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医学のあゆみ294巻10号 分子基盤に基づくメカノバイオロジーの臨床応用最前線

  • ページ数 : 120頁
  • 書籍発行日 : 2025年9月
  • 電子版発売日 : 2025年9月3日
¥2,970(税込)
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商品情報

内容

・「メカノバイオロジー」は2015年に「AMED-CREST/PRIME メカノバイオ(略称)」が発足して以降,研究者数が急速に増加し,現在はまさに成長期にある.
・日本のメカノバイオロジーは医系研究者の層が厚く,そのさらなる発展には分子・細胞レベルの基礎研究との連携が鍵となる.基礎と応用の隔たりはまだ大きいが,それは今後の発展の余地ともいえる.
・本特集では,分子センサーと疾患の連関,組織レベルでのメカノ応答,メカノバイオロジーの臨床応用やウェアラブルデバイスによる疾患の診断・予防・治療の役割など,各著者の成果を中心とした基礎研究と臨床研究に関して,鮮度の高い情報を5章にわたってまとめる.

序文

はじめに


伸展活性化チャネルの発見(1984年)に端を発した「メカノバイオロジー」は,2010年以降急速に発展し,今年で42年目を迎える.わが国では2015年に「AMED-CREST/PRIMEメカノバイオ(略称)」が発足し,約70億円に上る事業が2024年に終了した.この間に国内研究者数はおそらく10倍以上に増加し,現在はまさに成長期にある.本特集はその一端を紹介するものである.

日本のメカノバイオロジーの特徴は医系研究者の層の厚さにあり,そのさらなる発展には分子・細胞レベルの基礎研究との連携が鍵となる.本特集では,各著者の成果を中心とした基礎研究(前半3章)と臨床研究(後半2章)に関する鮮度の高い情報がまとめられている.

メカノバイオロジーの中核はメカノセンシング(力覚)であり,その主役はメカノセンサー分子である.第1章では,Piezoチャネル,TRPチャネル,細胞骨格・接着構造や脂質膜などの分子センサーの活性化機構および疾患との連関が詳述されている.他方,第2章は心疾患,腎疾患,筋萎縮,関節症,疼痛,がん悪性化のメカノバイオロジー機構を探るトップダウン的研究の報告である.組織レベルのメカノ応答では,細胞間および細胞外マトリックスや体液との力学的な交互作用が要となる.第3章の胚発生・形態形成,神経回路形成,血管新生・再生,骨格筋維持・再生,および線維化における多様で複雑な仕組みの解析に注目されたい.

第4章では,運動療法,理学療法,リンパ系の臨床応用,人工腱や義手の開発が,メカノバイオロジーを通して科学的基盤を獲得しつつある様子を感じ取ってほしい.最終第5章は発展が目覚ましい超音波技術による,心疾患・アルツハイマー病や前立腺癌の治療,声帯上皮の応答解析,ウェラブル超音波機器開発の紹介である.非侵襲で低コストの小型機器が多様な疾患の診断,予防,治療に果たす役割は大きい.ADL,QOLの向上のみならず,爆増する医療費を削減する意味でも戦略的に展開すべき技術である.分子標的を見据えた化学的治療との統合をもとに,精確なハイブリッド医療技術への展開を期待したい.

全体を通して基礎と応用の隔たりはなお大きいが,それは今後の発展の余地でもある.本誌を手がかりにして読者自身がその橋渡しの思考実験を愉しみ,さらには実践参入されることを願ってやまない.


曽我部正博
金沢工業大学人間情報システム研究所

目次

第1土曜特集 分子基盤に基づくメカノバイオロジーの臨床応用最前線

はじめに  曽我部正博

メカノセンシングの分子基盤と疾患

PIEZOチャネルと疾患  田中智弘・野々村恵子

生体の機械受容応答におけるTRPV2の役割  片野坂友紀・片野坂公明

焦点接着斑と接着結合の力学状態による細胞増殖の制御─がん細胞増殖との関連  平田宏聡・他

ずり応力センシングと疾患  山本希美子

メカニカルストレスに起因する疾患─治療標的の同定に向けて

心臓におけるメカニカルストレス応答機構とその破綻による心不全発症のメカニズム  伊藤正道

高血圧および高血圧性腎障害の病態生理におけるメカノチャネルPiezoの役割─臓器障害的か臓器保護的か?  長瀬美樹・長瀬 敬

筋萎縮・サルコペニア  内田貴之・二川 健

変形性関節症と関節のメカノバイオロジー  齋藤 琢

メカニカルストレスと疼痛  水村和枝

がん間質の線維化およびがん物理的特性の制御機構と臨床応用  張 涵威・他

発生・再生・修復のメカノバイオロジー

発生・形態形成のメカノバイオロジー  近藤武史

神経回路形成を担うメカノバイオロジー機構  嶺岸卓德・稲垣直之

血管新生のメカノバイオロジー  福原茂朋

メカノバイオロジーを基軸とする,骨格筋の恒常性維持機構  平野航太郎・他

線維化のメカノバイオロジー  渡邊颯人・仲矢道雄

次世代メカノセラピーの開発

運動とマイオカイン分泌,運動療法への応用の可能性  眞鍋康子・藤井宣晴

理学療法の分子基盤  前重伯壮・他

治療に役立つリンパ系のバイオレオロジー特性  大橋俊夫・河合佳子

メカノバイオロジーを用いた人工腱・靭帯の開発  中村皓平・他

持続性適応機能を有するサイボーグ義手の開発  横井浩史・矢吹佳子

超音波医療の最先端

循環器領域と神経領域における低出力パルス波超音波治療の開発  進藤智彦・下川宏明

前立腺癌に対する超音波照射治療  重村克巳

声帯粘膜に対する超音波振動圧刺激の応答解析  高田弘弥・他

超音波医療技術の将来展望─ウェアラブル超音波を中心として  東 隆

次号の特集予告

サイドメモ

Yoda1

足細胞(ポドサイト)

腎線維化・腎硬化をもたらす間葉系細胞

電位依存性Naチャネル(Nav)

用語解説(Shootinファミリー,Catch bond)

筋細胞と筋線維

マイオカインとしてのIL-6

遅筋線維と速筋線維

腱・靱帯損傷の保存療法

自家腱移植

虚血性心疾患

アルツハイマー病(AD)

医療における経時的モニタリングの意義

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書籍情報

  • ISBN:9784006029410
  • ページ数:120頁
  • 書籍発行日:2025年9月
  • 電子版発売日:2025年9月3日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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