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肝臓クリニカルアップデート 2025年7月号(Vol.11 No.1)【特集】肝疾患診療:Cutting edge

  • ページ数 : 106頁
  • 書籍発行日 : 2025年7月
  • 電子版発売日 : 2025年9月3日
¥4,400(税込)
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商品情報

内容

【特集】肝疾患診療:Cutting edge
B型肝炎の最新治療/自己免疫性肝疾患 up to date/代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)の診断基準と疫学・自然経過─疾患の再定義で何が変わるか?─ ほか

序文

肝疾患診療:Cutting edge 序文


本特集「肝疾患診療:Cutting edge」では,各分野の第一線で活躍する専門家により,最新の知見と臨床応用の展望を解説いただきました。

まず,「B型肝炎の最新治療」では,核酸アナログを中心に現在開発中の薬剤についても取り上げていただき,またいわゆるグレーゾーンに対する対応についても各国のガイドラインと比較しながら解説いただきました。

「自己免疫性肝疾患up to date」では,原発性胆汁性肝硬変(primary biliary cirrhosis:PBC)と自己免疫性肝炎を中心に最新の診断と治療を解説いただいております。PBCではPPARアゴニストなど新たな治療選択肢を紹介し,AIHではPSL長期投与による副作用軽減を目指した第二選択薬の使用など,予後改善に向けた個別化治療の重要性を示していただきました。

「代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)の診断基準と疫学・自然経過─疾患の再定義で何が変わるか?─」では,非アルコール性脂肪性肝疾患(nonalcoholic fatty liver disease:NAFLD)から代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(metabolic dysfunction associated steatotic liver disease:MASLD)への名称変更の背景を解説し,心代謝系リスク因子を診断基準に組み込む意義を議論,肥満非依存型や高齢者例など日本の実態に即した診療の重要性を強調し,全身疾患としての包括的管理を提案していただいております。

「MASH治療の将来展望」では,代謝機能障害関連脂肪肝炎(metabolic dysfunction associated steatohepatitis:MASH)治療の最前線を概説。FDA承認を得たレスメチロムをはじめ,GLP-1受容体作動薬やSGLT2阻害薬など糖尿病薬の応用,現在進行中の臨床試験を紹介し,線維化抑制と長期安全性を視野に入れた将来的治療戦略を示していただきました。

「肝硬変診療ガイドライン改訂に向けて」では,次期2026年版ではイベント抑制を重視したトータルマネジメントを目指す方向性を解説。病態基準を海外ガイドラインと整合させつつ,日本の実臨床に即した内容を模索する改訂の課題と展望を示していただきました。また「肝不全の最新情報」では,急性肝不全・遅発性肝不全(late on-set hepatic failure:LOHF)を含む最新疫学や病態の変化を概説いただいております。

「肝癌における基礎研究の進歩─肝癌サブタイプ分類と免疫回避メカニズム─」では,肝癌のオミクス解析に基づく分子サブタイプ分類を整理し,免疫回避機構を含む癌微小環境の理解を深め,サブタイプ別の分子標的療法や免疫療法開発の方向性を提示し,個別化医療への発展を支える基礎研究の最前線を解説いただきました。

「肝細胞癌の集学的治療」では,近年進歩した薬物療法と外科治療,アブレーション,TACEなどを組み合わせた集学的治療を解説。「切除不能」,「conversion therapy」の定義を統一し,腫瘍学的切除可能性分類を用いた治療戦略の最適化を目指す取り組みを紹介していただいております。

「肝内胆管癌診療の最新情報」では,small duct typeとlarge duct typeの病理学的分類を含む生物学的特徴を概説。薬物療法では胆道癌治療を基礎に遺伝子異常に基づく個別化治療が進展しており,適切な遺伝子検査のタイミングの重要性について解説いただきました。

「放射線診断におけるAIの進歩と肝疾患診療への応用」では,AIによる画像診断支援の進歩を概説。

CT・MRIの画質向上,肝腫瘍自動検出・鑑別などを含む応用例を紹介し,診断負担軽減,標準化,精度向上を通じて肝疾患診療の質の向上を目指す将来展望を放射線科医の視点から解説いただいております。

