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- 皮膚ガスの分析化学 基礎と応用
商品情報
内容
序文
まえがき
読者のみなさんのなかには,よく冷えた朝に外に出てみると人の体の周りから湯気が出ている様子が見えた,という経験をお持ちの方がおられるのではないだろうか.人の体からは,このような水蒸気とともに皮膚ガスという揮発性物質が放出されているが,その実態は十分には明らかになっていない.
本書では皮膚ガスと体の動きにポイントを置き,実証的な結果に基づき推論を進めた.
皮膚表面のはたらきの理解には,まず汗の挙動を把握することが重要と考え,汗の動きとその観察を述べた(第1 章).汗は可視的に観察できる.観察した汗の動きは非常に活動的で,体が生きているさまを実感できる(第4 章).
汗の拍出と同時に,皮膚表面から無機ガス・有機ガス(すなわち,皮膚ガス,第3 章)が直接放出される.それは常時,ビビッドになされているであろうが,現在の技術ではまだほんの少ししか観察できていない.
直接的な皮膚からの揮散映像はエタノールガスの放出に関して,一部成功している(第6 章).しかしながら皮膚ガスは多様で,その揮散プロセスもさまざまである.現在の皮膚ガスの採集方法では,直接的な皮膚からの揮散の動きをコンマ秒以下のスケールで観察することはできていない.それでもより直接的な,実証的な工夫で皮膚ガスをとらえようしてきた.第5 章ではその工夫が述べられている.現在の技術で,体からのガス体の揮散をどこまで求めることができるかを,知っていただきたい.
また,皮膚ガスは体から放出するので,体の健康状態や疾病の初期状態などがわかるはずである.労働環境や生活環境において生体内に取り込まれる物質を測定し明らかにすることで(第7 章),環境からの影響や疾病との関連も推定できるだろう.これまでの研究は,このような皮膚ガスと体の結びつきの解明に関して,一部成功してきている.本書にはその成功の一端を盛り込んだ(第8 章).
皮膚ガス研究はまだ始まったばかりの領域である.人の生業のなかで古くから知られていた現象ではあるが,詳しく測定すると,それは多様なガスよりなっていることが判明してきた.皮膚ガス研究の新たな進展が,本書を読んでいただいた読者から,生まれてくることを期待する.
本書をまとめるにあたり丸善出版株式会社の長見裕子さんには,細部までチェックいただき御礼申し上げる.本企画の提案当初から数年が経過したが,ようやく出版に至ったことに感謝する.
2025年 盛夏
津田 孝雄
目次
1 皮膚ガスの発見と発展
1.1 皮膚ガスの発見
1.2 皮膚表面の観察
1.3 発汗と皮膚ガス
1.3.1 皮下からの化合物の揮散ルート
1.3.2 皮膚ガスは呼気よりもにおいの主体
1.3.3 人からの“におい”が漂う距離:香水を用いた実験
1.4 皮膚ガスの捕集手順と前濃縮
1.5 体からのにおいと病気や食物との関係
2 皮膚ガスの発展史
3 皮膚ガスの種類
3.1 発生由来と発生機構
3.1.1 発生の由来
3.1.2 発生機構
3.2 皮膚ガスのにおい
4 皮膚の構造と皮膚ガスの揮散機構
4.1 皮膚の構造
4.2 皮膚表面の汗腺活動
4.3 皮膚ガスと血液:皮下における末梢血管
4.4 皮膚ガスと末梢神経のネットワーク
4.5 皮膚ガスの発生ルート
4.5.1 皮下からの化合物の揮散ルート
4.5.2 皮膚(経皮)吸収による揮散ルート
5 皮膚ガスの分析化学:微量ガスの補集と測定方法
5.1 皮膚ガスの捕集
5.1.1 手からの捕集
5.1.2 指からの捕集
5.1.3 腕からの捕集
5.1.4 胸部からの捕集
5.1.5 腕からの捕集
5.1.6 足からの捕集
5.1.7 全身からの捕集
5.1.8 水中での捕集
5.1.9 媒体を使用する方法
5.1.10 動物からの皮膚ガスの捕集
5.2 皮膚ガスの測定方法
5.2.1 皮膚ガス捕集の留意事項
5.2.2 クロマトグラフィーによる皮膚ガスの測定方法
5.2.3 微量ガスの濃縮・測定方法
6 皮膚ガスの主要成分:アセトン・エタノール・アンモニア・一酸化窒素
6.1 アセトン
6.1.1 アセトンの測定と濃度変化
6.1.2 アセトンと糖尿病
6.1.3 アセトンと運動
6.2 エタノール
6.2.1 アルコール摂取による皮膚ガス中のアルコール濃度の変化
6.2.2 簡易アルコール検知器による検出:呼気アルコールとの比較
6.2.3 アルコール摂取に伴う蚊の降着の変化
6.2.4 手から放出される皮膚ガスアルコールの三次元測定
6.3 アンモニア
6.3.1 アンモニアの測定
6.3.2 肝疾患における皮膚ガス中のアンモニア濃度の変化
6.3.3 肝疾患における皮膚ガス中のアンモニア測定の優位性
6.3.4 タンパク質の摂取に伴う皮膚ガス中のアンモニアの増加
6.3.5 運動に伴う皮膚ガス中のアンモニアの増加
6.3.6 運動や生命活動に伴うアンモニアの発生機構とオルニチンの関与
6.4 一酸化窒素
6.4.1 一酸化窒素の生体内での役割
6.4.2 一酸化窒素の生理的機能:一酸化窒素の作用
6.4.3 一酸化窒素の測定
6.4.4 血圧と一酸化窒素の濃度
6.4.5 運動と一酸化窒素
6.4.6 動物と一酸化窒素
7 皮膚ガスに見出される環境からの影響
7.1 部屋の空気と皮膚ガス
7.1.1 被験者の皮膚ガスの捕集
7.1.2 部屋ごとに異なる環境の室内空気の採取
7.1.3 住居由来化学成分のヒト皮膚ガスへの遷移
7.1.4 労働環境の異なる被験者の皮膚ガスの比較
7.1.5 住宅環境と皮膚ガス
7.1.6 皮膚ガス中のテルペン類(香料)
8 日常生活における皮膚ガス
8.1 身体活動と皮膚ガス
8.1.1 酵素反応を皮膚ガスの検出に適用
8.1.2 身体部による皮膚ガスの特性
8.1.3 加齢臭の年齢依存性の検証
8.1.4 人の緊張に伴う皮膚ガスの発生
8.2 皮膚ガスと疾病
8.2.1 皮膚ガスのパーキンソン病への適用
8.2.2 皮膚ガスにみるプラスチック可塑剤の体内吸収
8.2.3 皮膚ガスを使った血糖値への非侵襲的なアプローチ
8.2.4 日常生活やごく軽い刺激によって発生する皮膚ガス
9 終章:これからの展望
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書籍情報
- ISBN:9784621309025
- ページ数:192頁
- 書籍発行日:2025年8月
- 電子版発売日:2025年8月13日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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