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- リンパ管エコー入門―静脈エコーからのステップアップ―
商品情報
内容
多数のアニメーション付き動画で学び,リンパ浮腫管理の最前線へ。表紙のヨシダナギさんの作品には,診療の現場でリンパ管を描出する際に,まるで写真家が芸術作品を撮るような気持ちでリンパ管の美しさを捉えて頂きたい──そんな願いを込めました。エコーに関わる医師・看護師・検査技師の方々に必見の指導書として!
序文
序文
このたびは私どもの著書『リンパ管エコー入門―静脈エコーからのステップアップ―』をお手に取って頂き,誠にありがとうございます。本書は,日頃から下肢静脈エコーを実施されている超音波技師の方々を主な対象として,これまで「静脈の枝」として観察していた脈管が,実はリンパ管である可能性を認識して頂き,その質を評価し,浮腫の診断や治療に活かして頂きたいとの思いから執筆いたしました。
また,形成外科医やセラピスト(コメディカルスタッフ),そしてリンパ浮腫治療に携わるすべての方々に向けても,本書がリンパ管に対する理解を深める一助となればと願っています。リンパ管静脈吻合術(LVA手術)を行う際に,術前評価としてリンパ管エコーを取り入れれば,格段に効率的かつ確実に手術が実施できることは,私どもの臨床経験から明らかです。セラピストの方々も,保存療法を強化すべきか,あるいは手術を主治医に提案すべきかを判断する材料として,リンパ管エコーをぜひご活用ください。
私どもがリンパ管を超音波検査装置で評価できると確信したきっかけは,まさに偶然でした。LVA手術の術前エコー検査において,静脈だと思っていた脈管が,実際に皮膚切開してみるとリンパ管だったという経験を何度も積むうちに,「リンパ管は超音波でも描出できる」という確たる手応えを得たのです。リンパ管の組織学的変化を解析し,NECST分類を確立後,超音波検査装置を用いて,リンパ管と静脈の鑑別方法を理論立てることができました。それが,D-CUPSというリンパ管エコーの手法です。
本書では,私どもの汗と涙の結晶ともいえるリンパ管エコー技術を余すところなく紹介しています。24時間休むことなく体内の老廃物を排出し続けてくれるリンパ管を,ぜひ皆さんにも愛し,慈しんで頂きたいと思います。全国に存在する約2,000万人もの浮腫に悩む方々が,一人でも多く適切な診断と治療を受けられるよう,微力ながら本書がお役に立てれば幸甚です。
最後になりましたが,本書の編集に尽力くださった克誠堂出版の堀江拓様,金田ひろみ様,動画編集を担当してくださった医学映像教育社の亀山昌吾様,岩坂修雅様,表紙写真をご提供頂いた写真家のヨシダナギ様とマネージャーのキミノ様,デザインを作成くださった杉山浩之様,そしてこの技術の普及に関して,具体的なアドバイスを頂き,本書の監修を担当頂きました松尾汎先生,濱口浩敏先生にも心より感謝申し上げます。皆様が本書を通じて,写真家が素敵な瞬間を捉えるようにリンパ管の“一瞬” を捉え,日々の臨床に活かして頂けましたら幸いです。
2025年3月
むくみクリニック:院長 三原 誠
序文
原因不明のむくみに悩む患者さんが世界中にいます。明確な診断もつかず,適切な治療にたどり着けないケースが少なくありません。そんな状況を大きく変える可能性を秘めているのがリンパ管エコー検査です。
エコー検査に携わる技師さんの中には,「むくみはあるのに下肢静脈エコーでは異常がない…」と,もやもやした経験をおもちの方も多いのではないでしょうか。
リンパ管エコー検査を習得すれば,そのもやもやが一気に晴れるかもしれません。
実は,私はエコー検査に苦手意識をもっていました。私はもともと形成外科医で,エコー検査の経験はほとんどなく,むしろできるだけ避けていたくらいです。
