めまい診療ナビ―病態から治療まで―

  • ページ数 : 144頁
  • 書籍発行日 : 2025年5月
  • 電子版発売日 : 2025年6月27日
¥4,290(税込)
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商品情報

内容

めまい診療のスペシャリストが、迷いやすい「めまい診療」の道すじをご案内!
知っておきたい「眼振のメカニズム」や、めまい関連疾患の診療のコツ、リハビリテーション法などを網羅。めまいの診断と治療に必要な知識やアプローチを、最新のガイドラインや図表を用いて詳しく解説しています。
各項目のはじめのPointでは要点をわかりやすくまとめました。また、診療の合間に読みやすいコラムも掲載。
めまい診療に携わるすべての医療従事者の方におすすめの一冊です。

序文

はじめに

めまいは,多くの医師が遭遇する主訴の一つであり,その原因は多岐にわたります.適切な診断と治療を行うためには,詳細な問診と綿密な診察が不可欠です.特に,生命の危険を伴う中枢性めまいと末梢性めまいの迅速かつ正確な鑑別が求められます.また,めまい疾患では前庭‒自律神経反射を介した悪心や嘔吐などの不快な症状がしばしば出現し,これらに対する適切な対応も重要です.したがって,めまい診療に携わる医師にとって,この分野に関する深い理解は不可欠といえます.

本書『めまい診療ナビ―病態から治療まで―』は,めまい診療に関する最新の知見と実践的な情報を網羅した1 冊です.本書の主要な構成は以下の通りです.

第1 章では,「めまい診療の進め方」として,めまいを主訴とする患者へのアプローチをフローチャートを用いて解説しました.第2 章では,めまい疾患の疫学に関する最新の情報を提示しました.第3 章では,めまいの診断や治療においてきわめて重要な眼振所見の理解を深めるため,眼振の生理学を概説し,眼振緩徐相や眼振急速相,注視眼振などの発現メカニズムについて詳述しました.第4 章では,末梢性めまい疾患に焦点をあて,良性発作性頭位めまい症,メニエール病,遅発性内リンパ水腫,前庭神経炎などの代表的な疾患について,最新の診療ガイドラインに基づいた診断および治療法を紹介しました.第5 章では,「その他のめまい疾患」として,高齢者や小児におけるめまい,心因性めまい,動揺病の診断および治療法を述べました.第6 章では,近年注目されている「前庭リハビリテーション」の理論と具体的な手法について,ガイドラインをもとに解説しました.第7 章では,動揺病の一種である「宇宙酔い」について取りあげました.

各章の冒頭には,「POINT」と「Key Words」を設け,日常診療において多忙な医師でも,要点を短時間で把握できるよう配慮しました.本書が,めまい診療に関して疑問を抱いた際の手引きとなることを願っております.

さらに,本書には以下の8 つのコラムを収録しました.「ユニークな回転刺激装置たち」「アルコール性頭位眼振」「患者から受けた感謝のハグ」「実験に失敗はつきもの」「希少めまい疾患―コステン症候群―」「匂いとめまい」「ワインとシャンパン,それは魔法の一杯」「ニューロラブ計画」これらのコラムを通じて,忙しい日常診療の合間にも,多様な話題を楽しんでいただければ幸いです.

本書が,めまい診療に携わるすべての医療従事者にとって,日常臨床における実践的な指針となり,患者に対してより質の高い医療の提供に寄与することを心から願っております.


