CKD・透析・腎移植 臨床検査ガイド

  • ページ数 : 588頁
  • 書籍発行日 : 2025年5月
  • 電子版発売日 : 2025年6月3日
¥9,350(税込)
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商品情報

内容

腎臓病患者の臨床検査にはこれ一冊!保存期CKD・透析・腎移植患者の検査値の解釈のポイントが掴める,現場で役立つ必携のガイド!

慢性腎臓病(CKD)の患者数は多く,CKD・末期腎不全(ESKD)診療の重要性は高まっている.また腎臓病患者の診療では臨床検査が欠かせず,検査値の解釈には注意が必要である.本書ではCKD・ESKD診療の場で用いられる臨床検査に焦点を当て,保存期CKD・透析・腎移植患者のそれぞれに対する検査値の読み方をわかりやすく解説.各検査項目の腎機能別の基準値・測定法はもちろん,“どんな時にこの検査を行うのか?” “患者の腎機能を踏まえて検査所見をどのように解釈するのか?” “どのように原因診断を進めるのか?” そして“次にどんな治療・アクションが必要か?” その一連の流れをエキスパートが網羅的に解説している.腎臓・透析の専門医のみならず看護師,臨床工学技士などの透析室スタッフ,腎臓病患者を診る一般内科医にとっても間違いなく役立つ必携 “CKD・透析・腎移植” 臨床検査ガイド.

序文

序文

慢性腎臓病(CKD)患者数がおよそ2,000 万人(成人の約5人に1人)と試算され,慢性透析療法を必要とする末期腎不全(ESKD)患者が高齢化して死亡数も増えるなか,CKDの重症化予防およびESKD診療の重要性がさらに認識されるようになっている.

自覚症状に乏しく,さらにさまざまな合併症をきたしやすいCKD患者の診療においては,臨床検査が欠かせない.現代の腎臓病診療は臨床検査とともに発展してきたといってもまったく過言ではないだろう.本書では,CKDやESKDの診療の場で用いられる臨床検査に焦点を当て,その正しい活用および解釈の方法,そして,いかに患者のアウトカム向上につなげるかという視点で,第一線の先生方に執筆していただいた.執筆者の先生方のおかげで,検査にとどまらず,CKDおよびESKD診療のエッセンスを俯瞰できる内容になっている.日常診療に利用できるリファレンスというだけでなく,腎臓領域全般に関する知識を深めるための教科書としても,本書が腎臓病診療に関わる多くの方々のお役に立てることを期待している.

本書の編集にあたっては,企画の段階から文光堂の黒添勢津子氏,西菜々子氏に細やかなサポートをいただき,無事に成書として出版することができた.このお二方の努力に心から御礼申し上げる.

最後に,本書の監修を担当された,私の恩師である深川雅史先生について申し述べなければならない.深川先生には本書の企画・構成の段階から多くのご指導をいただいたが,残念ながら,本書の完成・出版をみることなく急逝された.長年,医学生や若手医師への教育に熱意を傾けられた深川先生はこれまでに数々の書籍を残されているが,臨床検査の重要性についても特に認識され,過去には透析診療の臨床検査に関する本も出版されている.教授回診では,しばしば厳しいコメントのなかで,後進の医師たちに「よく考え,根拠を持って」検査を選ぶこと,そして,その結果を正しく解釈することを叩き込んでおられたことが思い出される.遺稿となった総論,そして本書全体を通じて,読者の皆様に深川先生の臨床・教育に対する情熱をお伝えできればと願っている.


2025年春

虎の門病院腎センター内科
和田 健彦

目次

第1章 CKD・ESKDに関する臨床検査総論

 1.CKD・透析・腎移植における臨床検査の意義

 2.ルーチン検査と必要時検査

 3.CKD・透析・腎移植患者の検査値の特徴

第2章 尿検査のみかた

 1.尿検体採取の注意点

 2.尿比重,尿浸透圧

 3.尿pH

 4.尿定性

 5.尿沈渣

 6.尿潜血

 7.尿蛋白:定性・定量検査

 8.尿中アルブミン

 9.Bence Jones蛋白(M蛋白)

 10.尿細管間質マーカー: 尿中NAG,β2MG,α1MG,NGAL,L-FABP

 11.尿化学

 12.尿細胞診

第3章 腎機能評価法

 1.腎機能評価法

第4章 腎画像検査

 1.腹部超音波検査

 2.CT・MRI検査

 3.腎血管系造影検査

 4.シンチグラフィ・レノグラム

 5.尿路造影検査

第5章 保存期CKD・ESKD患者の検査

①腎性貧血に関する検査

 1.腎性貧血の診断総論

 2.Hb,Ht,RBC,MCV,MCH,MCHC,網状赤血球,RDW

 3.エリスロポエチン

 4.血清鉄,TIBC/UIBC,TSAT

 5.フェリチン

 6.ヘプシジン25

 7.白血球数,白血球分画,血小板

②CKD-MBDに関する検査

 8.CKD-MBD診断・評価総論

 9.血清カルシウム(Ca)

