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ジェネラリストの道具箱~外来に役立つ総合診療スキルブック~

  • ページ数 : 206頁
  • 書籍発行日 : 2025年6月
  • 電子版発売日 : 2025年6月19日
¥3,960(税込)
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商品情報

内容

これでだれでもジェネラリスト(#だれジェネ)
総合診療・家庭医療のスキルとフレームワークを一問一答形式で網羅しました.エキスパートジェネラリストの外来には,診断・治療はもちろんのこと,「患者さんとの関係性の築き方」「多職種との連携」「診断がつかないときの対応」などの技と知恵が凝縮されています.これらを実践するためのエビデンスや汎用的フレームワークを知ることで,外来での「これってどうしたらいいの?」に対する引き出しが増えることを実感できるでしょう.さらに学びたい読者のために,「もっと詳しく知りたい」で参考書籍や文献を示し,まさに総合診療の入り口かつハブとなる一冊です.

序文

序文


外来は,総合診療の専門性がもっとも発揮される場のひとつです.プライマリ・ケアの外来には,救急や入院病棟と比べて重症な患者さんは少なく,基本的には慢性疾患を中心に比較的安定した患者さんが多いため,「簡単そう」と思われることもあるかもしれません.ですが,実際にやってみると,「ちゃんとやる」のは想像以上に難しいことに気づきます.

患者さんの語りを丁寧に聞き,複数の問題を整理し,限られた時間のなかで優先順位をつけ,安心して帰ってもらう―こうした外来の実践には,特有の思考やスキルが必要です.しかもそれは,診断や治療といった医学知識にとどまらず,患者さんとの関係性の築き方や,多職種との連携,診断がつかないときの対応など,実に多岐にわたります.これらを「ちゃんとやる」ためのスキルやフレームワークは,実は世の中に存在しているのですが,初学者がそれに触れる機会は少なく,特に診断や治療以外の部分は「どうやって学べばいいのかわからない」と感じる方も多いのではないでしょうか.そのため,家庭医療専門医のポートフォリオを書くタイミングになって初めて壁にぶつかったり,何を実践したらいいかわからないと思う人も多いのではないでしょうか.

本書『ジェネラリストの道具箱〜外来に役立つ総合診療スキルブック〜』は,そうした外来診療で誰もが一度は感じる「これってどうしたらいいの?」という問いに対して,家庭医・総合診療医の視点から,なるべくわかりやすく,かつ実践的に答えることを目的としています.とくに,専攻医1年目の皆さんや,これから総合診療の世界に踏み出そうとしている初学者の方々にとって,本書が少しでも役立てばと願っています.すでに経験を積んだ医師にとっても,「ああ,そういう視点もあったか」,「若手にこう教えてみようかな」と立ち止まって考えるきっかけとなると幸いです.

本書はQ&A形式で構成されており,1トピックにつき見開きで完結するスタイルです.項目ごとに,全国各地で活躍されている家庭医・総合診療医の先生方が執筆してくださり,それぞれの臨床・教育・研究・地域に根ざした多様な視点が込められています.基本的には参考文献をつけて,なるべくエビデンスのある情報や,世界的に使われている汎用的なフレームワークを紹介しています.一方で,まだ言語化されきっていないけれど,現場で確実に役立つ「実践知」も詰め込んでいます.わかりやすさを重視して,すべてのトピックは触りの部分をコンパクトに紹介していますが,「もっと詳しく知りたい」と思った方のために,参考書籍や文献を併記しています.ぜひ,そちらもあわせて学びを深めていただければと思います.

専攻医の皆さんが,自分の総合診療スキルが一つずつ増えていくのを実感しながら,診療に向き合えるように.そして,日本に総合診療医がもっと増え,質の高いプライマリ・ケアが,より多くの人に届くようになることを願っております.本書が,その一助となれば,これに勝る喜びはありません.

最後に,日々の臨床や教育,研究活動で多忙を極める中,本企画にご賛同いただき,それぞれの知恵と実践を惜しみなく分かち合ってくださった著者の皆さまに,心より感謝申し上げます.

総合診療・家庭医療の技と知恵がこうして書籍という形で共有され,多くの医療者に引き継がれ,そして最終的に患者さんへと還元されていくことを,心から願っています.


