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- 消化器看護ケアマニュアル<ケアマニュアルシリーズ>
商品情報
内容
序文
序 「知識と技術」─その先のために
手術室のスタッフラウンジで一息入れているときに,何気なく壁に張りつけてある新入看護師の自己紹介メモを見ていました.そのなかの3枚に「知識・技術を学びたい,早く身につけたい」という言葉があり,思わず「それだけ?」と声をあげてしまいました.社会に出て仕事を始めるには,目の前にいる患者さんに対して実際に頭と身体を動かさなければなりません.確かに「知識と技術」がその基礎でありますが,私たち先輩が若い人に一番学んで身につけてもらいたいのは,プロの医療人としての「見識」です.「考え方・姿勢・立居振舞・倫理感」といったほうがわかりやすいでしょうか.「知識と技術の基本」は学校で学んでいるはずです.医療の現場においては,病態や患者さんに対する基本的な考え方がいかになされているか,プロとしての医療がどのような世界なのかを身をもって学んでいく必要があります.そこで自らの「知識と技術」を生きたものとして確立していくことができるわけです.初めの時期に基本的な知識・技術・考え方をしっかり身につけた人,さらには生涯学び続ける人は,自ずと立居振舞にも顕れ,それは患者さんにも伝わるでしょう.
本書は,消化器系の患者さんをケアするにあたってのマニュアル本です.しかし単に知識・技術の羅列ではなく,実践に沿った記述を旨としています.ザーッと読み通すよりも,各ケースにあたってまず相当する項目や基礎編を一読みし,さらに一つひとつを確認しながら対処できるよう,かなり詳しい内容になっています.
しかし,実際にそれを活かすには皆さん自らが体験していかなければなりません.たとえば「肝切除術術後の管理」について.肝切除の際の肝切離面にはたいていドレーンを留置しています.術後出血,胆汁漏などのチェックのためです.肝がんの患者さんの多くは肝硬変があって出血傾向もあり,特に手術直後は厳重な観察が求められます.肝切離面などからの出血で,再開腹が必要になるほどの時間単位の大量出血の場合は,留置ドレーンの周囲に凝固血塊が形成されて詰まり気味になり,体外に誘導されるはずのドレーンからの出血量が逆に少なくなる事態が起こることがあります.術後出血の管理は,ドレーンを見ているだけではだめで,患者さんの腹部膨満・頻脈・苦悶感を見てとり,そこで初めて血液検査,画像診断に至るべきなのです.
本書では,看護師を中心にケアについての解説を記述していますが,その基本的な管理の考え方についても医師がすべて校閲を行っています.病態(術後も含め)の考え方をしっかりと身につけたケアを目指してもらいたいと思います.患者さんの一番近くにいる看護という仕事の醍醐味だとも思います.患者さんを何とかよくしてあげたいと思って一所懸命考え,患者さんからは多くのものを教えてもらい,その積み重ねの長い歴史のなかで,最後の「職業的倫理感」ができあがってくるものと思います.皆さんも楽しみにしてください.医療に携わる人間であったことに満足感を覚えることを約束します.
渡邊五朗
はじめに
手術室のスタッフラウンジで一息入れているときに,何気なく壁に張りつけてある新入看護師の自己紹介メモを見ていました.そのなかの3枚に「知識・技術を学びたい,早く身につけたい」という言葉があり,思わず「それだけ?」と声をあげてしまいました.社会に出て仕事を始めるには,目の前にいる患者さんに対して実際に頭と身体を動かさなければなりません.確かに「知識と技術」がその基礎でありますが,私たち先輩が若い人に一番学んで身につけてもらいたいのは,プロの医療人としての「見識」です.「考え方・姿勢・立居振舞・倫理感」といったほうがわかりやすいでしょうか.「知識と技術の基本」は学校で学んでいるはずです.医療の現場においては,病態や患者さんに対する基本的な考え方がいかになされているか,プロとしての医療がどのような世界なのかを身をもって学んでいく必要があります.そこで自らの「知識と技術」を生きたものとして確立していくことができるわけです.初めの時期に基本的な知識・技術・考え方をしっかり身につけた人,さらには生涯学び続ける人は,自ずと立居振舞にも顕れ,それは患者さんにも伝わるでしょう.
本書は,消化器系の患者さんをケアするにあたってのマニュアル本です.しかし単に知識・技術の羅列ではなく,実践に沿った記述を旨としています.ザーッと読み通すよりも,各ケースにあたってまず相当する項目や基礎編を一読みし,さらに一つひとつを確認しながら対処できるよう,かなり詳しい内容になっています.
しかし,実際にそれを活かすには皆さん自らが体験していかなければなりません.たとえば「肝切除術術後の管理」について.肝切除の際の肝切離面にはたいていドレーンを留置しています.術後出血,胆汁漏などのチェックのためです.肝がんの患者さんの多くは肝硬変があって出血傾向もあり,特に手術直後は厳重な観察が求められます.肝切離面などからの出血で,再開腹が必要になるほどの時間単位の大量出血の場合は,留置ドレーンの周囲に凝固血塊が形成されて詰まり気味になり,体外に誘導されるはずのドレーンからの出血量が逆に少なくなる事態が起こることがあります.術後出血の管理は,ドレーンを見ているだけではだめで,患者さんの腹部膨満・頻脈・苦悶感を見てとり,そこで初めて血液検査,画像診断に至るべきなのです.
本書では,看護師を中心にケアについての解説を記述していますが,その基本的な管理の考え方についても医師がすべて校閲を行っています.病態(術後も含め)の考え方をしっかりと身につけたケアを目指してもらいたいと思います.患者さんの一番近くにいる看護という仕事の醍醐味だとも思います.患者さんを何とかよくしてあげたいと思って一所懸命考え,患者さんからは多くのものを教えてもらい,その積み重ねの長い歴史のなかで,最後の「職業的倫理感」ができあがってくるものと思います.皆さんも楽しみにしてください.医療に携わる人間であったことに満足感を覚えることを約束します.
2014年10月
宗村美江子
目次
1章 消化器の基礎知識
2章 疾患別看護
3章 周手術期看護
4章 消化器がん化学療法における看護
5章 消化器疾患患者を支える看護(QOLを高める看護)
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書籍情報
- ISBN:9784521739717
- ページ数:304頁
- 書籍発行日:2014年12月
- 電子版発売日:2025年8月19日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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