3か月でマスター 知識ゼロからはじめる嚥下評価

  • ページ数 : 152頁
  • 書籍発行日 : 2025年3月
  • 電子版発売日 : 2025年3月5日
¥3,850(税込)
m3.com 電子書籍ポイント: 70pt ( 2 %)
m3ポイント:1%相当
point-info
今すぐ立ち読み
今すぐ立ち読み

商品情報

内容

【VEやVFがなくても嚥下状態を評価できる】
摂食嚥下のド素人で、実は知識ゼロで、だけど少しでも口から食べさせてあげたい…。
そのやる気が出発点!摂食嚥下にかかわる全員に、知っておきたい解剖などの基礎知識から、VFやVEがなくても聴診器1つあれば嚥下が評価できるようになる知識と技術をまとめた1冊。

序文

まえがき

言語聴覚士(ST)として嚥下リハの現場に身を置いて、早いもので20年になります。今でこそ、嚥下リハの重要性が認知されていますが、私が学生のころはまったくそんな状況ではありませんでした。ST 養成校でも摂食嚥下の授業は少なく、臨床実習でもほぼ言語訓練しか経験しませんでした。

しかし、いざ病院に就職すると嚥下リハの依頼がけっこう多く、右も左もわからないままに嚥下障害患者さんの評価やリハビリを担当しなければならず、怖くて逃げ出したくなったのを思い出します。今の私を知る人には驚かれますが、嚥下リハがとても苦手だったのです。そうはいっても、高齢化とともに誤嚥性肺炎や脳卒中後の嚥下リハの需要がどんどん増えてくるのを肌で感じていたので、意を決して苦手だった嚥下リハを懸命に学んでいきました。

そんななかで頸部聴診法という評価手技を知り、ほぼ独学で習得していったことが私のターニングポイントでした。目で見えない嚥下の状態をイメージできるようになったことで、患者さんへの評価精度が高まり、適切なリハや指導を行うことができるようになり、その経験が自信へとつながっていったのです。今は現場で働きながら、「嚥下リハサポート」というセミナー事業を運営し、ST だけでなく嚥下リハに携わる多職種のスタッフへの教育活動に力を注ぐ毎日を送っています。

今回、職種を問わず初心者がしっかり学べる嚥下評価の書籍を新たに作ろうと思い立ったのは、新型コロナウイルス感染症による隔離対応の経験があります。嚥下リハが普及し、大きな病院では嚥下造影検査(VF)や嚥下内視鏡検査(VE)が当たり前に行われるようになっています。それに頼って評価・リハを行い、施設や在宅では、その病院の情報をもとに対応を継続するというのが一般的な流れです。しかし、コロナ禍でそんな検査ができなくなり、スタッフは短時間で自分の目や手や耳で判断をしなければならなくなったのです。多くの人が頸部聴診法を用いた評価スキルの重要性を感じたはずですし、自分の評価スキルを見つめ直すきっかけになったことでしょう。

また、私はいろんな職場を経験していますが、とても問題だなと感じているのが、病院をはじめ、施設・訪問の現場で、適切に嚥下評価ができる人材が不足している現実です。病院からのサマリーで「嚥下機能が廃絶しているので経口摂取は危険です」といわれている人が、評価と少しの工夫でしっかり経口摂取できるというようなケースが少なくないのです。病院のスタッフが評価精度を上げる必要がありますし、もしその評価が不十分であった場合に、施設や在宅のスタッフが修正していく必要があるのです。しかし、評価できないことを棚に上げて、「食べると肺炎になりますよ」「お楽しみ程度にとどめましょう」とお茶を濁してしまっていないでしょうか? 本当は「食べられる人」に「大丈夫。食べられますよ」と太鼓判を押せる評価スキルのあるスタッフが、どの職場にも必要なのです。

超高齢社会になり、加齢やさまざまな疾患で食べる機能が衰えて、誤嚥性肺炎のリスクがある人が今後増々増えていくでしょう。「口から食べる」ということは、誰もが最後まで持っている楽しみであり、家族とのコミュニケーションでもあります。それを最後まであきらめずに継続できるように、職場環境や職種を問わずに、適切に評価できるスタッフを育成していきたい、そんな思いを込めて久しぶりに新しい書籍としてまとめました。嚥下評価の初心者である看護師と管理栄養士がレッスンを受けるという、ちょっとしたストーリー仕立てで楽しく学べるように書いたので、多職種の人が手に取って学んでくださるとうれしいです。