しかし,血管外科の先生に教えてもらいながら,まずはリンパ管静脈吻合術(LVA)の術前検査として静脈を探す目的でエコーを使い始めました。そのうちエコー検査でリンパ管が見えることがわかってきて,試行錯誤の毎日が始まりました。今ではリンパ管エコー検査に首ったけです。
私たち形成外科医の強みは,「エコーで見えたものが本当にリンパ管なのか」を,術中に実際に確認できることです。術前のエコー検査で撮影した画像と,術中に目で見たリンパ管の状態を照らし合わせる作業を繰り返してきました。その結果,次第に,エコー画像を見るだけで「ここにこんな状態のリンパ管がある」と確信をもてるようになったのです。本書を手に取ってくださった方の多くは,エコー検査をしても,実際のリンパ管を確認できないかもしれません。ですから,私たちがこれまで蓄積してきた知見をぜひ最大限に共有させてください。リンパ管エコー検査を習得する最初のステップは,目を慣らすことです。本書には,多数のリンパ管エコー検査の動画を掲載しています。繰り返し見ることで,きっと目が慣れてくるはずです。
私は,エコー検査で拡張したリンパ管が見えると,いつも「どきっ」とします。
それは,この患者さんにはリンパ管機能異常があり,適切な治療を行うことで症状が改善する未来が見えるからです。リンパ管が見えるようになれば,診断が変わり,治療が変わり,患者さんの生活が変わります。
ぜひ,皆さんにもリンパ管が見えるようになってほしい。楽しみながらリンパ管エコーを習得し,この技術を患者さんのために活かしてほしい。本書が,その一助になれば幸いです。「Better Scan,Better Care,Better Life」―より良い検査が,より良いケアを生み出し,患者のより良い生活へとつながることを願っています。
最後になりましたが,本書が世に出るまで私たちのわがままにおつきあいくださった克誠堂出版の堀江拓様,金田ひろみ様,私たちの頭の中だけにあったイメージをとてもきれいでわかりやすい動画にしてくださった医学映像教育センターの亀山昌吾様,岩坂修雅様,リンパ管エコー検査の普及・発展のためにいつもご尽力くださっている松尾汎先生,濱口浩敏先生に,深く感謝を申し上げます。
そして,本書を手に取って頂いた方に,ありがとうございます。
2025年3月
JR東京総合病院リンパ外科・再建外科:医長 原 尚子
目次
序文
監修にあたって
Recommendation
目次
動画の閲覧方法
第1章 リンパ浮腫の基礎知識
1 リンパ系の機能・解剖
2 リンパ管の変性
3 リンパ浮腫とは
4 リンパ浮腫の症状
5 原発性リンパ浮腫
6 診断の重要性
7 リンパ浮腫の治療
第2章 基礎編
Ⅰ エコー検査の基礎
1 リンパ管エコーの位置づけ
2 リンパ管エコーの特徴
1. リンパ管エコーのメリット
2. リンパ管機能検査
3 リンパ管エコーに使う超音波診断装置
1. プローブの選択
2. 超音波の種類
3. リンパ管の表示方法(短軸像・長軸像)
4. 操作盤のボタン説明
5. プローブの持ち方,ゼリーのつけ方
まとめ:リンパ管エコーを行う際の具体的な手順
4 エコー検査の安全上の注意点
1. プローブでの過度な圧力を避ける
2. 安定した体位の確保
3. 清潔で快適な環境の維持
4. 患者の不安軽減とコミュニケーション
Ⅱ リンパ管エコー検査の基礎
1 D-CUPSの概要
2 D-CUPSの5項目
1. D(Doppler:ドプラモードで色がつかない)
2. C(Crossing:近くの静脈に合流せず素通りする)
3. U(Uncollapsible:静脈よりつぶれにくい)
4. P(Parallel:複数本のリンパ管が並走する)
5. S(Superficial fascia:浅筋膜直下に存在する)
3 動脈・神経とリンパ管の見分け方
1. 動脈
2. 神経
4 脂肪組織の評価