2025年3月

肥塚 泉

目次

★第1章 めまい診療の進め方

 めまい診療の進め方

 中枢性めまいとの鑑別

   眼球運動障害/異常眼球運動/構音障害/運動麻痺/感覚障害/運動失調/聴覚症状/眼振検査

★第2章 めまい疾患の疫学

 めまい疾患の臨床統計

★第3章 眼振のメカニズム

 眼振緩徐相と眼振急速相

   眼振緩徐相の神経機構/Ewaldの法則,Flourensの内リンパ流動説/眼振急速相の神経機構

 眼振緩徐相から眼振急速相へのスイッチング機構

 注視眼振の神経機構

★第4章 末梢性めまい疾患

1.良性発作性頭位めまい症

 疫学

 病態

 良性発作性頭位めまい症(BPPV)で認められる眼振の発現機序

 診断

 治療

   急性期/亜急性期以後

 良性発作性頭位めまい症(BPPV)の予後

2.メニエール病

 疫学

 病態

 検査所見

   平衡機能検査/聴力検査/内リンパ水腫推定検査/内耳造影MRI

 治療

   発作期/間歇期

3.遅発性内リンパ水腫

 疫学

 病態

 検査

 治療

4.前庭神経炎

 疫学

 病態

 検査所見

   眼振検査/温度刺激検査/前庭誘発筋電位(VEMP)/ヘッドインパルス検査(HIT),ビデオヘッドインパルス検査(vHIT)

 治療

   急性期/亜急性期/慢性期

★第5章 その他のめまい疾患

1.高齢者のめまい

 薬剤性めまい

 ポリファーマシー(多剤服用)

 加齢性前庭障害

2.小児のめまい

 疫学

   新生児期・乳児期・幼児前期(0~3歳)/幼児後期(4~6歳)/学童期(7~12歳)/思春期(13~15歳)

 小児において頻度の高いめまい疾患

 小児前庭性片頭痛(VMC)/小児反復性めまい症(RVC)(小児良性発作性めまい症)/起立性調節障害(OD)

3.心因性めまい

 Bárány学会より提唱された,不安症,うつ,身体症状症が関与するめまい

   不安症による発作性前庭症状/発作性前庭症状に併発する不安症/不安症による慢性前庭症状/慢性前庭症状に併発する不安症/転倒恐怖/前庭症状に併発したうつ/うつによる前庭症状/前庭疾患不安症/持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)

 めまいをきたす不安症,うつ,身体症状症(旧:身体表現性障害)以外の精神疾患

   身体症状症(旧:身体表現性障害)/統合失調症(F20)/人格障害(パーソナリティ障害)(F60)/自閉スペクトラム症(F84.9)/注意欠陥・多動症(AD/HD)(F90.0)/認知症(F00,F01,F02.8,F02.0)/てんかん(G40)

 治療

   めまいをきたすことがある精神疾患/持続性知覚性姿勢誘発めまい(PPPD)

4.動揺病

 疫学

 症状

 病態

   内耳過剰刺激説/感覚混乱・神経ミスマッチ説

 予防

   慣れを促進する

 薬物治療

★第6章 前庭リハビリテーション

 前庭リハビリテーションのエビデンス

 前庭リハビリテーションを実施するための体制整備

 2021年の訓練基準のポイント

   定義と目的/対象者および実施前の注意事項/前庭リハビリテーションによる前庭機能回復のメカニズム

 前庭リハビリテーションの実施方法

   座位 頭部運動訓練/立位 バランス訓練/歩行訓練/慣れを誘導する訓練/Saccadeとpursuit

★第7章 宇宙酔い

 症状

 宇宙酔いの多様性と動揺病

   体液移動説/耳石器機能非対称説/感覚混乱・神経ミスマッチ説/OTTR(otolith tilt‒translation reinterpretation)説


索引

 コラム 

・ユニークな回転刺激装置たち

・アルコール性頭位眼振

・患者から受けた感謝のハグ

・実験に失敗はつきもの ―内耳微細構造のMRIを用いての描出―

・希少めまい疾患 ―コステン症候群―

・匂いとめまい

・ワインとシャンパン,それは魔法の一杯

・ニューロラブ計画

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書籍情報

  • ISBN:9784865198317
  • ページ数:144頁
  • 書籍発行日:2025年5月
  • 電子版発売日:2025年6月27日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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