• m3.com 電子書籍
  • サイエンスコミュニケーション講座から学ぶ 科学が伝わる技法

サイエンスコミュニケーション講座から学ぶ 科学が伝わる技法

  • ページ数 : 384頁
  • 書籍発行日 : 2026年3月
  • 電子版発売日 : 2026年3月17日
¥3,960(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 最大 72pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当
point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

「伝える」を「伝わる」に変える対話や発信のコツを伝授
「正しく話したのに伝わらない…」「自分の研究に興味を持ってほしい」「炎上しない発信方法は?」そんな悩みを解決するヒントは,サイエンスコミュニケーションにあります.20年間サイエンスコミュニケーション教育をしてきた北大CoSTEPのノウハウをもとに,「伝える」を「伝わる」に変えるコツを伝授!研究のアウトリーチから学際研究,社会実装,資金獲得にまで活きる知識や理論を,豊富な図とともに目的別に解説した入門書.章末にはワークシートがついて,理論を実践につなげるステップもサポートします.

序文

序文

本書はサイエンスコミュニケーション講座から学ぶ、科学が本当に「伝わる」技法をまとめたものである。

科学を社会に伝える技法、特にコミュニケーションを通して科学を社会につなぐ活動をサイエンスコミュニケーションと呼ぶ。「科学を分かりやすく伝えたい」、「自分の専門分野を応援してほしい…」という今のあなたの目的は、サイエンスコミュニケーションを学ぶと一歩前に進むかもしれない。

サイエンスコミュニケーションなんて便利な技法があるんだったら「もっと早く教えてほしかった!」とおもった方もおられるだろう。実は教えている。サイエンスコミュニケーションが本格的に日本に広まったのは2005年頃からで、日本の大学、博物館、研究所でサイエンスコミュニケーションの講座は開講されている。ただサイエンスコミュニケーションを学んでもその先のキャリアが不透明だったり、大学院生など研究に携わる一部の人々の素養というイメージが強く、なかなか一般に広まることがなかった。

北海道大学では、2005年にサイエンスコミュニケーション講座を開講した。その講座、そして開講する組織をCoSTEP(Communication in Science& Technology Education & Research Program)と呼ぶ。多くの大学ではサイエンスコミュニケーションを大学院生のための副専攻として開講したが、CoSTEPだけは学生と一般の人がともに学べるように教育プログラムを学外に開いた。それはサイエンスコミュニケーションが学術の場に閉じないように、多様な立場のサイエンスコミュニケーターを育成していく必要があると考えたからだ。研究者、ジャーナリスト、起業家、アーティスト、デザイナー、政治家、漫画家、企業の広報担当者、会社員、学芸員、公務員、フリーのサイエンスコミュニケーター、社会活動家など、社会のあらゆる立場の人々がCoSTEPに集い、CoSTEPで学んでいる。そしてこの多様性こそ、柔らかく、しなやかにCoSTEPが持続してきたゆえんだ。現在、CoSTEPの修了生は1,400名以上、日本最大のサイエンスコミュニケーション講座になっている。

本書では北海道大学CoSTEPがこの20年間で培ってきた知見や経験を活かし、サイエンスコミュニケーションの観点、理論、実践事例を整理した。整理してみると、サイエンスコミュニケーションとは科学を伝えるだけではないことが分かってきた。現代は科学の知見だけで問題が解決するほど単純でもないし、科学者だけが科学と社会の問題に対処しなければならないわけでもない。例えば最先端の科学技術である生成AIは企業が実装し、瞬く間に社会に広がった。運用におけるルールはどうするのか? 何か問題が起こった時に誰が責任を取るのか? これは科学と社会におけるテーマだが、科学を伝えるだけでは解決しない課題である。伝えた先にどのようなコミュニケーションが必要なのか。本書では、今一度、読者とともにどのようなコミュニケーションが、科学と社会の間に横たわる問題を解決していくのかを考えていく。

