高血圧管理・治療ガイドライン2025

  • ページ数 : 304頁
  • 書籍発行日 : 2025年8月
  • 電子版発売日 : 2025年8月29日
¥4,180(税込)
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内容

最新のエビデンスを踏まえ,6年ぶりに改訂!

日本の高血圧者は約4,300万人といわれています。放置しておくと動脈硬化が進行し,脳卒中や心臓病,腎臓病など重大な病気になる危険性が高まりますが,治療によって血圧が良好にコントロールされているのはわずか27%程度と,主要経済国のなかの最低レベルの血圧管理状況です。

これについて,高い血圧を下げるメリットが国民に十分に理解されていない,医療者においても高い血圧に対して積極的な対応が十分にはなされていないなどの問題点が指摘されており,今回の改訂では医学的な基本事項や最新のエビデンスの説明のみを記載するのではなく,国民,患者,医療者が血圧を下げる行動につながるガイドラインにすることを作成方針に掲げました。

教科書的解説文と19項目のClinical Question(CQ),11項目のQuestion(Q)からなる第1章~第16章を,読者対象を考慮して3部構成とし,国民・実地医家・専門医それぞれに対して「誰が,誰に,どのように」管理・治療すべきかを明示し,実地臨床のあらゆる場面に即したアプローチを可能にしています。

最新のエビデンスを土台としつつ,「実装」を目指して再構築された本ガイドラインは「未来を変えるための実践書」であり,すべての高血圧診療に携わる人々の手に託された「行動の羅針盤」そのものです。

学会が総力をあげて議論を重ねた高血圧管理・治療ガイドライン2025,6年ぶりの改訂です!

序文

序文

高血圧は,国民において最も有病率の高い疾病の1つです。我が国においても,公衆衛生的な対策や生活習慣病の1つとしての診療方法などがさまざまなレベルで検討され,実施されてきました。一方,学術的にも,疫学・公衆衛生の研究,血圧評価に関する研究,薬物の開発やその効果に関する研究などが行われて,高血圧に対する有効な評価法や治療法はほぼ確立したものになってきました。

日本高血圧学会では,それらの内容を高血圧治療ガイドラインとしてまとめ,2000年から,ほぼ5年おきに作成してきました。今回は2019年に引き続く改訂となります。しかし,ガイドラインにまとめられている内容が,今日必ずしも国民に幅広く還元されているとはいえません。実際に,国民の血圧管理状況は,主要経済国の中で最低レベルです。その要因としては,高い血圧を下げるメリットが十分に国民に理解されていないこと,医療者においても高い血圧に対して積極的な対応が十分にはできていないことなどが指摘されてきました。今回の改訂では,そのような状況を改善するために,医学的な基本事項や最新のエビデンスの説明のみではなく,国民,患者,医療者の,血圧を下げる行動につながるようなガイドラインにするという作成方針を取りました。

具体的には,ターゲットとなる対象者を明確にすること,利用者を明確にすること。エビデンスについても,望ましいことを示すだけではなく,具体的な行動につながるものを多く取り上げました。また,推奨内容についても,可能な限りシンプルでわかりやすいものにしました。さらに,一般の高血圧患者について記載している第2 部では,高血圧診療の主体となっている実地医家,すなわち診療所で診療を行う医師,とくに,高血圧・循環器・腎臓・内分泌・老年科等の専門医ではない医師,さらに非内科の医師,チーム医療に関わる医療者を利用者として,これらの対象者が理解しやすい内容となるように心がけました。また,国民に広く理解していただくために,作成の初期の段階から,市民代表,患者代表,また,実地医家代表に加わっていただき,ご意見をいただきました。さらに,新しい試みとして,高血圧の正確な情報を国民に知っていただくために,ガイドラインから基本的な事項を抜粋し「『高血圧』の10 のファクト」をまとめ,付録としました。従来ガイドラインに準拠して作成している一般向け解説冊子とともに利用していただくことを想定しています。

この高血圧管理・治療ガイドラインを利用していただくために,日本高血圧学会は日本高血圧協会とともに主体となり,多くの関連学会,団体,行政と協力していく方針です。このガイドラインが幅広く利用され,国民の血圧管理状況が改善されることを強く祈念しています。なお,このガイドライン作成は,Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020 ver.3.0,日本医学会 診療ガイドライン策定参加資格基準ガイダンス2023 に準拠して行われました。その内容については序章に記載しています。また,作成に関われた委員会の全ての委員の皆様,また,事務,出版社の皆様の素晴らしい作業に心より感謝申し上げます。


2025年8月

日本高血圧学会高血圧管理・治療ガイドライン委員会
委員長 大屋 祐輔

目次

第1部:国民の血圧管理

第1章 高血圧の疫学

第2章 血圧スクリーニング

第3章 国民の生活習慣改善

第4章 社会全体での対策

第2部:高血圧患者の管理・治療

第5章 血圧測定と臨床評価

第6章 管理および治療の基本

第7章 生活習慣の改善

第8章 薬物治療

第9章 高血圧性臓器障害の診断と高血圧治療

第10章 他疾患やライフステージを考慮した対応

第11章 コントロール不良の高血圧

第3部:特殊な病態および二次性高血圧の管理・治療

第12章 治療抵抗性高血圧

第13章 周産期女性の高血圧

第14章 小児領域の高血圧

第15章 二次性高血圧

第16章 特殊な病態の高血圧

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書籍情報

  • ISBN:9784897755038
  • ページ数:304頁
  • 書籍発行日:2025年8月
  • 電子版発売日:2025年8月29日
  • 判:A4変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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