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- 園部俊晴の臨床 膝関節
商品情報
内容
序文
序文
私が臨床家として一人ひとりの患者と向き合うようになって、約30年が経ちました。この30年間で、私が臨床家として「最も重要視していたものは何か?」と問われたら……、私は、「成長」と答えます。
私には特別な才能もなく、また、手先が不器用なため特別な技術も持っていません。だから、「臨床家としてもっと“ 成長” したい」という思いだけで、ここまで来たように思います。これまでの道のりは平たんではなく、常に自分に対する嫌悪感の繰り返しがあったように思います。悩んで、悩んで、悩みぬいた末に今の自分がありますが、私には他の人より優れた才能が1 つだけありました。それは「あきらめない力」です。自分に対する嫌悪感にさいなまれても、「自分はもっと成長できる」という想いをあきらめずに持ち続けたことが、私の唯一の才能ではないかと思っています。
私が臨床家として飛躍的に成長したと感じられるようになったのは、40 歳になってからでした。成長にはいくつかのきっかけがありましたが、最も大きなきっかけが3 つありました。そのうちの1 つが、この書籍で繰り返し述べている、組織学的推論の重要性に気づいたことです。それまで力学的推論を主軸に臨床を行ってきた私にとって、それだけでは太刀打ちできないと気づいたことは、成長の大きなきっかけとなりました。残りの2 つについては書籍内で述べていますので、本文を読み進めていく中で残りの2 つについても知って頂けると、あなたの成長にもきっと役に立つと思います。
この書籍を手にとって頂いたあなたに、私は次のように問いかけたいと考えています。
あなたは医療人として、
膝の、その痛みを発している組織をいえますか?
膝の、その痛みの力学的な原因をいえますか?
膝の、その痛みをその場で取ることができますか?
自信がない……という人は……、
すぐにこの本を読み進めてください。臨床の面白さが無限に広がります!
この問いかけにあるように、 膝の、その痛みを発している組織をとらえ、その組織に加わる力学的な原因を見つけ、その場で痛みが除去できる、このプロセスで治療を行えるようになることが、我々には絶対に必要です。
もしあなたがこのプロセスで治療が行える臨床家になりたいと思うのであれば、この本をしっかりと読み込んで頂き、目の前の患者の現状に真摯に取り組み、仮説検証を繰り返してみて下さい。そうすることで「自分はできる」と気づくことができると、私は信じています。また、それができると、「自分はまだまだ成長できる」ことにも気づくと思います。そして、その成長が、「自分」にとっても、「患者」にとっても、自分が働いている「施設」にとっても、そして「国」にとっても、すべてにとって良いことだと分かって頂けると思います。
この書籍には、科学的根拠(エビデンス)のないことも多く書いてあります。そのことで批判があることは重々承知の上で意見を述べさせて頂くと、私は、エビデンスの有無よりも目の前の患者が実際に良くなることの方が、さらに重要だと思っています。科学的根拠で理論武装しても、目の前の患者の悩みを消してあげることができなければ、その人はプロフェッショナルとはいえません。
情報は、そのままだとただの「Information(情報)」でしかありません。どのように活かすかがわかると、情報は「Knowledge(知識)」になります。そして、知識を実際に活用できれば「Skill(技術)」となります。科学的根拠(エビデンス)は、あくまでもたくさんある情報の1 つです。
本当によくなったという結果に対し、「本物の根拠(エビデンス)」が後からつくられると、私は考えています。そのため、この書籍では、私が実践して本当に効果のあることを、臨床で本当に行っていることだけを、偽りのない今の私の考えを、述べています。将来的に、修正や改善が必要となるかもしれません。でも、「現実は理論より強い」ことはすべての臨床にいえることだと思いますので、このような医学書があってもいいのではないかと、私は考えています。
この書籍を手にとって頂いたあなたの成長に貢献でき、あなたの臨床の楽しさが無限に広がれば、これほど幸せなことはありません。
2020年12月
吉日コンディション・ラボ所長
園部俊晴
目次
第1章 臨床における仮説検証の重要性
1. 仮説検証とは
2. 仮説検証の重要性
第2章 臨床推論における評価
1. 病態を評価する際の3つの水準
2. 仮説検証を適切に行うための順序
3. 問診
4. 触診
5. 関節運動を利用した評価法
6. 膝関節の力学的評価
第3章 痛みを生じやすい組織の評価と治療の実際
1.膝蓋下脂肪体
2. 膝蓋腱および膝蓋支帯
3. 内側側副靱帯
4. 半月板
5. 鵞足
6. 半膜様筋
7. 伏在神経
8. 腸脛靱帯
9. 膝窩筋
第4章 可動域・柔軟性の改善
1. 可動域・柔軟性の改善の重要性
2. 膝関節伸展制限の改善
3. 膝関節屈曲制限の改善
第5章 2 つの症候群
1. 膝関節過外旋症候群
2. 変形性膝関節症
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書籍情報
- ISBN:9784904862476
- ページ数:360頁
- 書籍発行日:2021年1月
- 電子版発売日:2025年2月11日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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