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- 読みとく脳生理学
商品情報
内容
解剖学・生理学を学ぶ中で,「脳はどのように働いているのだろう?」と興味をお持ちの方へおすすめの本ができました.本書は脳の構造などの基礎知識から私たちの生活にかかわる道具や言語を操る脳のはたらきを,研究の歴史や背景となる実験からとらえる一冊です.最近注目されている脳の新しい捉え方や,社会や先端技術とのかかわりについても紐解いていきます.解剖生理学や神経科学とは,ちょっと違う角度から「脳」について学んでみませんか?
序文
はじめに
わたしは、医科大学にて、脳のはたらきについて研究しつつ、生理学全般の教育を行っています。
大学で生理学を教えるときに感じるのは、解剖学はクリアしても、生理学でつまずく学生がけっこういる、ということです。生理学は、暗記科目ではないので、その考え方を身に付けてもらうまでには、やはり時間がかかるのです。とくに脳のはたらきについては、なにやらとっつきにくいと思う学生もいるようです。生理学のなかでも、脳のはたらきに注目した学問分野を「脳生理学」といいますが、この脳生理学には、要素還元主義的な科学に収まりきらないところ、すなわちものごとを要素に分解して理解するだけでは捉えきれないところがあり、これにより他の器官を学ぶときとは異なる難しさを感じてしまうようなのです。
こうしたなか、2024年3月に北九州にて行われた第101回日本生理学会大会の教育プログラムで、脳生理学についての教育講演をする機会がありました。そして、その講演を聴いてくれていた羊土社の𠮷田雅博さんからお声がけいただいたのです。
このときわたしは医科大学の図書館長という立場にあり、学生さんたちが「本を読むこと」のハードルが、以前よりも高くなっているのではないかと感じていた背景もあって、同じく羊土社の田頭みなみさん、増本奈津美さんも交えて相談していくなかでたどり着いたのが、
「ちょっとした読み物を読んでいくと、脳のはたらきが分かっていく」
という本がつくれないか、という方向性です。
このためこの本では、いわゆるふつうのテキストよりも、だいぶ読み物風の書き方をしていくことになりました。そして、そのストーリーも、誰しもの生活に関わるもの、すなわち失うと生活に困るような脳のはたらきを中心に組み立てていくこととなったのです。
この本では、まず脳のはたらきについての土台となる知識について整理します。そして、道具と言語を操る脳のはたらきといった、失うと生活に困るような脳のはたらきについて、じっくりとお話ししていきます。さらには、最近注目されている脳に対するあたらしい捉え方や、脳生理学研究と先端科学技術とのつながりについても触れていきます。
こうして生まれたこのサブテキストを手にすることが、脳のはたらきについての深淵なる世界を楽しむきっかけになればと思っています。
2025年10月
神作 憲司
目次
序章 失うと困る脳のはたらき
1 脳は大事、しかし難しい
2 脳と「わたし」の深い関係
第1章 脳のつくりとはたらき
1 脳の基本的な仕組み
1)脳を構成する単位
2)脳のつくりとはたらき
2 脳のはたらきを知る
1)破壊で知る
2)刺激で知る
3)計測で知る
4)時空間のスケール
コラム① 科学とは
第2章 わたしたちの生活と脳のはたらき
1 道具を操る脳のはたらき
1)道具とは
2)道具と身体
2 言語を操る脳のはたらき
1)言語と社会―社会のなかの「わたし」
2)概念と脳―概念を生み出すはたらき
3)言語と自己―言語を操る脳
3 脳と機械をつなぐ
1)失われた脳のはたらきに向き合う
2)動かぬ身体とコミュニケーション
コラム② ひととひととのつながり
第3章 脳のはたらきのあたらしい捉え方
1 「わたし」と「まわり」
1)自己と環境―「わたし」と「まわり」の関係
2)内部環境―細胞の「まわり」
3)内部環境の維持―ホメオスタシス
2 推論する脳
1)「わたし」と脳生理学
2)能動的推論
3)「わたし」と能動的推論
4)言語と能動的推論
コラム③ 発達する脳と付き合う
終章 これからの脳生理学
1 テクノロジーと身体
1)身体を補綴するテクノロジー
2)医療における補綴
2 デジタル社会のなかで
1)ビッグデータを扱う社会で
2)人工知能と私たちの「脳」
コラム④ 関連分野との連携
おわりに
参考文献
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書籍情報
- ISBN:9784758121385
- ページ数:168頁
- 書籍発行日:2025年11月
- 電子版発売日:2025年12月4日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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