パズルで紐解く病態別栄養療法

  • ページ数 : 204頁
  • 書籍発行日 : 2023年9月
  • 電子版発売日 : 2025年1月28日
¥4,180(税込)
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商品情報

内容

●病態・栄養・薬剤・検査値の知識が結びつく栄養療法の実践書!
●すぐにできる栄養評価のコツや低栄養を見逃さないための視点・思考スキルを伝授!
●これからの成人の低栄養診断基準:GLIM基準に対応!

患者の栄養状態は、疾患の治療、回復、悪化防止と密接に関わっているため、その評価は適切な栄養療法を実施するうえで重要です。栄養療法を適切に行うためには、基本的な知識に加え、患者のさまざまな所見から問題点を抽出し、それぞれに対するアプローチを考えるトレーニングが求められます。
本書は、病棟で遭遇する栄養療法がカギを握る悩ましい疾患・病態について、質の高い実践的な症例を用いて問題点を抽出したのち、エキスパートとともにパズル形式で解決策を導きだす構成で、栄養評価や問題解決のための思考プロセスを惜しみなく解説します。さらに、非専門医・薬剤師もすぐに実践できるようGLIM基準を用いた栄養評価のコツも伝授。栄養療法を一通り学んだけれど、いま一つうまくいかない、いつもの栄養療法を見直したい医療者に手に取っていただきたい栄養療法の実践書です。

序文

病態に即した栄養療法を行うために


令和6年度診療報酬改定において,回復期リハビリテーション病棟入院料1の算定要件で「GLIM基準による低栄養の診断」を行っていることが必須となるなど,低栄養に対する栄養管理の重要性がますますクローズアップされるようになりました。回復期リハビリテーション病棟はもちろん,急性期病棟,その他の医療機関や介護施設などにおいても,低栄養を早期に発見し,適切な対策を行うことで,合併症を防ぎ,アウトカムを改善させる可能性があると考えられています。

GLIM基準による低栄養の診断を行う前には,MNA®-SFやMUSTなどのツールによるスクリーニング・アセスメントを行うとされています。多くの病院では,これまで低栄養のスクリーニング・アセスメントは管理栄養士が行っていました。しかし,GLIM基準の導入に際し,管理栄養士がGLIM基準による診断を行うこととなり,入院患者の低栄養のスクリーニング・アセスメントを行う管理栄養士のマンパワーが不足したことで,看護師が担当することとなったという話をよく耳にします。そうした経緯で,低栄養のスクリーニング・アセスメントを新たに担当することになった方も少なくないかもしれません。

栄養管理を定着させるという観点では,こうした変化は大きなチャンスです。さまざまな職種が携わることにより,栄養管理が治療やケアに不可欠なもの,より身近なものという認識が広まる可能性があります。そして,これまで栄養管理に直接携わる機会がなかった医療・介護従事者も,これを機会に,自ら学んでみようというきっかけになるかもしれません。実際に栄養管理を学んでみると,それが患者さんのアウトカムに大きく関連しており,栄養に関する問題点を解決するには,さまざまな職種の情報とノウハウを結集する必要があるということに改めて気づくはずです。

治療のアウトカム,ケアの効果を改善するためには,病態に応じた適切な栄養管理が必要です。疾患,重症度,年齢,併存疾患(コモビディティ),患者さんの日常生活動作(ADL)やサルコペニア,フレイルも含む身体機能など,さまざまな要素を考慮し,治療目標,ケアプランを立て,その目標やプランに少しでも近づくことができるように具体的な治療,ケア内容を決定します。また,栄養管理でも,合併症の発症を防ぐことも大切です。合併症を防ぐためには,病態や低栄養,治療に関する深い理解が求められます。そして,治療,ケアが思うように進んでいかなかった際の代替案の選択肢を複数準備しておく,つまり,多くの「引き出し」をもつことも必要です。

この書籍の第3章は「月刊薬事」の連載で取り上げたもので,薬剤師の方向けに書きました。薬剤師のみなさんのなかにも,栄養管理について関心をもっていただく方が増えていることは,とてもありがたいことだと思っておりました。しかし,この連載で書いた内容は,薬剤師の方だけでなく,さまざまな職種の方にも読んでいただきたい内容がたくさん含まれています。今回,より幅広い職種の方に読んでいただけるよう,一冊の書籍にまとめて出版させていただくことになりました。

すでに栄養サポートチームの一員として活躍するみなさんはもとより,栄養管理は大切だと思っているものの,院内あるいは施設内で相談する機会もなく,一人で悩んでいたというみなさんにも,ぜひ参考にしていただきたいと思っております。

各章の内容を執筆するにあたり,筆者なりに,国内や海外の文献を検索し,エビデンスやコンセンサスに基づいた内容になるよう最大限の配慮を行いました。しかしながら,栄養管理の分野においても,日々新しい知見が報告され,絶え間ない発展,更新が行われています。この書籍の内容をとおして,読者の皆さんが常に新しい知識を追い求め,自己研鑽を継続する一助としていただけることを願ってやみません。

最後に,筆者自身,栄養管理に携わるなかで,他職種の多くのみなさんとの交流の機会をいただき,患者さんやご家族からも喜んでいただけたという貴重な経験もすることができました。そのようなとき,「栄養管理に携わっていてよかった」,「自分の知識,技術が役に立ててよかった」と心から思うことができました。この書籍を読んだ方が,一人でも多く同じような体験をすることができることを願っております。


2024年12月

吉田 貞夫
ちゅうざん病院 副院長
沖縄大学/金城大学 客員教授

目次

第1章 低栄養患者を見逃さない すぐにできる栄養評価法

①栄養スクリーニング・アセスメントの基礎知識

②栄養スクリーニング・アセスメントツールの特徴と使い方

③GLIM 基準による低栄養診断

第2章 栄養療法を紐解くために知っておきたいピース

①体液バランス

②電解質の異常

③サルコペニア・フレイル

第3章 パズルで紐解く病態別栄養療法

①糖尿病患者の血糖を改善させるために

必要なピースはどれ?

②慢性腎臓病に適切に対応するために

必要なピースはどれ?

③低ナトリウム血症に適切に対応するために

必要なピースはどれ?

④慢性閉塞性肺疾患の低栄養に適切に対応するために

必要なピースはどれ?

⑤長期絶食に適切に対応するために

必要なピースはどれ?

⑥肝硬変に適切に対応するために

必要なピースはどれ?

⑦慢性便秘症に適切に対応するために

必要なピースはどれ?

⑧胃がん術後の低栄養に適切に対応するために

必要なピースはどれ?

⑨高齢者の摂食障害に適切に対応するために

必要なピースはどれ?

⑩肺炎に適切に対応するために

必要なピースはどれ?

⑪心不全の低栄養に適切に対応するための

ピースはどれ?

⑫敗血症に適切に対応するために

必要なピースはどれ?

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書籍情報

  • ISBN:9784840756259
  • ページ数:204頁
  • 書籍発行日:2023年9月
  • 電子版発売日:2025年1月28日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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