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- 医療安全BOOKS 11 患者と自分たちを守る KYT防災ブック
商品情報
内容
序文
はじめに
2020年以降、世界中を巻き込んだ新型コロナウイルス感染症のパンデミックは、私たち医療者が、困難な状況下でも業務を継続し、社会を支える役割を果たすことの重要性と限界を痛感させる出来事でした。これまでにも阪神・淡路大震災や東日本大震災、直近では2024年の能登半島地震など、多くの災害が医療現場を直撃し、医療者は自身が被災しながら活動を続けるという厳しい状況に直面しています。すなわち医療者は「支援する側」であると同時に「当事者」としても備える必要がある時代に生きているのです。本書は、「患者と自分たちを守る」ために、災害が起こる前から現場で危険を予測し、備える視点を養うKYT(危険予知トレーニング)を中心に据えた実践的な防災ブックです。看護管理者が災害を“ 自分事” として捉え、スタッフとともに事前に危険を予測し、適切に備えることで、災害時にも落ち着いて行動できることを目指しています。
構成は4 章からなります。第1 章「知る」では、オールハザード・アプローチや事業継続計画(BCP)、災害対応の原則CSCATTT(指揮統制、安全、情報伝達、評価、トリアージ、治療、搬送)といった災害対策の基本的な考え方を紹介します。第2 章「備える」では、災害発生前の事前対策として、KYT(危険予知トレーニング)の考え方や手法を解説し、第3 章「動く」では、災害発生時の初動をふまえ、被災時のKYT について事例を交えながら紹介しています。これらは、防災訓練の一環として、スタッフ教育に活用できる内容です。また、第4 章「聴く」では、実際に災害を経験した看護管理者の声から、現場のリアルな教訓を学びます。
防災は個人の努力だけではなく、組織として取り組むべき課題です。看護管理者には、防災体制の整備とともに、スタッフが日常の中で災害を意識し、有事に的確な行動ができるよう教育する役割が求められます。本書が、その取り組みを支える実践的なツールとなり、災害に強い医療現場づくりの一助となることを願っています。
2025年6月
日本医療マネジメント学会 医療安全委員会委員長
東京医療保健大学 副学長
坂本 すが
序
2011年の東日本大震災では多くの医療機関が被災するなどして業務を継続することができませんでした。そこで、業務継続計画(BCP:Business ContinuityPlan)の策定が災害拠点病院の指定要件となり、介護サービス事業所でも義務化されました。南海トラフ地震・津波災害や首都直下地震、日本海溝・千島海溝周辺海溝型地震などの巨大災害が想定され、気象災害も増加傾向にあります。近年は、直接死を関連死が上回る事態も発生していますので、慢性疾患患者や高齢者等の要配慮者への対応計画も喫緊の課題といえます。一般の医療機関でのBCP 策定は推奨となっていますが、組織の存続を図り、多くの人々の健康危機へ対処するための備えが求められます。
一方、東日本大震災では訴訟となるケースが増えました。福島第一原発事故での集団訴訟の原告数は1万2,000 人超えるとされますが、石巻市立大川小学校や私立日和幼稚園、七十七銀行女川支店などの訴訟も報じられています。さらに和解には至りましたが、不当なトリアージと適切な処置が受けられなかったために家族が死亡したとして石巻赤十字病院を提訴するという事案も発生しました。災害は天災だから仕方がないという認識は通用しなくなったという前提に立ち、医療安全・リスクマネジメントとして災害対策に取り組む必要があります。そして、マネジメントには目標設定が必要だということも忘れてはならないポイントです。
新型コロナウイルス感染症を経験したことを経て、2025年4月国立健康危機管理研究機構が発足し、DMAT 事務局も国立健康危機管理研究機構が運営する体制に変わりオールハザード・アプローチによる健康危機管理体制が整備されつつあります。また、2026年には防災庁が設置される見込みとなりました。
社会の変化に適応しながら、人命救助と苦痛の緩和、尊厳をまもることができる病院づくりに本書が役立つことを願っております。
2025年6月
国際医療福祉大学大学院 医療福祉学研究科 保健医療学専攻 災害医療分野 教授
災害保健医療研究センター 副センター長
石井美恵子
目次
第1章 知る
(1)災害対応とは 10
(2)東日本大震災の教訓 13
(3)災害医療とBCP 20
(4)災害医療で必要とされる人材とは 26
(5)災害医療の法的側面、記録 29
(6)被災時の業務と行動 31
(7)看護師の役割と価値 36
第2 章 備える
(1)災害にどう備えるか 44
(2)KYT とは 51
(3)KYT で災害に備える 56
第3章 動く
(1)CSCATTT という行動原則 84
(2)被災時のKYT 90
第4 章 聴く
(1)能登半島地震を経験して 116
(2)台風による院内浸水を体験して 123
資料ダウンロード方法 131
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書籍情報
- ISBN:9784840488419
- ページ数:136頁
- 書籍発行日:2025年7月
- 電子版発売日:2025年7月29日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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