本書はサイエンスコミュニケーションに初めて触れた読者にとっても分かりやすいように、サイエンスコミュニケーションを学ぶ旅の形式をとっている。まず序章では自分は何のためにサイエンスコミュニケーションをするのか、4つの目的地から旅のゴールを決めていこう。第1章では、旅の出発前に科学とコミュニケーションを俯瞰的に学んで自分の立ち位置を確認する。第2章ではあなたがこの本を手にしたきっかけである「伝える」サイエンスコミュニケーションについて学んでいく。第3章では「伝える」だけでは到達できない、関心や受容を「育む」サイエンスコミュニケーションを紹介する。第4章では科学の活動自体を社会とともに「省みる」サイエンスコミュニケーションについて述べていく。そして第5章ではサイエンスコミュニケーションをあなた一人の旅にしない、「つなぐ」サイエンスコミュニケーションを取り扱っていく。最後に旅の終章としてサイエンスコミュニケーションを実践するうえでの指針となるよう「CoSTEP宣言」や、各章を横断的に振りかえる座談会を掲載した。「CoSTEP宣言」は、多様な人材が集まるCoSTEPの強みを活かして、20周年を機にサイエンスコミュニケーター100名以上が集合して策定した心得である。

さあサイエンスコミュニケーションの旅へ、出発しよう。


2025年12月

執筆者を代表して
奥本素子、種村 剛

目次

序章 サイエンスコミュニケーションには地図がいる

01 あなたの今の場所、目的の場所

 1 サイエンスコミュニケーションを学ぶとは

 2 サイエンスコミュニケーションとは?

 3 サイエンスコミュニケーションの地図として

02 サイエンスコミュニケーションの歩き方

 1 サイエンスコミュニケーションの地図を学ぼう

 2 サイエンスコミュニケーションの4つの分類

付録:目的から見つけるサイエンスコミュニケーションの地図

第1章 サイエンスコミュニケーションを俯瞰する

01 科学・技術とは?

 1 営みとしての科学と技術

 2 科学を理解するむずかしさ

 3 科学をめぐる科学ではないコミュニケーション

02 コミュニケーションとは?

 1 サイエンスコミュニケーションにおける「コミュニケーション」

 2 コミュニケーションについて考える(A):意思・感情・思考

 3 コミュニケーションについて考える(B):メッセージの伝達と理解

 4 コミュニケーションについて考える(C):相互行為と構成主義

 5 サイエンスコミュニケーションのコミュニケーションの捉え方

 6 目的としてのコミュニケーションと「コミュニケーション・ウォッシュ」

03 サイエンスコミュニケーターとして歩みはじめる前に

 1 科学技術政策とサイエンスコミュニケーター

 2 サイエンスコミュニケーターの多様性

 3 サイエンスコミュニケーターとしての「自分」を探る

Column:CoSTEPで学ぶ人はどんな人?

