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- 物理療法学・実習 第2版〈15レクチャーシリーズ理学療法テキスト〉
商品情報
内容
理学療法士養成課程の学生に向けた最新・最適な物理療法学テキスト.熱,水,光線,電気,機械刺激などの物理学的エネルギーについての知識と病理学的知識を踏まえ,各種の病態に対して有効に作用する物理療法の生理学的根拠に関する理解を深め,治療手段の原理・方法・適応と同時に禁忌を理解することを目標とする.各レクチャーに実習に役立つ指導を含めた.改訂で全面的に内容を刷新,全ページをフルカラーとした.
序文
序文(第2版)
物理療法学は,理学療法士の専門的知識と技能を支える重要な柱の一つであり,科学的根拠に基づいた治療を提供する上で欠かせない学問領域です.本書は,理学療法士を目指す学生やスポーツトレーナーを目指す学生が物理療法学を体系的に学び,実践的な応用能力を養うための標準的な教科書として企画されました.
本書の特長として,物理療法学の研究成果を盛り込み,エビデンスに基づいた解説を充実させています.学生が実際の臨床現場で必要とされる判断力を養うことを目指し,治療効果や適応症例の選定方法についても解説しています.さらに学びを深められるよう,本改訂にあたりカラー印刷の導入などにより豊富なイラストや写真を掲載し,視覚的にも理解しやすい構成を心掛けました.
現代の医療環境において,物理療法はその適用範囲を広げ,多岐にわたる疾患や障害に対して効果的な治療手段を提供しています.温熱療法,電気刺激療法,光線療法,超音波療法,そして最近活用されているパルス磁気刺激や軽度高気圧酸素療法など,物理療法の各技術はそれぞれ独自の理論的背景と臨床的適用法を持っています.新しい理論や技術を背景に開発が進められていて,日々,物理療法機器が誕生しています.従来の教科書では記載されていなかった新規物理療法も医療・介護やスポーツの現場で導入が進められている現状であるため,新たに新規の物理療法として学習主題項目を作成し,基礎知識を得られるようにレクチャーを設定しました.本書では,これらの物理療法の技術を基礎から学べるように,各レクチャーを通じて理論と実践をバランスよく構成しました.
物理療法学を学ぶ上でのもう一つの重要な側面は,安全性の確保です.本書では,物理療法の適用に伴うリスクや禁忌事項についても詳細に記載し,対象者の安全を最優先とした治療が行えるよう配慮しています.これにより,学生が将来,理学療法士として責任を持って物理療法を実施できる基盤を築くことができることを祈念しています.
本書により,学生の皆さんが物理療法学を深く理解し,将来の臨床現場で活躍するための一助となることを心より願っています.また,本書を使用する教育者の皆さまにも,本書が教育活動を支援する有用なツールとなることを期待しております.本書の編集にあたり,経験豊富な理学療法士であり,教育者・研究者の協力を得ました.それぞれの専門分野の知識と経験を活かし,最新の知見を網羅した内容となるよう努めました.この場を借りて,執筆者および協力者の皆さまに深く感謝申し上げます.
最後に,本書を通じて物理療法学のさらなる発展とQOL 向上に貢献できることを祈念し,序文とさせていただきます.
2025年1月
責任編集 藤野英己
目次
LECTURE 1 物理療法の歴史・展望 (藤野英己)
1.物理療法の定義
2.物理療法の分類と種類
3.物理療法の歴史
4.物理療法の現状
5.物理療法の診療報酬
6.物理療法の治療の流れ
7.物理療法の研究と機器開発の動向
8.物理療法の展望
Step up 物理療法の分類と種類
LECTURE 2 リスク管理 (田中雅侑)
1.リスク管理とは
2.医療事故とその発生要因
3.リスクマネジメントのプロセス
4.機器の点検の方法
5.危険予知トレーニング(KYT)
実習
1.点検マニュアルの作成
2.非常時の行動マニュアルの作成
3.トラブルシューティングの検討
Step up
1.物理療法における禁忌事項を取りまとめたレビュー論文
2.リハビリテーション医療における安全管理・推進のためのガイドライン
LECTURE 3 温熱療法(1)温熱の生理的反応と伝導熱(ホットパック) (藤野英己)
1.温熱療法とは
2.熱エネルギーの基礎
3.温熱に対する生理的反応
4.ホットパック
実習
ホットパック(湿熱,乾熱)
Step up 温熱に対する生理的反応
LECTURE 4 温熱療法(2)伝導熱(パラフィン浴)と輻射熱(赤外線療法) (藤野英己)
1.パラフィン浴
2.光エネルギーの特性:照射距離と照射角度
3.赤外線療法
実習
1.パラフィン浴
2.赤外線療法
3.直線偏光近赤外線照射
