早産のすべて 基礎から臨床,DOHaDまで 改訂第2版

  • ページ数 : 384頁
  • 書籍発行日 : 2025年7月
  • 電子版発売日 : 2025年7月25日
¥10,450(税込)
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商品情報

内容

周産期医療が進歩するなかでも,「早産」は周産期における最も重要な疾患の一つである。早産発症の原因は多様であるがゆえに,そのメカニズムについて画一化した理解と説明を行うことは困難である。高年出産の増加に伴う母体合併症等,生殖補助医療の増加による多胎や胎児発育不全などの増加などの医原的な早産,感染や炎症に基づく早産発症のカスケードの理解など,早産のすべてを学ぶことができる一冊である。

序文

改訂第2版 序 文

周産期医療の飛躍的な進歩により母児の予後は大きく改善したものの,早産はいまだに予後不良につながる最も重要な疾患のひとつである。

早産は,切迫早産や前期破水から児の娩出に至る「自然早産」と,前置胎盤や胎児機能不全などの理由で分娩を余儀なくされる「医学的適応による早産」に大別されるが,その原因は多岐にわたっており,preterm labor syndromeの概念も提唱されている(Iams & Gravitt,2010年)。したがって,予防や治療法にもさまざまなアプローチが存在するのは自明である。

こうした観点から,「早産」に関連する多様なテーマについて,各分野のエキスパートの先生方にご執筆をお願いしたところ,快くお引き受けいただいた。

早産児や低出生体重児に関しては,神経学的後遺症を中心とした長期予後のみならず,生活習慣病との関連を指摘する「発達起源病因論(Developmental Origins of Health and Disease;DOHaD)」についても専門家にご執筆を依頼し,早産に関する幅広いテーマを一冊にまとめたという意味で,本書(初版)は2020年12月時点における「早産のすべて」を網羅した初の成書として刊行された。

あれから,気づけば5年が経過しようとしている。

この間,分子生物学・情報科学・ナノテクノロジーなどと免疫学の連携が現在の免疫学を急速に発展させ,周産期領域においても「早産と炎症」の強い関連が次々と報告されている。臨床においても,「炎症の予防」という視点からのアプローチが試みられる一方で,子宮収縮抑制薬および出生前ステロイド投与の再評価も進んでいる。

冒頭には,「この本の見方」を入れて,該当項目を参照しやすい体裁にした。2025年5月に『産科婦人科用語集・用語解説集 改訂第5版』が刊行されたので,「早産関連用語」については,可能な限りそれに準拠している。

今回の改訂では,以下のような新たな項目が追加・整理された。

【基礎編】

・免疫機能から見た「炎症と早産」の総まとめ

・子宮内膜炎と子宮内炎症

・早産例の胎盤病理

【臨床編】

・「プレコンセプションケア」と「インターコンセプションケア」

・プレバイオティクスとプロバイオティクスの紹介

・「切迫早産」と「早産期陣痛」:最新の定義

・医療経済の観点からみた早産治療

・子宮頸管縫縮術の術式

・子宮収縮抑制薬の投与期間

・出生前ステロイド投与の効果発現メカニズム・効果・副作用

・極低出生体重児の短期・長期予後に関する最新知見

・妊婦に対するメンタルヘルスケア

大幅にリニューアルされた『改訂第2版 早産のすべて』が,周産期領域に携わるすべての方々~産科・新生児科専門医のみならず,一般の産婦人科医,小児科医,助産師など~に,引き続きご活用いただければ,望外の喜びである。


2025年7月吉日

編集者を代表して
日本早産学会副理事長
 松田義雄

目次

基礎編

陣痛発来機序と早産

早産と免疫

炎症カスケードからみた早産の発生機序

子宮内感染と子宮内炎症

慢性子宮内膜炎と早産

腸内細菌叢と早産

ウレアプラズマの最新知識

早産症例の胎盤病理所見

羊膜の修復過程

臨床編

Ⅰ 定義・診断/疫学 ①定義・診断

Q1「 早産期陣痛」および「切迫早産」の定義は?

