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- 脊髄腫瘍診療ガイドライン2025
商品情報
内容
脊髄腫瘍は中枢神経系腫瘍の中で比較的まれな疾患であり、発生部位・病理診断により治療法が異なるため、診療には高度な専門性が求められる。本ガイドラインは、脊髄腫瘍の診断・治療に関する最新のエビデンスをもとに、臨床における最適な意思決定を支援することを目的として策定された。これにより、診断精度の向上、治療効果の最適化、副作用の軽減を図り、患者および医療従事者の双方に有益な情報を提供することを目指している。
総論では疫学・自然経過・遺伝的要因・診断・治療を、各論では発生頻度が高く、主に硬膜内髄外に発生する神経鞘腫と髄膜腫、主に髄内に発生する血管芽腫、海綿状血管腫、上衣腫、星細胞腫・膠芽腫、悪性リンパ腫を取り上げた。
脊髄腫瘍は脊髄あるいは脊髄近傍に発生した腫瘍の総称である。発生部位により髄内腫瘍、硬膜内髄外腫瘍、硬膜外腫瘍に分類され、病理学的には脊髄・脊髄神経・髄膜・血管・リンパ組織・椎骨などに由来するもの、転移性のものなどが知られている。
序文
序
脊髄腫瘍は脊髄あるいは脊髄近傍に発生した腫瘍の総称である.発生部位により髄内腫瘍,硬膜内髄外腫瘍,硬膜外腫瘍に分類され,病理学的には脊髄・脊髄神経・髄膜・血管・リンパ組織・椎骨などに由来するもの,転移性のものなどが知られている.脊髄腫瘍は中枢神経系腫瘍の中では比較的まれな疾患であり,発生部位・病理診断により治療法が異なるため,診療には高度な専門性が求められる.本ガイドラインは,脊髄腫瘍の診断および治療に関する最新のエビデンスをもとに,診療現場における最適な意思決定を支援することを目的として策定された.これにより,診断精度の向上,治療効果の最適化,副作用の軽減を図り,患者および医療従事者の双方に有益な情報を提供することを目指している.
脊髄腫瘍診療ガイドライン作成委員会は2020年に日本脊髄外科学会学術委員会のガイドライン作成部会として発足し,その後新設された診療ガイドライン作成委員会のもとで活動を継続した.日本脊髄外科学会から委嘱された21名のガイドライン作成委員がシステマティックレビューと本文執筆を行い,十数回に及ぶ会議で内容を議論して草稿を作成,本学会理事・監事が本文監修を担当した.脊椎・脊髄に発生する腫瘍は百種類以上に及び,すべての腫瘍を網羅することは困難である.本ガイドラインでは対象は「脊髄腫瘍」とし,骨に発生する「脊椎腫瘍」は除外した.総論では疫学・自然経過・遺伝的要因・診断・治療を,各論では発生頻度が高く,おもに硬膜内髄外に発生する神経鞘腫と髄膜腫,おもに髄内に発生する血管芽腫,海綿状血管腫,上衣腫,星細胞腫・膠芽腫,悪性リンパ腫を取り上げた.
日本医療機能評価機構EBM 医療情報部の方々にはガイドライン作成の各段階において多くのアドバイスを受け,三輪書店の山岸清太郎様,瀬戸友貴様,大島 登様には校正・編集作業にご協力をいただいた.この場を借りて感謝申し上げたい.
医療現場における診療は,個々の患者の背景や病態を考慮した柔軟な対応が求められる.診療ガイドラインは,その実践において有用な指針となるような情報を提供するが,臨床的判断を代替するものではなく,医療従事者は,患者一人ひとりの状況を慎重に評価し,最適な治療法を選択する責任を負っている.本ガイドラインが,脊髄腫瘍患者の診療に携わるすべての医療従事者にとって有益な指針となり,患者ケアの質向上に寄与することを強く願うものである.
日本脊髄外科学会
診療ガイドライン作成委員会 委員長
菅原 卓
目次
総論
Ⅰ.疫学・分類
CQ1 脊髄腫瘍の疫学は
Ⅱ.自然経過
CQ2 増大傾向の少ない脊髄腫瘍は
CQ3 急速に増大する脊髄腫瘍は
CQ4 転移する脊髄腫瘍は
CQ5 多発性脊髄腫瘍は
Ⅲ.遺伝的要因
CQ6 人種差を示す脊髄腫瘍は
CQ7 遺伝性を示す脊髄腫瘍は
Ⅳ.診断
CQ8 脊髄腫瘍に特徴的な神経所見、有用な症状評価スケールは
CQ9 脊髄腫瘍に特徴的なMRI画像所見は
CQ10 拡散テンソル画像などのニューロイメージングは術前診断として有用か
CQ11 PETが診断に有用な脊髄腫瘍は
CQ12 血管撮影は診断に有用か
CQ13 脊髄腫瘍と鑑別すべき病変と検査法は
Ⅴ.治療
CQ14 経過観察をするべき脊髄腫瘍は
CQ15 脊髄腫瘍に対するステロイド投与は有効か
CQ16 放射線療法・化学療法が有用な脊髄腫瘍は
CQ17 全摘出が推奨されない脊髄腫瘍は
CQ18 脊髄腫瘍摘出後に固定術が必要となる場合は
CQ19 術後髄液漏を防ぐ硬膜閉鎖方法は
各論
Ⅰ.神経鞘腫
CQ20 神経鞘腫の疫学は
CQ21 神経鞘腫の画像分類と治療方針は
CQ22 神経根切除により神経症状は悪化するか
CQ23 良性神経鞘腫の治療成績と再発率は
CQ24 悪性神経鞘腫瘍の治療法と遠隔成績は
Ⅱ.髄膜腫
CQ25 脊髄髄膜腫の疫学は
CQ26 脊髄髄膜腫の画像分類と治療方針は
CQ27 腫瘍付着部硬膜は切除すべきか
CQ28 良性髄膜腫の治療成績と再発率は
CQ29 悪性髄膜腫の治療法と遠隔成績は
Ⅲ.血管芽腫
CQ30 血管芽腫の疫学は
CQ31 画像所見の特徴・診断に必要な検査は
CQ32 発生部位と治療方針は(放射線治療の有効性は)
CQ33 VHLに合併する血管芽腫の特徴と治療の注意点は
Ⅳ.海綿状血管腫
CQ34 海綿状血管腫の疫学は
CQ35 出血・再出血リスクと手術のタイミングは
CQ36 画像所見の特徴・診断に必要な検査は
CQ37 発生部位と治療方針は
Ⅴ.上衣腫
CQ38 上衣腫の疫学は
CQ39 画像所見の特徴・診断に必要な検査は
CQ40 発生部位と治療方針は
CQ41 悪性上衣腫の治療戦略は
Ⅵ.星細胞腫・膠芽腫
CQ42 星細胞腫・膠芽腫の疫学は
CQ43 発育形式と診断に必要な検査は
CQ44 良性星細胞腫の治療方針と成績は
CQ45 悪性星細胞腫・膠芽腫の治療方針と予後は
Ⅶ.悪性リンパ腫
CQ46 脊髄原発悪性リンパ腫の疫学は
CQ47 診断に必要な検査は
CQ48 治療方針と予後は
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書籍情報
- ISBN:9784895908511
- ページ数:170頁
- 書籍発行日:2025年6月
- 電子版発売日:2025年6月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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