科研費獲得の方法とコツ 第9版

  • ページ数 : 317頁
  • 書籍発行日 : 2025年6月
  • 電子版発売日 : 2025年7月4日
¥4,730(税込)
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商品情報

内容

令和5年度に採択された挑戦的研究(萌芽)の見本を追加!最新版
令和7年度公募から使用されている新しい申請書のポイントや,審査方式の変更,研究データマネジメントプランなどの制度の更新情報を徹底解説した最新版! 令和5年度採択の「挑戦的研究(萌芽)」の申請書見本も丸ごと追加! 申請書の書き方を中心に,応募戦略,採択・不採択後などのノウハウを解説.

序文

第9版のはじめに

令和5年度に科研費の改革が一段落となり,当面は大きな変化がないと予想されていたが,令和6年に行われた令和7年度公募に再び大きな変更が加えられたことから,今回の改訂となった.

令和7年度公募で最も注目すべき変更点は,基盤研究(A,B,C)における「国際性」の評価項目の導入である.日本の科学研究レベルの低下が指摘されて久しい(具体的にいつからかは議論の余地がある)が,その一因として国際共同研究の不足があげられている.令和7年度の変更により,採択された研究課題のうち「国際性」が高く評価された研究課題には,応募額を尊重した研究費配分が行われるとされている(つまり「国際性」の評価は,基本的に採択ではなく配分額に影響する.ただし若手研究者の場合は,優先的な採択に影響する).しかし,申請書上でいくら高い評価がつけられたとしても本当に国際的に優れた研究でなければ,そもそも国際共同研究の機会すら得られないであろう.現状の「国際性」評価だけでなく,将来の日本の科学レベル向上のためには,研究費の配分額自体を増やし,それによって国際的に競争力のある研究を生み出す環境整備が必要ではないかと考える.また,令和7年度の申請書から「着想に至った経緯」の記載位置が変更され,「本研究の学術的背景」の後に配置されるようになった.この変更は,申請書全体の構成の流れに沿っており,よりわかりやすくなったと評価できる.さらに,研究インテグリティや研究データマネジメントについて適切な対応が求められるようになり,研究の質だけでなく,その管理体制も重視される時代に移行していることがうかがえる.これも国際的な研究基準に対応するための重要な改革の一環であろう.

加えて,あまり大きく公表されていないものの,審査委員の人数の変更も見逃せないポイントである.基盤研究(B,C)および若手研究では,審査委員の人数が1 名減少した.これにより,各審査委員の評価の比重が増し,1 人の委員の評価が全体に与える影響が大きくなる.申請書の質がこれまで以上に重要となることは間違いない.

個人的な話になるが,昨年(2024年)には大きな転機があった.3月に久留米大学を定年退職し,研究者のためにさまざまな研究費の獲得支援を目的とした会社「ジーラント」を立ち上げた.これは,これまでの研究者としての経験を活かし,新たな挑戦をしたいという思いからである.一から会社を立ち上げることには大きな不安もあったが,これまで改訂を重ねてきた本書のおかげで,順調なスタートを切ることができた.読者の皆様には心から感謝する.今後は「ジーラント」で得た経験も本書に反映させ,皆様の研究活動を支援できるよう尽力していきたい.


令和7年5月

児島将康

目次

1章 科研費の概略

1 科研費とは?

2 科研費の種類 ―科研費にはどのような種目がある?

3 審査区分の種類

4 審査のしくみ

5 申請から採択まで

6 科研費の現状について ―令和6年度のデータより

7 科研費の基金化,調整金,合算使用,バイアウト制度

8 科研費に関する資料

9 他の省庁・民間組織が公募する研究費

2章 科研費応募の戦略

1 応募種目の選び方

2 審査区分の選び方

3 採択課題の調査 ―審査区分を選ぶにあたって①

4 審査委員は誰? ―審査区分を選ぶにあたって②

5 研究パートナー(共同研究者)の選び方

6 科研費申請のアイデアのまとめ方

3章 申請書の書き方

1 申請書を書く前の注意点

2 研究課題名

3 研究目的,研究方法など ―この欄の全体像

4 本研究の学術的背景や本研究の着想に至った経緯,研究課題の核心をなす学術的「問い」の書き方

5 「本研究の目的および学術的独自性と創造性」の書き方

6 関連分野の研究動向と本研究の位置づけ

7 本研究で何をどのように,どこまで明らかにしようとするのか

8 本研究の目的を達成するための準備状況

9 本研究がどのような国際性を有するか

10 応募者の研究遂行能力及び研究環境

11 人権の保護及び法令等の遵守への対応

12 研究計画最終年度前年度の応募

13 研究経費とその必要性

14 研究費の応募・受入等の状況

15 挑戦的研究(開拓・萌芽)の申請書について

16 日本学術振興会特別研究員の申請書について

4章 申請書の仕上げと電子申請

1 申請書の見栄え

2 図の挿入

3 電子申請の実際

4 最後のチェック

5章 採択と不採択

1 採択されたとき

2 不採択のとき ―採択されなかったら,どうする?

3 次回の応募に向けての準備

4 科研費以外の研究費への応募の可能性

付録 書き込んで使おう!科研費申請ToDo&Checkリスト

そこが知りたい!科研費なるほどQ&A

実際に採択された申請書の例〔基盤研究(C)・挑戦的研究(萌芽)〕

日本の研究費一覧

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書籍情報

  • ISBN:9784758121354
  • ページ数:317頁
  • 書籍発行日:2025年6月
  • 電子版発売日:2025年7月4日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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