2025年4月

安藤 崇之

目次

外来総論

Q1 総合診療医の外来に求められるプライマリ・ケア機能の特徴ってなに? 〈安藤崇之〉

Q2 外来のパターンってどんなものがある? 〈坂井雄貴〉

Q3 外来の予習ってどうやればいいの? 〈安藤崇之〉

Q4 患者さんの呼び入れの際に気をつけるべきことは? 〈安藤崇之〉

Q5 外来の相談ってどうしたらいい?(学習者版) 〈山田悟史〉

Q6 外来の指導ってどうしたらいい? 〈山田悟史〉

Q7 患者さんと信頼関係を築くコツは? 〈?木 博〉

Q8 外来をやるときは白衣を着たほうがいい? 〈玉野井徹彦〉

Q9 鑑別診断はどうやってあげたらいい? 〈常石大輝〉

Q10 診断エラーはどんなときに起こりやすい? 〈常石大輝〉

Q11 診断がつかないときはどうすればいい? 〈安藤崇之〉

Q12 診療がうまくいかないときはどうしたらいい? 〈田坂真哉〉

Q13 ケアの不確実性ってなに? 〈安藤崇之〉

Q14 複雑な患者さんの担当になったら? 〈田坂真哉〉

Q15 外来におけるタイムマネジメントのコツは? 〈安藤崇之〉

Q16 話の長い患者さんにどう対応したらいい? 〈喜瀬守人〉

Q17 患者さんが怒っている.どうしたらいい? 〈小宮山 学〉

Q18 継続性って大事なの? 〈上村祐介〉

Q19 患者さんを引き継ぐときにはどうしたらいい? 〈伊豆倉 遥〉

Q20 患者さんからものをもらったらどうする? 〈張 耀明〉

Q21 他科/他院に紹介するときに気をつけることは? 〈安藤崇之〉

Q22 健康生成論(サルトジェネシス)ってなに? 〈横田雄也〉

外来各論

Q23 予後の評価ってどうしたらいい? 〈渡部 健〉

Q24 悪い知らせをどうやって伝えたらいい? 〈四家慶太郎〉

Q25 ACPって外来でどうやってしたらいい? 〈天野雅之〉

Q26 BSCと言われたがん患者さんがやってきたら? 〈菊地真由〉

Q27 がんサバイバーの患者さんの診療で意識することは? 〈西 明博〉

Q28 リハビリをオーダーするときに気をつけることは? 〈鵜飼万実子〉

Q29 運動の指導(運動処方)ってどうやってやる? 〈高岡沙知〉

Q30 オンライン診療ってなにに気をつけたらいい? 〈吉田 伸〉

Q31 歯科治療の可否の相談がきたら? 〈松本朋弘〉

Q32 漢方はどんなときに役立つ? 〈金久保祐介〉

Q33 外来診療を行ううえで知っておくべき社会保障制度・福祉制度は? 〈下川純希〉

Q34 外来から在宅医療への移行のコツは? 〈原澤慶太郎〉

Q35 在留外国人をみたらどうする? 〈八百壮大〉

Q36 海外に行こうとしている患者さんが来たら? 〈菅長麗依〉

家族志向のケア

Q37 家族図はどうやって書く? 〈宮本侑達〉

Q38 家族図はいつ,どうやって使う? 〈宮本侑達〉

Q39 家族ライフサイクルってなに? 〈後藤初菜〉

Q40 家族会議っていつどうやってやる? 〈村山 愛〉

行動変容

Q41 行動変容のモデルにはどんなものがある? 〈玉井 瑛〉

Q42 TTMはどんなモデル? 〈高橋慎太郎〉

Q43 前熟考期の人にはどのようにアプローチしたらいい? 〈高橋慎太郎〉

Q44 動機づけ面接はどんなモデル? 〈今西 明〉

Q45 喫煙はどうやって介入したらいい? 〈今西 明〉

Q46 問題のある飲酒行動はどうやって見つけたらいい? 〈田代直寛〉

Q47 飲酒の問題にどうやって介入したらいい? 〈田代直寛〉

高齢者

Q48 高齢者をみるときのポイントは? 〈青木一毅 濱井彩乃〉

Q49 サルコペニア/ロコモティブシンドロームってなに?〈青木一毅 濱井彩乃〉

Q50 Multimorbidityはどうやってみたらいい? 〈大浦 誠〉

Q51 ポリファーマシーはどうやって介入したらいい? 〈安藤崇之〉

Q52 薬の飲み忘れにはどう対処する? 〈松田真和〉

Q53 認知症の人が一人で外来に来たら? 〈松田真和〉