1. 浮腫の評価
2. 脂肪組織の増生
3. 脂肪組織の線維化
5 検査所見の総合評価と治療選択
Ⅲ 最新のエコー検査装置
1 超高周波プローブ
1. 特徴
2. リンパ管エコー検査ではこう使う
2 高感度微小血流イメージング(MVFI)
1. 特徴
2. リンパ管エコー検査ではこう使う
3 ポータブルエコー
1. 特徴
2. リンパ管エコー検査ではこう使う
第 3章 実践編
Ⅰリンパ管エコー検査の手順
① スクリーニングリンパ管エコー:SLUS
1 検査前の確認
2 エコー機器と患者のセッティング
3 手順
1. 浮腫の評価
2. リンパ管を観察する時のプローブの位置と角度
3. スキャンの手順
4 リンパ管の解析と評価
1. サイズ
2. 形状
3. その他の異常所見
5 報告書の作成
6 いろいろな周波数のリンパ管エコー画像
1. 18MHzと12MHz
2. 10MHz(ポータブルエコー)
3. 33MHz
7 トラブルシューティング
〇リンパ管が見つからない
〇浮腫が強く,貯留した組織液とリンパ管との区別がつかない
〇画面全体が暗い,または白い
〇深いところが黒っぽくて見えにくい
〇浅筋膜がわからない
〇見たい深さの画像がぼやけている
〇ドプラモードで画面全体的に色がついてしまう,またはまったく色がつかない
8 上肢のリンパ管エコー検査
Ⅱリンパ管エコー検査の手順
② 術前検査
1 術前検査としてのリンパ管エコー検査の意義
2 エコー機器と患者のセッティング
3 手順
1. 浮腫の評価
2. リンパ管の探索
3. 静脈の探索
4 特殊な場合
1. 下腿のリンパ管径が1mmを超える場合
2. 外側・後面に拡張したリンパ管がある場合
3. 皮下組織の線維化が強い場合
5 注意が必要な所見
1. 浅筋膜上にリンパ管があることもある
2. まん丸な脈管は動脈のことがある
3.ドプラモードで色がつかないからといってリンパ管とは断定できない
4. プローブの圧迫でつぶれないリンパ管
6 トラブルシューティング
1. 拡張したリンパ管が見つからない
2. 静脈が見つからない
3. リンパ管と静脈の位置が遠い
Ⅲ ケーススタディ
【症例①】60歳代, 女性,二次性リンパ浮腫(右下肢:軽症,左下肢:重症)
【症例②】50歳代, 女性,二次性リンパ浮腫(右:超早期,左:早期)
【症例③】70歳代, 女性,二次性右上肢リンパ浮腫
Ⅳ クイズ
【クイズ①】40歳代, 女性,二次性リンパ浮腫(左下肢:中等度)
【クイズ②】60歳代, 女性,二次性リンパ浮腫(右下肢:早期,左下肢:早期)
【クイズ③】70歳代, 女性,肥満性浮腫,廃用性浮腫,うっ滞性皮膚炎,右下腿リンパ漏
Ⅴ リンパ管エコーでここまでわかった!―リンパ管エコーのこれまでの研究―
1 立つとリンパ管はふくれる?!
2 リンパ管エコー検査にはどのプローブがよい?!
3 LVAの術前検査で,どう使うの?!
4 LVAに適した「拡張したリンパ管」はどこにあるの?!
5 リンパ浮腫の診断ができるの?!
6 D-CUPSの感度は?
7 むくみの重症度とリンパ管所見は相関する?
8 リンパ浮腫の評価に,エラストグラフィはどう使うの?
Ⅵ リンパ管エコー検査Q&A
1 技師らかの質問
2 形成外科医からの質問
3 その他
あとがき
事項索引
著者紹介 142
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書籍情報
- ISBN:9784771961432
- ページ数:160頁
- 書籍発行日:2025年4月
- 電子版発売日:2025年5月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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