最後に、出版に当たり、いつも嚥下リハビリの啓発に賛同し尽力してくださっている株式会社メディカ出版の山田美登里様に心からお礼申し上げます。


2024年12月25日

嚥下リハサポート 代表
大野木 宏彰

目次

【STAGE1 誤嚥性肺炎と口腔・咀嚼・嚥下の基礎知識をマスターする】

・STEP1 誤嚥性肺炎は「正しくおそれよ」!?

・STEP2 口の中にはレク〇スが入っている!?

・STEP3 VF・VE映像で嚥下の流れを頭に入れよう!

・STEP4 口腔ケア用の秘密兵器を紹介!

〈嚥下評価 基礎編〉

【STAGE2 3つの嚥下機能と頸部聴診法をマスターする】

・STEP5 嚥下評価のマニュアルの殻を破ろう!

・STEP6 「3つの嚥下機能」が判断できればOK

・STEP7 頸部聴診法のススメ

〈嚥下評価 実践編〉

【STAGE3 3つの嚥下機能ごとの評価のポイントをマスターする】

・STEP8 嚥下評価の進め方・考え方と評価物品

・STEP9 咽頭クリアランスの評価ポイント

・STEP10 咀嚼・食塊形成~送り込みの評価ポイント

・STEP11 嚥下反射のタイミングの評価ポイント

・STEP12 いざ実践!こんなときどうする!?

Q1 ハイリスク患者の嚥下開始食って、なにから出すといいの?

Q2 経口摂取を中止したり、断念するときの判断は?

Q3 トロミを濃くしても一口量を減らしても、むせてしまう……

Q4 ペースト食なのにいつまでもモグモグしていて、なかなか飲み込んでくれない……

Q5 丸のみで一口量が多くて窒息がこわい……

Q6 大きな褥瘡があって、摂取カロリーを増やしたいけど……

Q7 トロミを嫌がって飲んでくれない……

Q8 終末期で禁食対応中、口腔内乾燥や汚れがひどい……

Q9 頸部聴診法をみんなにも知ってもらうためにはどうしたらいい?

・epilogue

・指導プリント集

・INDEX

・WEB動画の視聴方法

・著者紹介

便利機能

  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応
便利機能アイコン説明
  • 全文・
    串刺検索
  • 目次・
    索引リンク
  • PCブラウザ閲覧
  • メモ・付箋
  • PubMed
    リンク
  • 動画再生
  • 音声再生
  • 今日の治療薬リンク
  • イヤーノートリンク
  • 南山堂医学
    大辞典
    リンク
  • 対応
  • 一部対応
  • 未対応

対応機種

  • ios icon

    iOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:568.7MB以上(インストール時:1.1GB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:2.2GB以上

  • android icon

    AndroidOS 最新バージョンのOSをご利用ください

    外部メモリ:568.7MB以上(インストール時:1.1GB以上)

    ダウンロード時に必要なメモリ:2.2GB以上

  • コンテンツのインストールにあたり、無線LANへの接続環境が必要です(3G回線によるインストールも可能ですが、データ量の多い通信のため、通信料が高額となりますので、無線LANを推奨しております)。
  • コンテンツの使用にあたり、m3.com電子書籍アプリが必要です。 導入方法の詳細はこちら
  • Appleロゴは、Apple Inc.の商標です。
  • Androidロゴは Google LLC の商標です。

書籍情報

  • ISBN:9784840487900
  • ページ数:152頁
  • 書籍発行日:2025年3月
  • 電子版発売日:2025年3月5日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

まだ投稿されていません

特記事項

※ご入金確認後、メールにてご案内するダウンロード方法によりダウンロードしていただくとご使用いただけます。

※コンテンツの使用にあたり、m3.com 電子書籍アプリが必要です。

※eBook版は、書籍の体裁そのままで表示しますので、ディスプレイサイズが7インチ以上の端末でのご使用を推奨します。