がん感染症診療マニュアル

  • ページ数 : 320頁
  • 書籍発行日 : 2025年5月
  • 電子版発売日 : 2025年5月29日
¥3,960(税込)
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商品情報

内容

がん患者を感染症から守ろう!

がん患者は,化学療法による免疫不全,手術による解剖学的構造の変化,そして様々なデバイスの使用などにより,感染症を発症することが多い.また,がん患者の感染症は,健常人が罹患するのとは異なり,がんの治療や予後に大きな影響を及ぼす.したがって,感染症のコントロールは,がん診療において非常に重要である.
本書は,がん患者の感染症診療を体系立てたマニュアルとして,エビデンスに基づいて記載しており,また,長年,がん感染症診療に携わっている著者の豊富な経験から導き出された診療エッセンスが随所に輝いている.がんの診療に携わるすべての人に役立つ書籍である.

※都合によりp.135の図3-2は未掲載です。

序文

序文


感染症診療の良書は増えたが,がん診療に特化した感染症の本は数少ない.本書は文献などの科学的根拠に基づくとともに,がん患者の感染症診療に長年,携わった者だけが書けるエッセンスや経験則がちりばめられている.

本書の前身である『がん患者の感染症診療マニュアル』の初版が世に出たのが2008年である.この17年の間に感染症診療の原則という概念が浸透し,グラム染色や抗菌薬適正使用も多くの現場で見聞きするようになった.

感染症診療の原則は万能なコンパスであり,いかなる局面でも私たちをゴールに導いてくれるが,がん患者の感染症を制すにはもう少し装備をそろえたい.宿主の背景が複雑になれば病原体の種類もふるまいも変化する.がん患者は化学療法に伴う免疫不全,手術による解剖学的構造の変化,様々なデバイスなど多くの感染症リスクを抱える集団である.真菌や呼吸器系ウイルスなど通常では問題とならない微生物が,時に凶暴なふるまいをする.かといって問題となる微生物すべてを薬剤で治療することは困難であり,副作用を増やすばかりか,耐性菌を生み出してしまう.狙った微生物に対して,最小限の力で最大の効果を出す治療選択が求められる.目の前の患者の今を救うとともに,未来の治療選択を残すこと,感染症にかからないための予防戦略を立てることが必要である.

本書は,前身の『がん患者の感染症診療マニュアル』から大幅に内容の変更を行った.まず,感染症診療の土台となる原則論を縮小し,がん診療の感染症に焦点を絞った.よって,感染症診療の原則を一通り理解された上で本書を読んでいただきたい.次に,免疫チェックポイント阻害薬や分子標的薬など新規薬剤と感染症リスクについても追加し,各論も臓器別悪性腫瘍にまとめなおし,記載内容を充実させた.

「がんに携わるすべての方,これからがんの診療にかかわる方」や「感染症の相談をされる立場にある方」にお勧めする一冊である.


2025年3月

編者を代表して
倉井華子

目次

第1章 感染症診療のロジック

感染症診療のロジックの基本

第2章 場面ごとの感染症診療のポイント

1. 手術と感染症

❶手術部位感染症(SSI)

❷SSIの予防

❸術後の発熱の鑑別疾患

2. デバイス関連感染症

❶デバイス関連感染症とは

❷カテーテル関連尿路感染症の予防

❸血管カテーテル関連血流感染症

3. 化学療法

❶発熱性好中球減少症(殺細胞性化学療法)

❷ステロイドと感染症

❸免疫チェックポイント阻害薬と感染症

❹その他(分子標的治療薬)

4. 放射線治療と感染症

5. 緩和ケアと感染症

6. 予防接種

7. 造血幹細胞移植における感染症

❶移植後経過と感染症

❷感染対策

❸予防投与

❹移植後ワクチン

第3章 特殊な微生物

1. ヘリコバクター・シナジー

2. ノカルジア

3. ステノトロフォモナス・マルトフィリア

4. 結核菌

5. 非結核性抗酸菌

6. 迅速発育型抗酸菌

7. カンジダ

8. アスペルギルス

9. ムーコル

10. その他の糸状真菌

11. ニューモシスチス

12. クリプトコックス

13. COVID-19

14. サイトメガロウイルス(CMV)

15. B型肝炎ウイルス(HBV)

16. 水痘・帯状疱疹ウイルス(VZV)

第4章 非感染性の発熱

1. 非感染性疾患の鑑別

2. 薬剤熱

3. 腫瘍熱

第5章 腫瘍のある臓器・部位別の感染症診療のポイント

1. 中枢神経系

❶中枢神経系悪性腫瘍患者でよくみる感染症

❷術後髄膜炎

❸デバイス関連感染症

2. 頭頸部

❶頭頸部悪性腫瘍患者でよくみる感染症

❷化膿性耳下腺炎

❸薬剤関連顎骨壊死

❹深頸部感染症

3. 肺・食道・縦隔

❶肺がん患者でよくみる感染症

❷食道がん患者でよくみる感染症

❸院内肺炎・医療介護関連肺炎

❹閉塞性肺炎

❺膿 胸

❻縦隔炎,食道瘻

4. 乳 房

❶乳がん患者でよくみる感染症

❷乳房再建後の感染症

5. 消化管系

❶消化管系悪性腫瘍患者でよくみる感染症

❷腹膜炎

❸Clostridioides difficile感染症(CDI)

6. 肝・胆道,膵臓系

❶肝・胆・膵がん患者でよくみる感染症

❷胆囊炎,胆管炎

❸肝膿瘍

❹膵液瘻感染

7. 泌尿器系

❶泌尿器系悪性腫瘍患者でよくみる感染症

❷腎盂腎炎

❸前立腺炎・膿瘍

❹尿路変更術後の感染症

❺BCG関連合併症

8. 婦人科系

❶婦人科系悪性腫瘍患者でよくみる感染症

❷術後骨盤内感染症

❸子宮留膿腫

❹リンパ囊胞感染

❺リンパ浮腫による蜂窩織炎

9. 骨・軟部腫瘍関連

❶骨・軟部腫瘍患者でよくみる感染症

❷椎体椎間板炎

❸人工物の感染

❹壊死性軟部組織感染症

第6章 抗菌薬の投与方法

1. 経口抗菌薬の投与方法(成人)

2. 腎機能障害時の経口抗菌薬の投与方法

3. 静注抗菌薬の投与方法(成人)

4-1.静注用バンコマイシンの初期投与量

4-2.静注用アミノグリコシドの初期投与量

5. 腎機能障害時の静注抗菌薬の投与方法

6. 持続透析時の静注抗菌薬の投与方法

7. 「抗菌薬と抗微生物薬」および「抗菌薬と抗がん薬・免疫抑制薬」の相互作用

8. 薬剤添付文書に記載されている併用禁忌・注意薬剤(抗がん薬・免疫抑制薬,抗菌薬)

9. 簡易懸濁法(経口投与が不可能な患者に対しての投与方法一覧)

10. β-ラクタムアレルギーにおける代替薬選択

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書籍情報

  • ISBN:9784525422110
  • ページ数:320頁
  • 書籍発行日:2025年5月
  • 電子版発売日:2025年5月29日
  • 判:B6変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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