第2章 伝えるサイエンスコミュニケーション

01 多様な主体とメディア

 1 さまざまな立場から伝える

 2 科学を科学的に伝えない発信

02 サイエンスコミュニケーションとしての広報・発信

 1 多様な媒体

 2 切り口の多様性

 3 課題解決のための発信

03 アウトリーチのためのコミュニケーション

 1 見えていない対象

 2 アウトリーチの構造

 3 アウトリーチの方向性

 4 アウトリーチとしてのサイエンスカフェ

Column:失敗する発信、欠如モデル

あなたのサイエンスコミュニケーションをより良くするためのワークシート

第3章 育むサイエンスコミュニケーション

01 科学との関係性を育む

 1 科学に対する態度を育む

 2 科学に関わる意識を育む

 3 キャリア教育としてのサイエンスコミュニケーション

02 受容を育む

 1 社会受容とは

 2 社会受容における複雑な問題

03 未来の科学を育む

 1 日本における科学技術イノベーション政策の展開

 2 科学技術イノベーション政策の概要

 3 科学技術イノベーション政策におけるELSI/RRI

 4 日本の科学技術イノベーション政策の実施体制(A):科学技術・イノベーション基本法

 5 日本の科学技術イノベーション政策の実施体制(B):文部科学省と関連機関

 6 日本の科学技術イノベーション政策の実施体制(C):科学技術振興機構と関連機関など

 7 日本の科学技術イノベーション政策の実施体制(D):日本学術会議と科学的助言

Column:科学資本とは

あなたのサイエンスコミュニケーションをより良くするためのワークシート

第4章 省みるサイエンスコミュニケーション

01 ポスト・ノーマルサイエンスを省みる

 1 ポスト・ノーマルサイエンス時代

 2 産業革命と科学技術

 3 世界大戦と科学技術

 4 戦後経済の発展と冷戦下の科学技術

 5 科学技術の負の影響と社会の価値観の変化

 6 地球環境問題と持続可能な開発に対する国際的な対応

 7 科学技術と社会に関連する概念

 8 ポスト・ノーマルサイエンス時代の科学技術ガバナンスと民主主義

 9 科学技術ガバナンスへの市民参加の方法

02 リスクコミュニケーション

 1 リスクコミュニケーションの定義と目的

 2 リスクコミュニケーションの意義と方法

 3 過去のリスクコミュニケーション事例に学ぶ

 4 クライシスのその後に

03 科学技術のデュアルユース性を省みる

 1「デュアルユース」とは

 2 科学技術社会とデュアルユース概念発展の歴史

 3 デュアルユース問題はなぜサイエンスコミュニケーションの問題なのか

 4 デュアルユース問題に対応するための倫理

 5 科学技術の未来と過去を省みる

04 科学技術と倫理の関係を省みる―技術哲学の観点から

 1 科学技術は倫理とどのように関わるのか

 2 技術哲学小史

 3 道具説を構成する3つのテーゼ

 4 道具説への反論―技術を道徳化する

 5 技術に同行する倫理学とサイエンスコミュニケーション

Column:Human Dimensions of Wildlife Management―人とリスクをつなぐ視点

あなたのサイエンスコミュニケーションをより良くするためのワークシート

第5章 つなぐサイエンスコミュニケーション

01 科学と社会をつなぐ

 1 社会から駆動される科学

 2 社会が駆動する科学をつなぐ

 3 シチズンサイエンスというネットワーク

 4 オープンサイエンス

02 研究をつなぐ

 1 アクターネットワークから見る研究者側からの働きかけ

 2 研究者同士をつなぐ

03 公平性のためにつなぐ

 1 当事者のためのサイエンスコミュニケーション

 2 サイエンスコミュニケーションが届かない層へつなぐ

Column:関心の翻訳ワークショップ

あなたのサイエンスコミュニケーションをより良くするためのワークシート

終章 サイエンスコミュニケーションには仲間がいる

01 科学とサイエンスコミュニケーションの社会的意義に関する宣言

 1 ブダペスト宣言とポストブダペスト宣言

 2 CoSTEP宣言

02 サイエンスコミュニケーションを学ぶうえで

 1 専門用語を知ることで専門家コミュニティの一員になる

 2 サイエンスコミュニケーションの専門用語

 3 言葉と実践

 4 改めて「サイエンスコミュニケーションとは?」

03《座談会》すくい上げるサイエンスコミュニケーション―執筆をふりかえって

 目的ベースのサイエンスコミュニケーションの教科書

 概念について考える

 関係性に注目する

 リスクコミュニケーション

 渦中のサイエンスコミュニケーション

 本書の執筆を振り返って

謝辞

索引

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:13.7MB以上(インストール時:34.7MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:54.9MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:13.7MB以上(インストール時:34.7MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:54.9MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784758121415
  • ページ数:384頁
  • 書籍発行日:2026年3月
  • 電子版発売日:2026年3月17日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍アプリが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。