肩関節の極意 痛み編

  • ページ数 : 182頁
  • 書籍発行日 : 2024年4月
  • 電子版発売日 : 2025年2月14日
¥7,150(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 130pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当
point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

"限界点”を"通過点”に変える秘伝 第1弾! 肩関節治療のスペシャリスト千葉慎一の待望の単著が発売! “極意“シリーズ第1弾のテーマは『痛み』。 肩関節痛の痛みを発生させる4つの部位にフォーカスを当てて、それぞれの評価と治療の極意を余すことなく公開する。 ■POINT①:肩関節の痛みを発生させる『4つの関節』について徹底解説 肩関節の痛みの多くが、肩甲上腕関節、第2肩関節、結節間溝、肩鎖関節の4つの部位に集約されています。本書ではそれぞれの病態や、原因を特定するための評価・鑑別方法や治療方法を分かりやすく説明しています。 ■POINT②:『神経由来の痛み』についても深堀り解説 実際の臨床では、先述4つの関節以外の問題で肩の痛みを訴える症例も存在します。こうした症例の共通点として多いのが、痛みが比較的広範囲に存在していることや、動作によっては痛みの部位が異なったりすることが挙げられます。こうした場合は、まず「神経由来の痛み」が関与を疑います。本書の最終章ではこの『神経由来の痛み』について、各病態の評価・鑑別方法や治療方法を分かりやすく説明しています。 ■POINT③:書籍内のQRから実技映像が観れる 本書には著者による21本の解説動画を視聴できるQRコードが多数用意されています。文章ではイメージしづらいニュアンスを映像で視覚的に理解することができます。

序文

序文

この度、「肩関節の極意」をご購入頂き、誠にありがとうございます。この本を手に取っているということは、臨床で肩関節を診る機会が多く、そして何より治療成績に悩んでいるのではないでしょうか。

肩関節の痛みに対して、同じような症状を呈した患者に同じような治療をしても、結果が全然違うといったことを、あなたは経験したことがないでしょうか。これは、あなただけでなく、多くのセラピストが経験をしています。なぜ、同じような症状でも痛みが改善してくる症例もいれば、改善しない症例もいるのでしょうか。おそらくその答えは、症状は似ていても、症状の原因が異なるからだと思われます。つまり、治療が悪いのではなく、症状の原因を適切に評価できていないことに問題があるのだと思われます。

適切な評価ができない理由はたくさんあると思いますが、特に次の2 つの要因が大きいと感じています。1 つは、肩関節が複合体と呼ばれ、複数の関節がお互いに協調し合いながら動作を遂行しているため、評価が難しいということ。そして、もう1 つは、患者の肩がどんな状態で痛みが出現しているのかを、的確に判断できていないということ、この2 つが考えられます。

私がセラピスト向けに肩関節の講演を行う時はいつも、複数の関節がお互いに協調し合う肩関節とは「どんな関節」なのか。そして、実際の症例の肩関節の痛みは「どんな状態」によって起こっているのかの2 点を徹底して伝えています。なぜなら、この2 点を理解することが、肩関節の臨床で最も重要だと思っているからです。そして、あなたもこの2 点を本書で網羅することができれば、肩関節に対する治療方法に悩むことが少なくなり、良好な治療成績が得られるようになると考えています。

本書では、この2 点の解説をした後に、実際の治療方法について紹介しています。きっと読み終わる頃には、肩関節疾患に対する治療のイメージが大きく変わるだけでなく、苦手意識も克服できていると思います。

もちろん、ちょっと難解に感じる部分もあるとは思いますが、自分自身の肩を動かしながら読んだり、私が実際に動画で解説している映像をQR コードから参照しながら読み進めることで、どんどん理解が深まるようになると思います。そして、臨床現場で実践を繰り返し、肩関節に対する苦手意識を克服しながら自信を付けていって下さい。本書が少しでもあなたの臨床に対する自信と楽しさ、そして仕事のやりがいに繋がってくれたら、これほど嬉しいことはありません。


2024年4月

千葉慎一(医療法人社団 裕正会 ウェルケアわきた整形外科)

