麻酔科学レビュー 2025

  • ページ数 : 380頁
  • 書籍発行日 : 2025年6月
  • 電子版発売日 : 2025年6月6日
¥15,400(税込)
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商品情報

内容

毎年刊行の好評「麻酔科学レビュー」2025年版!

2023年12月~2024年12月の1年間に国内外で発表された論文・ガイドラインから、麻酔科学分野のエキスパート医師が主要な文献(約1200本)をピックアップし、レビューしています。
研究倫理やAIに関する記述を含めた計64テーマを取り上げており、この1冊を読むことで、最新の研究成果や麻酔科学分野の知識の習得とアップデートが可能です。

序文

序文

今年も「最新主要文献とガイドラインでみる 麻酔科学レビュー2025」を皆さまにお届けできることを大変嬉しく思います.本書は,2023年12月~ 2024年12月までの1年間に国内外で発表された最新の論文・ガイドラインの中から,各分野を代表する執筆者により厳選・解説されたものを収録しています.麻酔科医や集中治療医が日常臨床に活用できることを主眼に,各項目ごとに的確かつ平易にまとめられた内容は,まさに「実践の知」としての価値を持つ1 冊になったと自負しております.

この序文を執筆している2025年4月現在,新型コロナウイルス感染症は「第5類」移行後も散発的な流行を繰り返しながら,感染症としての“定常化”が進みつつあります.社会・医療の機能も平時に戻る中で,われわれ麻酔科医の活動範囲はさらに広がり,周術期管理にとどまらず,集中治療,救急医療,ペインマネジメント,そして教育・研究と,より多面的な役割が求められています.そのような現代において,最新のエビデンスに基づく知識の習得とアップデートは,臨床力の根幹を支える不可欠な要素であり,それを支援する目的で本書が編まれています.

本年度版の特筆すべき点として,昨年に引き続き,若手エキスパートによる新たな視点と解釈が加わった点が挙げられます.近年の麻酔科学における進展は目覚ましく,たとえば「麻酔前投薬と術前評価」では,患者中心のプレハビリテーションの意義が再認識され,「高齢者麻酔」では,認知機能やフレイルへの対応が実地医療に欠かせぬテーマとなっています.「集中治療(3)ICUにおける鎮痛と鎮静」や「小児集中治療」では,薬剤選択・鎮静戦略の個別化が図られており,科学的根拠と現場感覚を両立させた記述は,麻酔科医として非常に参考になります.

また,「麻酔と心機能」,「筋弛緩薬と拮抗薬」,「局所麻酔薬」といった基本領域のトピックにおいても,循環動態への影響や麻酔深度の調整,さらには患者満足度にまで配慮された論文の紹介があり,技術的な知識のみならず,患者のQOL やアウトカムを見据えた麻酔管理の重要性が改めて認識されます.「手術室危機管理・安全対策」では,チェックリストやシミュレーション教育の形骸化を防ぐ取り組みに関する報告が紹介され,われわれが常に“安全文化”の担い手であることを思い起こさせてくれます.

そして本年の特長として,「研究倫理」に関する記述にも特に力が入っています.AI の発展により,文章作成やデータ処理の利便性が増す一方で,倫理的な判断力や責任の所在が曖昧になりつつある現状に対して,いま一度「正直であること」の意味が問われています.学問を志す者としての心構えが,学術の根幹にあることを思い出させてくれる重要なテーマです.

本書に収録された原稿は,いずれも日々の臨床に直結する内容であり,またそこから新たな研究のヒントが得られる構成となっております.忙しい日常業務の中で,限られた時間を使って英文原著を読み込むことは決して容易ではありません.本書は,そうした情報収集の労力を大幅に軽減しつつ,読者が関心をもった領域に素早くアクセスできる実用的なツールとなることを目指しております.

麻酔科診療に携わるすべての方にとって,今後の診療・研究・教育に役立つ1 冊として活用されることを願っております.そして,本書を手に取っていただいた皆さまが,目の前の患者にとって最善の医療を提供する一助としていただければ,監修者としてこれに勝る喜びはありません.


2025年4月

(文責:山蔭)
監修
山蔭 道明
天谷 文昌

目次

1 麻酔前投薬と術前評価

2 術前の絶飲食について

3 周術期禁煙ガイドライン

4 麻酔と気道管理・確保

5 吸入麻酔薬

6 悪性高熱症ガイドライン

7 静脈麻酔薬(麻薬を除く)

8 新しい全身麻酔薬レミマゾラム

9 筋弛緩薬と拮抗薬

10 局所麻酔薬

11 心・血管作動薬

12 麻酔に用いられる麻薬性鎮痛薬と鎮静薬

13 麻酔と呼吸機能

14 麻酔と心機能

15 麻酔と冠循環

16 麻酔と肝機能

17 麻酔と腎機能

18 麻酔と脳神経機能

19 麻酔薬と臓器保護作用

20 麻酔深度とモニター活用法

21 麻酔領域での経食道心エコー(TEE)による評価

22 超音波診断と末梢神経ブロック

23 周術期ポイントオブケア超音波~ABCD sonography~

24 輸血と輸液

25 外科的危機的出血

26 自己血輸血

27 全静脈麻酔(TIVA),鎮静(MAC)

28 手術室危機管理・安全対策

29 WHO安全な手術のためのガイドライン

30 硬膜外麻酔と脊髄くも膜下麻酔

31 小児麻酔

32 高齢者麻酔

33 緊急手術の麻酔

34 産科麻酔

35 産科危機的出血への対応ガイドライン

36 内視鏡・ロボット手術の麻酔

37 日帰り手術の麻酔

38 心臓・大血管手術の麻酔

39 小児心臓手術の麻酔

40 脳外科の麻酔

41 Awake craniotomyの麻酔

42 移植手術の麻酔

43 抗血栓療法と周術期血液凝固管理

44 麻酔関連偶発症

45 痛みの生理学

46 術後の疼痛管理

47 ペインクリニック

48 緩和ケアとがんの痛みの治療

49 麻酔科医と救急医療

50 心肺蘇生と脳保護

51 手術室の効率化と安全

52 麻酔科領域の新機材,新技術,新知見

53 新しい人工呼吸

54 集中治療(1)呼吸・循環管理

55 集中治療(2)体液,栄養,感染の管理

56 集中治療(3)ICUにおける鎮痛と鎮静

57 集中治療(4)ICUにおけるモニター

58 集中治療(5)小児集中治療

59 集中治療(6)血液浄化療法

60 COVID-19と麻酔・集中治療

61 研究倫理

62 麻酔における人工知能(AI)の活用

63 個別化医療と麻酔

64 麻酔の環境への影響

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書籍情報

  • ISBN:9784883784929
  • ページ数:380頁
  • 書籍発行日:2025年6月
  • 電子版発売日:2025年6月6日
  • 判:AB判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:2

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