Q2 子宮頸管無力症の定義と診断は?

Q3 早産期前期破水の定義と診断は?

Q4 絨毛膜羊膜炎の定義と診断は?

Q5 リスクについて具体的に説明できるリスク比,オッズ比とは?

Q6 早産の年次推移を示してください

Q7 わが国と海外の早産率に違いはありますか?

Q8 早産歴と早産の関連は?

Q9 母体体重と早産の関連は?

Q10 早産になりやすい基礎疾患を教えてください

Q11 喫煙などの生活習慣(歯周病以外)と早産の関連は?

Q12 歯周病と早産の関係は?

Q13 細菌性腟症と早産の関連は?

Q14 子宮頸管長と早産の関連について教えてください

Q15 医療経済の観点から早産治療を評価するときのポイントは?

Ⅱ 予防・介入

Q16 早産予防に関するプレコンセプションケア/インターコンセプションケアを教えてください

Q17 胎盤関連産科合併症(PMPC)とはなんですか? 早産予防につながりますか?

Q18 細菌性腟症に対する治療介入によって早産は減少しますか?

Q19 プレバイオティクスと早産の関連について教えてください

Q20 プロバイオティクスと早産の関連を教えてください

Q21 子宮頸管無力症への対応はどのようにしたらよいですか?

Q22 子宮頸部円錐切除術後の早産対策を教えてください

Q23 子宮頸部摘出術後の妊娠症例への対応を教えてください

Q24 子宮頸管縫縮術の分類とその術式などの注意点は?

Q25 円錐切除後などの予防的子宮頸管縫縮術実施困難例への対応やピットフォールは?

Q26 子宮頸管縫縮術の治療成績は?

Q27 緊急時の子宮頸管縫縮術の手技・管理とその評価(治療成績)を教えてください

Q28 プロゲステロンの薬理作用と治療成績は?

Q29 ペッサリー使用成績の現状を教えてください

Ⅲ 診断後の管理 ①母体評価

Q30 分娩予定日の確認方法は?

Q31 入院時の母体評価の手順を示してください

Q32 切迫早産でみられる臨床症状を中心とした鑑別診断のフローチャートを示してください

Q33 早産に関するバイオマーカー(癌胎児性フィブロネクチン,顆粒球エラスターゼ)の意義について教えてください

Q34 CRP測定の意義は?

Q35 子宮頸管長の正確な測定法とプレッシャーテストを教えてください

Q36 切迫早産・前置胎盤に特徴的な超音波所見はありますか?

Q37 常位胎盤早期剥離の超音波所見のポイントを教えてください

Q38 子宮内感染/炎症の原因検索を目的とした羊水穿刺の意義と実際について教えてください

Ⅲ 診断後の管理 ②胎児評価

Q39 胎児発育はどのように評価しますか?

Q40 胎児健常性の評価法は?

Q41 早産期の胎児心拍数陣痛図の特徴と薬剤の影響を教えてください

Ⅲ 診断後の管理 ③治療

Q42 安静は有効ですか?

Q43 補液は有効ですか?

Q44 子宮収縮抑制薬の投与期間に関する論点は?

Q45 リトドリン塩酸塩の適応と使い方は?

Q46 リトドリン塩酸塩だけでは難しいときは?

Q47 硫酸マグネシウムの適応と使い方は?

Q48 硫酸マグネシウムの神経保護作用について教えてください

Q49 イソクスプリン・テルブタリンの適応と使い方は?

Q50 ニフェジピンの適応と使い方は?

Q51 インドメタシンの適応と使い方を教えてください

Q52 海外におけるオキシトシン受容体拮抗薬の適応と使い方を教えてください

Q53 子宮収縮抑制薬併用時の実際を教えてください

Q54 子宮収縮抑制薬の胎児/新生児に与える影響は?

