の診断方法―問診に力を注げ!】

0 Introduction

1 「てんかん」「てんかん発作」診断の流れ

2 「てんかん発作」と間違えられやすい疾患と鑑別点

〈問診の重要性―探偵のごとく問診せよ!〉

3 発作症状に関すること以外、背景の聞き出し

4 発作症状の聞き出しは、発作(直)前→発作中→発作後の順序で!

5 発作(直)前の確認

6 発作時の様子の確認

7 発作後の様子の確認

8 身体診察、神経学的診察、考慮すべき検査

9 脳波検査―脳波検査だけで診断は決められない

【4章 代表的なてんかん症候群とけいれん性疾患】

0 Introduction

〈代表的なてんかん症候群〉

1 中心側頭部に棘波を示す自然終息性てんかん(SeLECTS)

2 自律神経発作を伴う自然終息性てんかん(SeLEAS)

3 小児欠神てんかん(CAE)

4 若年ミオクロニーてんかん(JME)

5 乳児てんかん性スパズム症候群(IESS)

6 ドラベ(Dravet)症候群

7 自然終息性(家族性)乳児てんかん(SeLIE)

〈知っておきたいけいれん性疾患〉

8 熱性発作(熱性けいれん)

9 胃腸炎関連けいれん

【5章 「てんかん」「てんかん発作」の治療・対応】

0 Introduction

〈慢性疾患としての「てんかん」の治療・対応〉

1 治療の考え方

2 薬を開始する前に生活を見直そう!

3 治療の初手は薬物治療(抗てんかん発作薬)!

4 「抗てんかん発作薬」はどうはたらく? どう選ぶ?

5 抗てんかん発作薬の種類・特徴を知ろう

6 特殊な治療法

7 (薬物)治療の終結

〈てんかん発作、(けいれん性)てんかん重積状態の治療・対応〉

8 病院外における対応

9 てんかん重積状態(けいれん重積状態)

【6章 「てんかん」と生活】

0 Introduction

1 てんかんと併存症―神経発達症を中心に

2 女性とてんかん

3 てんかんの告知―どこまで、どのように行うか?

4 てんかんと運転

5 利用可能な医療支援制度―医療従事者からの提案が重要

6 てんかんの移行期医療

・あとがき

・索引

・著者略歴

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書籍情報

  • ISBN:9784840491778
  • ページ数:272頁
  • 書籍発行日:2026年10月
  • 電子版発売日:2026年9月19日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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