 10.血清リン(P)

 11.血清マグネシウム(Mg)

 12.副甲状腺ホルモン(PTH):intact PTH,whole PTH

 13.FGF23

 14.25(OH)D,1,25(OH)2D

 15.副甲状腺超音波検査

 16.骨形成マーカー:ALP,ALPアイソザイム,BAP(骨型ALP)

 17.骨吸収マーカー:TRACP-5b

 18.骨密度測定

③水・電解質,酸塩基平衡に関する検査

 19.保存期CKD患者の水・電解質,酸塩基平衡異常 総論

 20.ナトリウム(Na)

 21.カリウム(K)

 22.クロール(Cl)

 23.血液ガス(酸塩基平衡)

 24.血中乳酸

 25.血中ケトン体:β-ヒドロキシ酪酸,アセト酢酸

④体液量に関する検査

 26.体液量評価総論

 27.胸部X線検査

 28.心臓超音波検査:下大静脈径の測定

 29.hANP,BNP,NT-proBNP

⑤血管系・動脈硬化に関する検査

 30.血管系・動脈硬化評価総論

 31.心臓超音波検査

 32.血管機能検査:ABI,TBI,PWV,CAVI

 33.頸動脈超音波検査

⑥凝固に関する検査

 34.PT,APTT,TT

 35.フィブリノゲン,FDP,Dダイマー

⑦代謝に関する検査

 36.血 糖

 37.HbA1c,グリコアルブミン

 38.脂質:TG,TC,HDL-C,LDL-C,non-HDL-C

 39.ビタミンB6,ビタミンB12,葉酸

 40.微量元素:亜鉛,銅

 41.カルニチン

⑧栄養状態の評価に関する検査・指標

 42.nPCR(標準化蛋白異化率)

 43.プレアルブミン(トランスサイレチン)

 44.%CGR(%クレアチニン産生速度)

 45.複合的栄養指標

⑨ QOLの評価に関する指標

 46.SF-36®,KDQOL-SFTM

第6章 維持血液透析患者特有の評価法

①透析効率の評価法

 1.Kt/V(標準化透析量)

 2.尿素除去率(URR)

 3.クリアスペース率(CSR)

②抗凝固薬の調節に用いられる検査

 4.活性化凝固時間(ACT)

③バスキュラーアクセスに関する検査・評価

 5.シャントエコー

 6.血管造影

 7.再循環率

④透析アミロイドーシスに関する検査

 8.血中β2-ミクログロブリン(β2MG)

 9.画像診断(X線,MRI)と病理学的所見

 10.末梢神経伝導速度(NCV)

第7章 腹膜透析の検査

 1.腹膜透析患者のデータの特殊性ー血液透析患者との比較

 2.腹膜透析の質に関する検査(PETを含む)

 3.カテーテル関連感染症・腹膜炎に関する検査

 4.被囊性腹膜硬化症(EPS)に関する検査

第8章 腎移植の検査

①移植前の検査

 1.腎移植ドナーの検査

 2.腎移植レシピエントの検査

 3.ABO血液型・組織適合性検査

②移植後の検査

 4.腎移植レシピエントフォローアップのための検査総論

 5.免疫抑制薬血中濃度測定の注意点―投与設計にいかに活かすか

 6.尿所見・腎機能低下時の検査をいかに臨床に活かすか

 7.移植腎生検:プロトコール生検,エピソード生検

第9章 CKD・ESKD患者における感染症検査

 1.CKD・ESKD患者における感染症検査総論

 2.肝炎ウイルス検査

 3.HIV(ヒト免疫不全ウイルス)検査

 4.インフルエンザウイルス抗原検査

 5.新型コロナウイルス関連検査:PCR検査,抗原検査

 6.サイトメガロウイルス(CMV)検査

 7.プロカルシトニン(PCT)

 8.結核関連検査

第10章 CKD・ESKD患者における悪性腫瘍検査

 1.CKD・ESKD患者における悪性腫瘍検査総論

 2.血液系悪性腫瘍に関する検査

 3.尿路系悪性腫瘍に関する検査

 4.消化器系悪性腫瘍に関する検査

 5.婦人科系悪性腫瘍に関する検査

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書籍情報

  • ISBN:9784830620737
  • ページ数:588頁
  • 書籍発行日:2025年5月
  • 電子版発売日:2025年6月3日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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