Q54 免許返納の相談を受けたらどうしたらいい? 〈安藤崇之〉

Q55 介護保険についてどう説明したらいい? 〈深瀬 龍〉

Q56 主治医意見書どう書いたらいい? 〈河田祥吾〉

Q57 施設の種類ってどんなのがある? 〈田谷 元〉

Q58 訪問看護指示書はどうやって書いたらいい? 〈西 明博〉

Q59 家族を介護している人をみたら? 〈安藤崇之〉

小児/母子

Q60 小児の診察で気をつけることは? 〈岡田 悠〉

Q61 小児の発達の評価はどうやってやる? 〈岡田 悠〉

Q62 児童虐待はどんなときに疑えばいい? 〈吉羽史織〉

Q63 発達障害の相談をされたら? 〈高島大樹〉

Q64 不登校の相談をされたらどうしたらいい? 〈高島大樹〉

Q65 産後うつはどう評価すればいい? 〈吉羽史織〉

Q66 妊婦をみるときに気をつけることは? 〈水谷佳敬〉

Q67 母乳と人工乳,どう勧めたらよい? 〈久保田 希〉

Q68 食物アレルギーについて相談されたらどうしたらいい? 〈安藤崇之 正木克宜〉

Q69 アレルギーマーチってなに? 〈布村丈史 安藤崇之〉

セクシャルヘルス

Q70 月経歴はどうやって聞いたらいい? 〈三石沙也香〉

Q71 性交渉歴ってどうやって聞けばいい? 〈安藤崇之〉

Q72 避妊の相談をされたら? 〈手銭 駿〉

Q73 LGBTQの人が来たらなにに配慮したらいい? 〈坂井雄貴〉

メンタルヘルス

Q74 メンタルヘルスの相談がきたらどうしたらいい? 〈河田祥吾〉

Q75 不眠の相談をされたら? 〈木原 進〉

Q76 うつ病の評価はどうしたらいい? 〈森川敬太〉

Q77 不安症の評価はどうしたらいい? 〈森川敬太〉

Q78 希死念慮がある人が来たらどうしたらいい? 〈中山明子〉

Q79 職場に出す診断書ってどう書くの? 〈田島明野〉

Q80 認知行動療法ってどうやるの? 〈河田祥吾〉

Q81 家族を亡くした患者さんがいたらどうしたらいい? 〈菊地真由〉

予防医療

Q82 予防的な介入ってなにをすればいい? 〈年森慎一〉

Q83 子どものワクチンってなにをやればいい? 〈年森慎一〉

Q84 大人のワクチンってなにをやればいい? 〈古田 京〉

手 技

Q85 家庭医(総合診療医)ができる手技って? 〈高岡沙知〉

Q86 超音波(POCUS)はどうやって勉強したらいい? 〈上松東宏〉

Q87 膝の関節穿刺/注射のコツは? 〈近藤慶太〉

社会医学

Q88 健康の社会的決定要因ってなに? 〈飯塚玄明〉

Q89 ヘルスプロモーションってなに? 〈斉藤聡大〉

Q90 地域診断ってどうやったらいいの? 〈春田淳志〉

Q91 社会的処方ってなに? 〈飯塚玄明〉

Q92 お金に困っている患者さんをみたら? 〈毛利直人〉

Q93 学校医ってなにするの? 〈塚原麻希子〉

Q94 産業医ってなにするの? 〈安藤明美〉

Q95 プラネタリーヘルス/ワンヘルスってなに? 〈山下洋充〉

生涯学習

Q96 どうやって知識のアップデートをしたらいい? 〈安藤崇之〉

Q97 日々の振り返りって必要? 〈岩間秀幸〉

Q98 ポートフォリオはなんのために書くの? 〈岩間秀幸〉

研究/アウトプット

Q99 症例報告はどうやって書けばいい? 〈藤川裕恭〉

Q100 研究をやってみたいけどどうしたらいい? 〈金子 惇〉

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書籍情報

  • ISBN:9784498120242
  • ページ数:206頁
  • 書籍発行日:2025年6月
  • 電子版発売日:2025年6月19日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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