Q55 外回転術施行時の子宮収縮抑制薬使用方法を教えてください

Q56 出生前ステロイド投与が効果を発揮するメカニズムを教えてください

Q57 一般的な出生前ステロイド投与法を教えてください

Q58 出生前ステロイドの反復投与はどう評価されていますか?

Q59 妊娠24週未満,34週以降のステロイド投与は有効ですか?

Q60 未破水の切迫早産に対する抗菌薬投与は何に対して有効ですか?

Ⅲ 診断後の管理 ④合併症を有する場合の治療

Q61 糖尿病合併妊娠,妊娠糖尿病妊婦に対する切迫早産治療のポイントは?

Q62 心疾患,甲状腺機能亢進症などの内科的合併症で,早産治療を行う際の注意点は?

Q63 慢性腎臓病や高血圧合併妊娠で早産治療を行う際の注意点は?

Q64 子宮筋腫合併妊娠・子宮筋腫核出術後の症例で早産治療を行う際の注意点は?

Q65 多胎妊娠で早産治療を行う際の注意点は?

Q66 羊水過多や胎児発育不全(FGR)などで,早産治療を行う際の注意点は?

Q67 前置胎盤で早産治療を行う際の注意点は?

Ⅲ 診断後の管理 ⑤分娩時の対応

Q68 陣痛発来をどのように判断しますか?

Q69 切迫早産治療中,どういった場合に分娩に踏み切りますか?

Q70 切迫早産管理中の胎児機能不全をどう判断しますか?

Q71 絨毛膜羊膜炎が顕性化したときに,どう管理したらいいでしょうか?

Q72 分娩様式を決定する因子を教えてください

Q73 帝王切開はどういった場合に施行しますか? 特別な方法で行いますか?

Q74 帝王切開時の麻酔法はどのようにしますか?

Ⅳ 出生児の管理 ①新生児管理

Q75 在胎週数別の死亡数・死亡率を教えてください

Q76 早産児蘇生の具体的手順を教えてください

Q77 早産児出生直後の合併症を教えてください

Q78 新生児センター,NICU入院中の合併症を教えてください

Ⅳ 出生児の管理 ②長期予後

Q79 極低出生体重児の予後についての最近の動向を教えてください

Q80 早産症例の長期予後について教えてください

Q81 DOHaDとは?(小さく生まれることと早産児の健康リスク)

Q82 低出生体重児とDOHaDの関連を教えてください

Q83 日本のエコチル調査でわかったことを教えてください

Ⅴ 前期破水

Q84 早産期前期破水(pPROM)に対する予防的抗菌薬投与は有効ですか?

Q85 早産期前期破水(pPROM)に対する子宮収縮抑制薬は有効ですか?

Q86 早産期前期破水(pPROM)に対する妊娠週数ごとの対応を教えてください

Q87 長期破水に伴う合併症を教えてください

Q88 慢性早剥羊水過少症候群(CAOS)とは何ですか?

Ⅵ 看護

Q89 切迫早産・前期破水合併妊婦の看護について注意すべきポイントを教えてください

Q90 切迫早産・前期破水合併妊婦のメンタルケアの重要性について教えてください

Column

マイクロバイオームと早産

細菌の分類

血液凝固障害と早産

子宮頸管無力症の診断についての日米での差異

早産管理と保険適用

日々の病院業務を臨床研究につなげるための工夫 

細菌性腟症に対する地域での取り組み

早産の共同研究立ち上げの思い出

子宮頸管縫縮術の適応と分類についての日米での差異

経腹的子宮頸管縫縮術の今後の展望136 

黄体ホルモン製剤(プロゲストーゲン,プロゲステロン,プロゲスチン)

各種子宮収縮抑制薬(tocolytics)の歴史的変遷と思い出話

子宮頸管ポリープの取り扱い

子宮内炎症惹起物質の除去を加えた早産管理の実際

産科医療補償制度と早産

前期破水管理の変遷

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書籍情報

  • ISBN:9784758323611
  • ページ数:384頁
  • 書籍発行日:2025年7月
  • 電子版発売日:2025年7月25日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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