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腰椎椎間板内治療のすべて~的確な診断と最適な治療を求めて~

  • ページ数 : 286頁
  • 書籍発行日 : 2025年4月
  • 電子版発売日 : 2025年5月21日
¥8,910(税込)
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商品情報

内容

本書では、椎間板ヘルニアと椎間板性腰痛を2大ターゲットとして、その病態メカニズムと周辺領域の知見、症候と診断、そして低侵襲的椎間板内治療について、整形外科ならびにペインクリニック科の専門の先生方に執筆をお願いした。治療法については、保存的治療から低侵襲的治療まで、幅広く取り上げた。観血的手術治療については、脊椎外科の先生方に最新の知見をまとめていただいた。理学療法科の先生方には、術前・術後、あるいは日常的な運動療法の重要性を詳細に解説いただいた。また、慢性化した腰痛では心理的要因の関与の観点から、心療内科と公認心理師の先生方に専門的な知見を述べていただいた。集学的な視座から、診断的・治療的アプローチが網羅された〝腰椎椎間板内のすべて″に仕上がっている。

序文

序文


このたび、克誠堂出版のご尽力を得て、「腰椎椎間板内治療のすべて〜的確な診断と最適な治療を求めて〜」を上梓する運びとなりました。編著者として一言ごあいさつを申し述べます。

腰椎椎間板ヘルニアは古くから知られた疾患であります。典型的には神経根性坐骨神経痛を発症し、かつては多くの症例に対して観血的手術治療が選択されました。しかし、ヘルニアの自然退縮が起こりえることが明らかとなり、また低侵襲治療手技が多数開発され治療の選択肢は格段に増加しました。必ずしも観血的手術を選択しなくても、様々な方法で個々の症例に対処することが可能となったわけです。近年はさらに詳細な病態解明が進み、椎間板髄核内に発現する起炎性サイトカインをターゲットとする治療法も開発されるに至っています。

2001年に発表された有名な論文により非特異性腰痛の概念が唱えられ、多くの腰痛が実態は器質的病変を有しない症候であるかのごとく解釈された時期もありました。しかし近年、筋・筋膜、椎間関節、仙腸関節などの器質的病態が、腰痛の発症メカニズムに少なからず関与することが改めて明らかになりました。椎間板自体が原因となる腰痛(椎間板性腰痛)の存在も明らかとなり、その治療法も種々考案されています。

本書では、椎間板ヘルニアと椎間板性腰痛を2大ターゲットとして、その病態メカニズムと周辺領域の知見、症候と診断、そして低侵襲的椎間板内治療について、整形外科ならびにペインクリニック科の専門の先生方にご執筆をお願いいたしました。治療法については、保存的治療から低侵襲的治療まで幅広く取り上げるように企画いたしました。しかし低侵襲治療ですべてが解決するとはかぎらず、観血的手術治療を必要とする場合もあります。観血的手術治療については、脊椎外科の先生方に最新の知見をまとめていただきました。また低侵襲、観血的を問わず、術前・術後、あるいは日常的な運動療法の重要性が指摘されています。それらについても理学療法科の先生方に詳細にご執筆いただきました。また、必ずしも椎間板内治療の適応疾患に限定されませんが、慢性化した腰痛では心理的要因の関与を考えなくてはなりません。このような観点から、心療内科と公認心理師の先生方にそれぞれ専門的な知見をご執筆いただきました。様々な観点からの診断的・治療的アプローチが網羅された内容になったと自負しております。

本書が整形外科、ペインクリニック科のみならず、臨床の場で奮闘されている各科の先生方、関連領域の方々の診療に役立つことを心より願っております。最後になりましたが、本書上梓に際して、多大なご助力をいただきました克誠堂出版の方々、また様々なご協力をいただきましたすべての関係者の方々に、この場を借りて厚く御礼を申し上げます。


2025年1月吉日

橋爪 圭司(社会医療法人高清会高井病院ペインクリニック外科部長)
山上 裕章(ヤマトペインクリニック院長)

目次

Ⅰ章 基礎編

1 椎間板の解剖・生理 大谷 優斗/酒井 大輔

・はじめに

A 脊椎・椎間板の解剖

B 椎間板のマクロ構造

C 椎間板の細胞外基質(マトリックス)