目次

第 1 章 肩関節の運動機能

1 肩関節複合体

 1)複数の関節で運動を形成している

 2)肩関節の運動様式はピラミッド型の構造を形成している

2 各関節の運動機能

 1)肩甲上腕関節の運動

  ① 大結節の軌跡

  ② 肩関節屈曲の運動

  ③ 肩関節外転の運動

  ④ 烏口肩峰アーチから上腕骨の動きを考える

 2)肩甲胸郭関節における肩甲骨の動き

  ① 肩甲骨面上における肩甲骨の動き

  ② 肩甲骨面上での上肢挙上における肩甲骨内外転の動き

  ③ 肩関節屈曲における肩甲骨の動き

  ④ 肩関節外転における肩甲骨の動き

  ⑤ 屈曲と外転を考える

 3)肩鎖関節と胸鎖関節の運動

  ① 胸鎖関節における鎖骨の動き

  ② 肩鎖関節における肩甲骨の動き

  ③ 肩関節屈曲や外転に伴う鎖骨の動き

 4)胸郭の動き

  ① 胸郭後面

  ② 胸郭前面

 5)骨盤の動き

  ① 座位での動き

  ② 立位での動き

 6)下肢の動き

  ① 股関節

  ② 膝関節

  ③ 足関節

3 肩関節の3つの安定化機構

 1)第 1 の安定化機構

 2)第 2 の安定化機構

 3)第 3 の安定化機構

 4)安定化機構から病態と機能評価を考える

4 まとめ

第 2 章 肩関節の評価

1 肩関節の評価におけるポイント

 1)問診

 2)病態評価

 3)機能評価

 4)肩関節の評価から治療までの流れ

2 病態評価

 1)病態評価の手順

 2)肩鎖関節に対するストレステスト

  ① High arc テスト

  ② Horizontal arc テスト

  ③ Distruction テスト

 3)第 2 肩関節に対するストレステスト

  ① Neer’s インピンジメントサイン

  ② Hawkins インピンジメントサイン

  ③ 水平内転インピンジメントサイン

 4)肩甲上腕関節(関節包内)に対するストレステスト

 5)結節間溝に対するストレステスト

  ① Speed テスト

  ② Yergason テスト

  ③ 私が行っている応用テスト

3 各関節の機能評価

 1)肩甲上腕関節の評価

  ① 回旋可動域の評価

  ② 回旋以外の可動域評価

  ③ 可動域評価に対する解釈

  ④ 筋力の評価

 2)肩甲胸郭関節の評価

  ① 可動域の評価

  ② 筋力の評価

 3)体幹の評価

  ① 可動域の評価

  ② 筋力の評価

 4)鎖骨の評価(胸鎖関節の評価)

  ① 視診

  ② 可動性の評価

 5)肩鎖関節の評価

 6)下肢の評価

4 機能評価の実際

5 まとめ

第 3 章 肩関節の治療

1 治療にあたって

2 急性期の治療と慢性期の治療

 1)病期の把握

 2)急性期の治療

 3)慢性期の治療

3 治療に必要な痛みの解釈

 1)痛みの大別

 2)関節・筋・腱の痛み

  ① 関節の痛み

  ② 筋の痛み

  ③ 腱の痛み

 3)肩関節における関節、筋、腱の痛み

4 4つの部位に対する治療

 1)第 2 肩関節

  ① 治療目的

  ② 治療目標

  ③ 急性期〜インピンジメント症候群〜

  ④ 慢性期〜インピンジメント症候群〜

 2)肩甲上腕関節

  ① 治療目的

  ② 治療目標

  ③ 急性期〜肩関節周囲炎〜

  ④ 慢性期〜肩関節周囲炎〜

 3)結節間溝

  ① 治療目的

  ② 治療目標

  ③ 急性期の治療例〜上腕二頭筋長頭腱炎〜

  ④ 慢性期の治療例〜上腕二頭筋長頭腱炎〜

 4)肩鎖関節

  ① 治療目的

  ② 治療目標

  ③ 急性期〜肩鎖関節損傷〜

  ④ 慢性期〜肩鎖関節損傷〜

5 4つの部位に共通する治療

 1)腱板機能の改善

  ① 直線的な動き

  ② 回旋の動き

  ③ 徒手的介入のポイント

 2)肩甲骨機能の改善

  ① 肩甲骨の可動域を高める

  ② 肩甲骨の固定性を高める

  ③ 他関節から肩甲骨機能を高める

  ④ 他関節との協調性を高める

6 日常生活動作指導のポイント

 1)反対の肩や脇の下を触れる

 2)結帯動作

 3)結髪動作

7 最後に

第 4 章 神経由来の痛み

1 肩関節における神経由来の痛み

 1)神経由来の痛みを疑う所見

  ① 明らかな炎症所見がない

  ② 痛みの場所が限局できない

  ③ 自動運動と他動運動で痛みが異なる

 2)肩関節で押さえておくべき神経の基礎知識

  ① 腕神経叢とは

  ② 肩甲上神経とは

  ③ 腋窩神経とは

2 3つの神経の解剖学的特徴と臨床との接点

 1)腕神経叢の特徴と臨床との接点

  ① 腕神経叢の走行

  ② 腕神経叢の絞扼部位

  ③ 臨床との接点

 2)肩甲上神経の特徴と臨床との接点

  ① 肩甲上神経の走行

  ② 肩甲上神経の絞扼部位

  ③ 臨床との接点

 3)腋窩神経の特徴と臨床との接点

  ① 腋窩神経の走行

  ② 腋窩神経の絞扼部位

  ③ 臨床との接点

3▶ 神経由来の痛みを伴う代表的な疾患

 1)胸郭出口症候群(TOS)

  ① 斜角筋症候群

  ② 肋鎖間隙症候群

  ③ 過外転症候群

 2)肩甲上神経障害

 3)四辺形間隙症候群

4▶ 最後に

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:47.9MB以上(インストール時:99.5MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:191.5MB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:47.9MB以上(インストール時:99.5MB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:191.5MB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784904862650
  • ページ数:182頁
  • 書籍発行日:2024年4月
  • 電子版発売日:2025年2月14日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍アプリが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。