また,連載コーナーでは,進行肝癌に対する免疫複合療法について,抗CTLA-4抗体や抗VEGF抗体の併用に関する実臨床での判断のあり方を経験豊富な専門家に解説いただきました。また,薬物療法における治療効果予測について臨床家と病理医の立場から解説いただいております。新しい診断・薬の情報コーナーでは,GIP/GLP-1受容体作動薬やヒスチジン亜鉛水和物を取り上げ,肝疾患対策については,山形県の現状を報告いただき,エキスパート外科医コーナーでは肝門部胆管癌に対する肝移植という意欲的な試みについて解説いただいております。

本号が,日々変化し続ける肝疾患診療の「いま」を捉え,医療現場で奮闘される多くの医師・医療従事者の明日への指針となることを願ってやみません。


建石 良介
東京大学大学院医学系研究科消化器内科学

目次

特集 肝疾患診療 : Cutting edge

序文

東京大学大学院医学系研究科消化器内科学 建石 良介

1.B型肝炎の最新治療

熊本大学大学院生命科学研究部生体機能病態学分野消化器内科学講座 渡邊 丈久,他

2.自己免疫性肝疾患 up to date

福島県立医科大学消化器内科学講座 阿部 和道,他

3.代謝機能障害関連脂肪性肝疾患(MASLD)の診断基準と疫学・自然経過─疾患の再定義で何が変わるか?─

虎の門病院肝臓内科 芥田 憲夫

4.MASH治療の将来展望

横浜市立大学大学院医学研究科肝胆膵消化器病学教室 岩城 慶大,他

5.肝硬変診療ガイドライン改訂に向けて

山梨大学大学院総合研究部医学域内科学講座消化器内科学教室 土屋 淳紀

6.肝不全の最新情報

山口大学大学院医学系研究科消化器内科学 川本 大樹,他

7.肝癌における基礎研究の進歩─肝癌サブタイプ分類と免疫回避メカニズム─

東京科学大学医学部分子腫瘍医学分野 谷合 智彦,他

8.肝細胞癌の集学的治療

東京大学肝胆膵外科 市田 晃彦,他

9.肝内胆管癌診療の最新情報

がん研究会有明病院肝胆膵内科 佐々木 隆

10.放射線診断における AIの進歩と肝疾患診療への応用

神戸大学医学部附属病院放射線診断・IVR科 祖父江慶太郎,他

連載

若手に役立つ議論・オピニオンリーダーからのメッセージ

・進行肝細胞癌に対する免疫療法:抗 CTLA-4抗体併用が望ましいケース

千葉大学大学院医学研究院・医学部消化器内科学 小笠原定久

・進行肝癌に対する免疫複合療法:抗 VEGF併用が望ましいケース

近畿大学病院消化器内科 上嶋 一臣

画像診断と病理

・Imaging biomarkerによる薬物療法治療効果予測の可能性

埼玉医科大学総合医療センター消化器・肝臓内科 川村 祐介

・薬物療法の治療効果予測:病理

慶應義塾大学医学部病理学教室 紅林  泰

新しい診断・薬の情報

・GIP/GLP-1受容体作動薬(チルゼパチド,マンジャロ®)

東京女子医科大学消化器内科 小木曽智美

・ジンタス(一般名:ヒスチジン亜鉛水和物)

奈良県立医科大学消化器内科学講座 佐藤 慎哉,他

各都道府県における肝疾患対策取り組みの現状

・山形県における肝炎対策の現状

山形大学医学部内科学第二講座 / 山形大学医学部附属病院肝疾患相談室 芳賀 弘明,他

エキスパート外科医に聞いてみよう

・切除不能な肝門部領域胆管癌に対する肝移植:Transplant oncologyがもたらす paradigm shift

熊本大学大学院生命科学研究部小児外科学・移植外科学講座 / 熊本大学病院移植医療センター 日比 泰造

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書籍情報

  • ISBN:9784865176476
  • ページ数:106頁
  • 書籍発行日:2025年7月
  • 電子版発売日:2025年9月3日
  • 判:A4判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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