Step up
1.光線と光エネルギーの特性
2.皮膚の構造と血管
LECTURE 5 温熱療法(3)エネルギー変換熱(超短波療法,極超短波療法) (藤野英己)
1.エネルギー変換熱
2.超短波療法(超短波ジアテルミー)
3.極超短波療法(マイクロウェーブジアテルミー)
実習
1.超短波療法
2.極超短波療法
Step up
1.マグネトロンの特性
2.ハイパーサーミア
LECTURE 6 超音波療法 (平賀 篤)
1.超音波の基礎
2.超音波療法
3.応用的な超音波治療
実習
1.超音波導子のビーム不均等率(BNR)
2.超音波照射による関節角度の変化
Step up
1.超音波療法と運動療法の併用
2.広範囲の超音波照射
LECTURE 7 光線療法 (平賀 篤)
1.光線の基礎
2.赤外線療法
3.紫外線療法
4.レーザー療法
実習
1.最小紅斑量(MED)テスト
2.レーザー照射による圧痛の変化
Step up
1.光線に関与するウィーン変位則とキルヒホッフの法則
2.赤外線による生理的反応
LECTURE 8 寒冷療法 (藤田直人)
1.寒冷療法とは
2.寒冷療法の種類
3.寒冷療法の生理的作用
4.適応と禁忌
実習
1.冷却に伴う皮膚色の変化
2.冷却に伴う皮膚温と感覚の変化
3.冷却に伴う運動機能の変化,運動パフォーマンスの変化
Step up
1.運動後に行う寒冷療法は機能回復を遅延させるか
2.筋損傷後に行う寒冷療法は筋再生を遅延させるか
LECTURE 9 水治療法 (藤田直人)
1.水治療法とは
2.水の物理的特性
3.水治療法の種類
4.生理的作用
5.適応と禁忌
実習
1.渦流浴,気泡浴に伴う皮膚温の変化
2.交代浴に伴う皮膚温の変化
3.人工炭酸泉浴に伴う皮膚温の変化
Step up 水中運動時における筋活動の評価
LECTURE 10 電気刺激療法(1)総論 (田中 稔)
1.総論:電気刺激療法
2.生理学的知識の基礎
3.電気の基礎
4.電気刺激の設定条件(パラメータ)
5.禁忌と注意事項
実習
1.強さ-時間曲線(SD曲線)
2.通電設定の違い
3.電極の位置
4.電極の面積の違い
Step up コンビネーション治療
LECTURE 11 電気刺激療法(2)神経筋電気刺激,経皮的電気神経刺激,微弱電流刺激,筋電誘発電気刺激 (田中 稔)
1.神経筋電気刺激(NMES)
2.経皮的電気神経刺激(TENS)
3.微弱電流刺激(MES)
4.筋電誘発電気刺激(ETMS)
実習
1.神経筋電気刺激(NMES)による筋収縮
2.神経筋電気刺激(NMES)と運動療法との組み合わせによる
3.経皮的電気神経刺激(TENS)
Step up イオントフォレーシス(イオン導入法)
LECTURE 12 電気刺激療法(3)機能的電気刺激療法,バイオフィードバック療法 (田中 稔)
1.機能的電気刺激療法
2.バイオフィードバック療法
実習
1.機能的電気刺激(FES)
2.圧バイオフィードバック療法
3.超音波エコーによるバイオフィードバック療法
Step up 筋電誘発電気刺激療法(ETMS)
LECTURE 13 牽引療法 (田中雅侑)
1.牽引療法とは
2.治療効果・目的
3.実施方法
4.リスク管理
5.適応と禁忌
6.手順
7.実施上の注意事項
実習
1.腰椎牽引
2.頸椎牽引
3.自重牽引と徒手牽引の比較
4.牽引療法施行前後の疼痛評価
Step up
1.腰椎椎間板ヘルニアに対する牽引療法の実践
2.腰椎疾患治療に関する診療ガイドライン
LECTURE 14 マッサージ療法 (藤田直人)
1.マッサージ療法とは
2.適応
3.手技の種類
4.効果
5.手順
6.適応と禁忌
実習
1.圧迫マッサージによる浮腫の軽減
2.バイブレーションマッサージによる遅発性筋痛の軽減
3.全身振動装置を用いたバイブレーションマッサージが運動
Step up マッサージでやせることは可能か?
LECTURE 15 新規の物理療法 (田中雅侑)
1.新規の物理療法の概要
2.パルス磁気刺激
3.高気圧酸素
4.低酸素刺激
5.体外衝撃波療法(ESWT)
6.ロボットを用いた治療
Step up 炭酸ガス経皮吸収療法
TEST 試験 (藤野英己)
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書籍情報
- ISBN:9784521751283
- ページ数:220頁
- 書籍発行日:2025年3月
- 電子版発売日:2025年3月21日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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