D 椎間板の代謝

E 椎間板の血管支配

F 椎間板の神経支配

G 椎間板変性と諸問題

H 病的椎間板における化学伝達物質の異常な発現とそれに対応した治療薬の開発

・おわりに

2 腰椎椎間板ヘルニアの病態 波入 雄大/白土  修

・はじめに

A 定  義

B 病  因

C 病型分類

D 惹起される神経障害とその機序

・おわりに

3 椎間板性腰痛の病態 青木 保親

・はじめに

A 椎間板変性と腰痛

B 椎間板性腰痛の病態

C 椎間板性腰痛の臨床的特徴と病態の関係

D 画像検査による病態の描出

・おわりに

4 非特異的腰痛 鈴木 秀典

・はじめに

A 特異的腰痛とred flags

B 腰痛の原因

C 非特異的腰痛の診断

D 山口県腰痛study

E 慢性化した腰痛症に対するアプローチ

・おわりに

5 腰痛診療ガイドライン2019 紺野 愼一

・はじめに

[BQ 1]腰痛はどのように定義されるか

[BQ 2]腰痛の病態は何か

[BQ 3]腰痛の自然経過はどのようであるか

[BQ 4]腰痛は生活習慣病と関係があるか

[BQ 5]腰痛と職業の間に関係はあるか

[BQ 6]腰痛は心理社会的因子と関係があるか

[BQ 7]腰痛患者が初診した場合に必要とされる診断の手順は

[BQ 8]腰痛診断において有用な画像検査は何か

[BQ 9]腰痛の治療評価法で有用なものは何か

[CQ 1]腰痛の治療は安静よりも活動性維持のほうが有用か

[CQ 2]腰痛に薬物療法は有用か

[CQ 3]腰痛の治療として物理・装具療法は有効か

[CQ 4]腰痛に運動療法は有用か

[CQ 5]腰痛に患者教育と心理行動的アプローチ(認知行動療法)は有用か

[CQ 6]腰痛にインターベンション治療(神経ブロック、注射療法、脊髄刺激法など)は有用か

[CQ 7]腰痛に手術療法(脊椎固定術)は有用か

[CQ 8]腰痛に代替療法は有用であるか

[CQ 9]腰痛予防に有用な方法はあるか

・おわりに

Ⅱ章 診断編

1 腰下肢痛の問診・理学的診察 濱口 眞輔

・はじめに

A 腰下肢痛の診断手順(1):問診

B 腰下肢痛の診断手順(2):痛み強度・痛みの性質などの評価

C 腰下肢痛の診断手順(3):鑑別すべき疾患の除外

D 腰下肢痛の診断手順(4):重篤な脊椎疾患の危険信号(red flags:RFs)の確認

E 診察手順の実際(1)

F 診察手順の実際(2)

・まとめ

2 腰下肢痛の画像診断 水谷 幸三郎/西良 浩一

・はじめに

A 画像検査

B 各疾患における典型画像

・おわりに

3 腰椎椎間板ヘルニアの症候・画像所見 森本 忠嗣/平田 寛人

・はじめに

A 腰椎椎間板ヘルニアの画像分類

B 腰椎椎間板ヘルニアの臨床所見(症状、他覚所見、理学所見)

