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- 医学のあゆみ292巻9号 神経変性疾患の分子病態解明と治療法開発
商品情報
内容
・アルツハイマー病,筋萎縮性側索硬化症(ALS)や家族性ALS に対する医薬品が,2023~2024年の2年間で相次いで承認された.この2年に限らず,2015年にALS に対してエダラボンが承認されて以来10年足らずのうちに,数多の神経変性疾患・神経筋疾患に対する疾患修飾療法が次々と実用化され,名実ともにゲームチェンジが起きている.
・こうした目まぐるしい治療法開発の背景に,病態解明の進展があることは言うまでもない.本特集では,神経変性疾患の病態・治療に関する研究の進歩を紹介し,今後を展望する.
序文
はじめに
神経変性疾患の研究・開発を語るうえで,2023~2024年の2年間は歴史に残る年となった.2023年にアルツハイマー病に対する抗体医薬レカネマブが承認され,2024年には第2の抗体医薬であるドナネマブが承認されるとともに,筋萎縮性側索硬化症(amyotrophiclateral sclerosis:ALS)に対するメコバラミン,家族性ALS に対する核酸医薬トフェルセンが相次いで承認された.この2年に限らず,2015年にALS に対してエダラボンが承認されて以来10年足らずのうちに,数多の神経変性疾患・神経筋疾患に対する疾患修飾療法が次々と実用化され,名実ともにゲームチェンジが起きている.
こうした目まぐるしい治療法開発の背景に,病態解明の進展があることは言うまでもない.ひと言で言えば,研究と開発の距離が縮まったということになる.では,なぜ両者が近づいたのか.第1 に,次世代シーケンサーやiPS 細胞,イメージング,データサイエンスなどの研究手法が高度化し,病態の本質に迫る知見が積み重ねられたことがあげられる.第2 に,治療モダリティの進化が重要な開発のエンジンとなっている.すなわち,アンチセンス核酸やsiRNA(small interfering RNA),遺伝子導入などの広義の遺伝子治療や抗体医薬などが現在の創薬の主体となっており,疾患に直接関わる遺伝子・タンパク質に作用する治療法が実用化されている.このことは,技術革新が医療を変えることを如実に示すとともに,疾患の原因を探索する研究が治療法開発にとっていかに重要かを物語っている.第3 に,創薬をめぐるビジネスモデルの変遷があげられる.2000年代から,創薬の中心は高血圧や脂質異常症といった患者数の多い生活習慣病から希少疾患・難病へとパラダイムシフトしており,特に米国のバイオテックとよばれるベンチャー企業・スタートアップが創薬を推進している.
今まさにわれわれは,神経変性疾患が治療可能な疾患になるという時代の転換期の真っただ中にいる.本特集では,病態・治療に関する研究がいかに進歩し,さらにこれからどのような展望があるのか,それぞれの疾患や研究手法について,第一線で活躍する先生方にまとめていただいた.これを読んだ皆さんが神経変性疾患の研究に今以上に興味を持っていただき,次の10年を切り開いてくださることを祈っている.
勝野雅央
Masahisa KATSUNO
名古屋大学大学院医学系研究科神経内科学,同臨床研究教育学
目次
第1土曜特集 神経変性疾患の分子病態解明と治療法開発
疾患別の最新研究
バイオマーカーからみたアルツハイマー病の病態と診断―疾患修飾薬時代の診断基準
新時代を迎えたアルツハイマー病の治療法開発―抗アミロイド療法を中心に
Tauopathyの分子病態と創薬戦略
バイオマーカーからみたパーキンソン病の病態
パーキンソン病に対する疾患修飾療法の開発の現状
多層的動的均衡システムの破綻として捉えるALSと治療戦略
進化する球脊髄性筋萎縮症の研究―病態解明と革新的治療法の実現へ
リピート伸長変異による脊髄小脳変性症―明らかになる遺伝的知見と分子病態
多系統萎縮症の分子病態と治療開発
神経変性と自己免疫:病態のオーバーラップ―神経変性と自己免疫
研究開発手法の最前線
神経変性疾患に対する核酸医薬
神経超希少疾患に対する個別化アンチセンス核酸医薬開発
神経変性疾患における血液のオミクス解析いろは
神経筋変性疾患に応用可能なさまざまなゲノム解析手法
霊長類を用いたアルツハイマー病次世代動物モデルの進展
iPS創薬が拓く治療法開発
神経回路網から紐解く神経変性疾患の病態UPDATE
神経変性疾患の創薬を支える臨床研究・治験
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書籍情報
- ISBN:9784006029209
- ページ数:120頁
- 書籍発行日:2025年3月
- 電子版発売日:2025年3月3日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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