小児白血病の最新診療<小児診療Knowledge&Skill 1巻>

  • ページ数 : 216頁
  • 電子版発売日 : 2025年8月19日
¥9,350(税込)
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商品情報

内容

5年生存率94%超を達成した小児急性白血病のプロトコールがつなぐ物語
重篤な疾患に特定の遺伝子が胎生期から関わっていることをふまえると,小児科ほど分子生物学が必須な領域はない.小児白血病によって拓かれたmolecular pathobiologyの扉が小児診療の本質を提供.

序文

「白血病(leukemia)」という用語は,ギリシャ語の“leukos(白い)”と“haima(血液)”に由来します.1845年,ドイツの病理学者Rudolf Virchow は,慢性骨髄性白血病の患者を剖検した際,著明な脾腫とともに白血球の著増および貧血を認め,これを“weisses Blut(白い血液)”と表現しました.そして2年後の1847年には,「白血病(Leukämie)」という病名の使用を提唱しました.その後,1877年にドイツの医学生PaulEhrlich が血球の染色法を発見したことで血液形態学が飛躍的に進展し,現在の白血病の分類(急性リンパ性白血病,急性骨髄性白血病,慢性骨髄性白血病,慢性リンパ性白血病)につながりました.

治療の面では,1940年代にボストンの病理学者Sidney Farber が小児白血病に葉酸代謝拮抗薬アミノプテリンを使用したことを皮切りに,抗がん剤の開発が相次ぎ,化学療法が大きく発展しました.さらに,1957年にはシアトルのE.Donnall Thomas(1990年にノーベル生理学・医学賞を受賞)が造血細胞移植を開始し,1980~1990年代以降には白血病治療の標準的手法として広く普及しました.このような治療の進歩により,白血病は“不治の病”から“治癒可能な疾患”へと変貌を遂げたのです.

そしていま,分子生物学の著しい進歩により,診断技術・病態理解・治療法はいっそう高度化しています.分子標的薬や免疫療法,ゲノム解析,人工知能(AI)などの新たな技術が小児白血病の診療に実装されつつあり,私たちは白血病診療の“とてもおもしろい時代”に立ち会っていると言えるでしょう.

白血病は小児期に最も多い悪性腫瘍であり,この半世紀で生存率は大きく向上しました.ただし,それは一夜にして達成されたものではありません.先人たちの血のにじむような試行錯誤と努力,そして国内外の多施設共同研究グループによる継続的な臨床試験の積み重ねが,この進歩を支えてきたのです.

みなさんが白血病を患う子どもたちの担当医となるとき,治療プロトコールに沿って診療を進めていくことでしょう.その際には,ぜひ本書を手に取ってみてください.本書には,白血病診療に携わる多くのエキスパートの先生方によって執筆されたknowledge& skill が詰まっています.小児白血病の初学者にとっても,あるいはすでにたくさんの経験を重ねてきたベテランの医療者にとっても,プロトコールの背後にある歴史,思考,哲学に触れることができ,白血病診療の本質的なおもしろさを感じ,新たな知識と技術を次なる飛躍へとつなげるためのヒントが詰まった,そのような一冊です.


2025年5月

富澤大輔
国立成育医療研究センター小児がんセンター 診療部長

目次

1章 急性リンパ性白血病(ALL)

分子病態の解明がもたらす進展

 ALLの分子遺伝学 (加藤元博)

 MRDとリスク層別化 (飯島友加,真田 昌)

病型ごとの診断・治療戦略

 B前駆細胞性ALL (康 勝好)

 T細胞性ALL (大嶋宏一)

 フィラデルフィア染色体陽性ALL (佐藤 篤)

 乳児ALL (宮村能子)

 Down症候群のALL (岡本康裕)

 AYA世代のALL (山﨑悦子)

 再発小児ALL (豊田秀実)

ALL治療の温故知新:既存治療の最適化と新規治療の導入

 アスパラギナーゼ (矢野未央)

 大量メトトレキサート療法 (宮崎文平)

 中枢神経白血病治療 (牛腸義宏)

 維持療法 (荒川ゆうき)

 造血細胞移植 (坂口大俊)

 免疫療法 (加藤 格)

2章 急性骨髄性白血病(AML)

 WHO分類とICC分類 (富澤大輔)

 Down症候群関連骨髄性白血病 (中島健太郎,中山秀樹,大賀正一)

 急性前骨髄球性白血病 (青木孝浩)

 de novo急性骨髄性白血病 (辻本信一)

 生殖細胞系列変異を伴う骨髄性腫瘍 (吉田奈央)

 細胞傷害性治療後の骨髄性腫瘍 (山田 愛,盛武 浩)

 アントラサイクリン関連心毒性 (福島紘子)

3章 骨髄異形成症候群・骨髄増殖性疾患

 骨髄異形成症候群 (長谷川大輔)

 若年性骨髄単球性白血病 (村松秀城)

 慢性骨髄性白血病 (遠野千佳子)

4章 小児白血病治療の支持療法

 小児白血病の感染管理 (松井俊大)

 小児白血病治療のその他の支持療法 (大曽根眞也)

5章 小児白血病の長期フォローアップ

 小児白血病の長期フォローアップ (大園秀一)

6章 最新トピックス

 白血病のゲノム医療 (関口昌央)

 白血病診療とAI (加藤元博)

 小児白血病研究の国際データベースプロジェクト (田野島玲大,松林 潤,田中司朗,富澤大輔)

 低中所得国(LMICs)における白血病診療 (嘉数真理子)


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書籍情報

  • ISBN:9784521751412
  • ページ数:216頁
  • 電子版発売日:2025年8月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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