C 腰椎椎間板ヘルニアの鑑別疾患

・おわりに

4 腰椎椎間板性腰痛の症候と画像所見および診断 松田 陽一

・はじめに

A DLBPの症候

B DLBPの画像所見

C 診断的椎間板造影・ブロック

・おわりに

5 診断的および治療的神経ブロック

A 椎間板ブロック/椎間板造影CT 藤原 亜紀/渡邉 恵介

・はじめに

A ブロック前にすべきこと

B 刺入側について

C 準  備

D 体位と透視装置の位置決め

E 実際の手技

F X線透視像とCT画像

G 椎間板ブロック/椎間板造影CT撮影結果の考え方

H 椎間板ブロック/椎間板造影CT撮影結果の総合的な判断と治療経過

I 副作用

・おわりに

B 椎骨洞神経ブロック 山上 裕章

・はじめに

A 適  用

B 解  剖

C 手  技

D 合併症

E 症  例

F 椎骨洞神経ブロックの意義

・おわりに

C L2神経根ブロック/腰部交感神経節ブロック 渡邉 恵介

・はじめに

A 神経解剖

B L2神経根ブロック

C 腰部交感神経節ブロック

・おわりに

Ⅲ章 腰椎椎間板内治療編

1 コンドリアーゼ注入法 上島 賢哉

・はじめに

A コンドリアーゼ開発までの経緯

B 治療の概要と奏効機序

C 使用薬剤と使用量

D 医師要件/施設要件

E 治療適応

F 治療の有効性について

G 効果が乏しい症例

H 使用にあたっての注意事項

I 治療直後の注意事項

J 治療後時間が経過しての注意事項

K 症例提示

・おわりに~治療の位置づけと今後の展望~

2 経皮的椎間板摘出・減圧術

A 従来法 山上 裕章

・はじめに

A 経皮的髄核摘出術

B 自動式経皮的椎間板摘出術

・おわりに

B デコンプレッサー®(Dekompressor®) 橋爪 圭司

・はじめに

A 治療の概要と奏効機序

B 器材など

C 適応症

D 治療の実際

E 症例提示

F 治療成績

G 治療の位置づけ

・おわりに

C Disc-Fx® 白井  達

・はじめに

A 治療の概要と奏効機序

B 器  材

C 治療の実際

D 症例提示

E 合併症

F ほかの椎間板治療との使い分け

・おわりに~今後の展望~

D Trigger-Flex® Dart 安部 洋一郎

・はじめに

A 概  要

B 期待される奏効機序

C 器材および薬剤

D 適応症と不適応症

E 治療手順

F ほかの治療法との比較

・おわりに

E LʼDISQTM 越川  桂

・はじめに

A 治療の概要

B 器  材

C 奏効機序

D 適応症と不適応症

E 治療の実際

F 症例提示

G 治療成績

H 治療の位置づけ

・おわりに

3 椎間板内加圧 伊達  久

・はじめに

A 治療の概要と奏効機序

B 器材や治療用薬剤の解説など

C 適応症と不適応症(ヘルニアの病型分類を含めて)

D 治療の実際

E 症例提示およびそのほかの治療法との比較

F 治療成績(副作用)と本治療を選択する基準

G 治療の位置づけ:本治療を選択する基準

・おわりに

4 椎間板内パルス高周波法 橋爪 圭司

・はじめに

A 治療の概要と奏効機序

B 器材など

C 適応症

D 治療の実際

E 症例提示

F 治療成績

G 治療の位置づけ

・おわりに

5 椎間板性腰痛に対する椎間板内高周波熱凝固法とcooled radiofrequencyによるbiacuplasty 福井  聖/永井 修平

・はじめに

A 椎間板内高周波熱凝固法(IDET)

B cooled radiofrequencyによるbiacuplasty

・おわりに

Ⅳ章 そのほかの治療編

1 外科的手術

A 腰椎椎間板ヘルニアに対する全内視鏡下椎間板切除術 寺井 智也

・はじめに

A 手術の概要

B 局所麻酔下FEDの適用

C 術前検査

D 手術手技

E 合併症

F TF-FEDが有効な症例

G 低侵襲手術の役割

H 今後の展望

・おわりに

B 腰椎疾患に対する除圧術 磯貝 宜広

・はじめに

A 手術の概要と奏効機序

B 適応症と禁忌

C 手術手技

D 治療成績と合併症

E 症例提示

F 治療の位置づけ

・おわりに~今後の展望~

C 腰椎疾患に対する固定術 磯貝 宜広

・はじめに

A 手術の概要と奏効機序

B 適応症と禁忌

C 手術手技

D 治療成績と合併症

E 症例提示

F 治療の位置づけ

・おわりに~今後の展望~

2 理学療法 服部 貴文/松原 貴子

・はじめに

A 急性・慢性腰痛の病態

B 腰痛の多面的評価

C 腰痛の予後予測

D 急性腰痛に対する理学療法

E 慢性腰痛に対する理学療法

・おわりに

3 運動療法 松原 貴子/服部 貴文

・はじめに

A 運動誘発性鎮痛(EIH)

B 健常者におけるEIH効果

C 慢性腰痛患者におけるEIH効果

D EIHの促進・阻害因子

E EIHのメカニズム

F 腰痛に対する運動処方

G 運動アドヒアランス阻害因子と教育的・行動変容アプローチ

・おわりに

4 心理療法 細井 昌子

・はじめに

A 慢性の腰下肢痛を修飾する心理社会的因子

B 心理社会的背景の聴取

C 種々の心理療法

D 腰椎椎間板ヘルニアを基礎疾患として持つ慢性腰背部痛の段階的心身医学的治療の症例提示

・おわりに

5 慢性疼痛に対する心理的アプローチ 川居 利有

・はじめに

A 心理的アプローチの適応範囲

B 痛みの脳内メカニズム

C 痛覚変調性疼痛と神経可塑性

D 痛覚変調性疼痛に対する心理的アプローチの目的と効果

E 心理的アプローチにおける慢性疼痛の評価

F 心理的アプローチのこつ

G 事例:痛覚変調性疼痛による修飾が疑われた腰椎椎間板ヘルニアによる慢性疼痛

・おわりに

索  引 265

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書籍情報

  • ISBN:9784771961425
  • ページ数:286頁
  • 書籍発行日:2025年4月
  • 電子版発売日:2025年5月21日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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