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商品情報
内容
心臓外科医の真鍋晋医師と循環器内科医の香坂俊医師が循環器診療をめぐり、外科・内科双方の観点から心臓血管疾患を論じた画期的な一冊。カテーテル治療 vs. 外科手術、軍配はどちらに!? 心臓外科医、心臓血管外科医はもちろんのこと、循環器内科医や若手医師必読の内容です。心臓血管疾患との闘いの中、心臓手術を戦略的に駆使しよう!
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序文
監修者・まえがき
きょく ろん【極論】
(1)極端な議論.また,そのような議論をすること.極言.
(2)つきつめたところまで論ずること.
[大辞林 第四版(三省堂)より]
真鍋先生と初めてお会いしたのは,もう10年以上も前の学会での教育セミナーだったと記憶しています.その時の印象が鮮明なのは,他の心臓外科医の先生方が
「年間150 例,いや昨年は200 例の開心術を行った」
「この症例は自分の施設ならば問題なくできますよ」
といった具合に,自信満々の(若干腕自慢な)コメントが飛び交う中で,真鍋先生だけが
「その症例は手術適応が本当にあるのでしょうか」
「大動脈壁の分子的な構造を考えると…」といった,論理的な視点で議論を深めていたからです.その姿には,新鮮な驚きを覚えました.
以来,様々な場面でご一緒する機会に恵まれましたが,このたび3年間の月日をかけて,「極論で語る」シリーズの心臓外科編を真鍋先生に執筆いただけました.その内容はまさに真鍋先生の真骨頂ともいうべき,徹底した論理性と科学的視点が存分に発揮された内容に仕上がっているのではないかと思っています.
中でも,私が読者の皆様に特におすすめしたいのが「感染性心内膜炎」( 5 章)と「僧帽弁閉鎖不全症」「僧帽弁形成術」(3,4 章)の章です.感染性心内膜炎の章では,日常診療で無意識のうちに抱いてしまいがちな,いわゆる「Myth(思い込み)」に鋭く切り込み,明快かつ納得のいく説明がなされています.また,僧帽弁の章では,弁の老化に関する理解が飛躍的に深まり,心臓外科医ならではの基礎研究の鋭い解釈に感動を覚えました.きっと読者の皆様にも新たな発見があることと思います.
ぜひ本書を通じて,心臓外科医の視点からの「ロジカル」な循環器診療に触れていただければ幸いです.
2025年7月吉日
監修者 香 坂 俊
著者・まえがき
30年近く,心臓外科医として働いてきました.ここまでの臨床の日々では,心臓手術の「リアルな姿」が認識されていない.そう感じずにはいられない場面にしばしば遭遇しました.例えば,
「80 歳と高齢ですが,冠動脈バイパス手術は大丈夫ですか?」また別の機会には,
「左室駆出率35%と心機能が悪いのですが,大丈夫ですか?」こうした相談の背景には,高齢や低心機能では,心臓手術という修羅場を乗り切ることは難しい,といったイメージがあるようです.
試しにそれぞれのケースで,手術リスクを比較してみましょう.EuroSCOREⅡというリスク評価法を用いれば,いくつかの項目をインターネット上で入力するだけで,最新の欧州レジストリーデータで,どの程度の死亡リスクとなるかが算出されます.
冠動脈バイパス手術リスク 60 歳男性 0.50%
80 歳になると 0.88%
左室駆出率35%では 0.68%
このように手術リスクに差はあまりなく,いずれのケースでも99%以上の確率で手術を生き延びることができます.つまりリアルな姿では,
心臓手術は,世間のイメージよりもずっと安全
なのです.安全面だけなく,治療効果の面でも様々な誤解があります.息切れがひどく,歩くことすらままならない状態では,手術をしても元には戻れない,そう諦められがちです.ところがいざ手術を終えると,体力はみるみる回復し,元気に歩いて退院していく.こうした姿を,この30年間で何度も目にしてきました.つまりリアルな姿では,
心臓手術は,世間のイメージよりもずっと効果的
でもあるのです.
本書では,こうした心臓手術の「リアルな姿」を,外科医目線で描くことを目的としています.リアルな姿の描写には,2 つの側面を意識しました.第一の側面は「病態」です.目に見えるマクロな視点だけでなく,組織学や分子生物学に基づくミクロな視点からも,手術の治療原理を可視化しました.もう一つの側面は「疫学」です.治療原理がいくら立派でも,実際の診療で再現できなければ,それは絵にかいた餅にすぎません.介入試験や観察研究といった多数のエビデンスを網羅しました.
臨床業務に疲れていても,気軽に読み進めてもらえるよう,わかりやすい表現を心掛けました.この点では,香坂先生と龍華先生に大いに助けていただきました.香坂先生に添削をしてもらうと,「極論」構文とも呼ぶべきスタイルにブラッシュアップされ,その読みやすさには何度も感心しました.また,龍華先生はとてもやさしいタッチのイラストを描いてくださりました.心臓手術という堅苦しい内容に,幾分でも親しみを感じてもらえたとしたら,それは2人の先生のおかげだと思います.執筆の途上,何度も論文探索の沼にはまり,一向に先に進まないことがありました.なんとか出版まで漕ぎつくことができたのは,その都度執筆モードにスイッチを切り替えてくれた,丸善出版の程田さんのおかげです.
この場をお借りして,みなさんには深く御礼を申し上げます.
これから展開される「心臓外科医の極論」には批判もあると思います.しかし,批判をきっかけに見識を深めることが何より大事だと考えています.その結果,みなさんの心の中に描かれる心臓手術のイメージが,よりリアルな姿に近づくことができたとしたら,僕自身にとってこれ以上の喜びはありません.
2025年7月吉日
著者 真 鍋 晋
目次
序章[Prologue]
第1部:外科医が捉える心臓弁膜症
1章 大動脈弁狭窄症[Aortic Stenosis;AS]
極論1 ASは小ぶりでゴリっと硬く,MRはでっかくフニャと柔らかい
極論2 木を見つつ森も見る,弁病変だけでなく体全体に着目する
極論3 魔の手が周囲臓器に及ばない前に手術を考える
コラム1 心臓弁膜症は弁だけの病気ではない
2章 大動脈弁置換術[Aortic Valve Replacement;AVR]
極論1 人工弁か? 生体弁か? それが問題だ
極論2 人工弁の過酷な日常を知る
極論3 人工弁の選択は長い,長いスパンで考える
極論4 結局重要なのは本人の価値観
コラム1 生体弁の寿命は延びているが… / コラム2 PPMの頻度
3章 僧帽弁閉鎖不全症[Mitral Regurgitation;MR]
極論1 僧帽弁閉鎖不全症は十人十色
極論2 二次性MRを伴う心不全の管理はとても不安定
極論3 一次性MRは病態の進行を止めるため,二次性MRは負の連鎖を断ち切るため外科治療を行う
4章 僧帽弁形成術[Mitral Valve Plasty;MVP]
極論1 本来有する優れた弁機能を最大限回復させる
極論2 ラムネ瓶とラムネ玉で正常僧帽弁の仕組みを知る
極論3 粘液腫様変性も十人十色
極論4 逆流の要素を見極め, 術式を選ぶ
コラム1 MRで用いられる様々な用語
5章 感染性心内膜炎[Infection Endocarditis; IE]
極論1 治療成功の分水嶺は思い切った決断
極論2 感染性心内膜炎は「どれほど重篤か?」を知る
極論3 抗菌薬療法はどこまで有効か?(万能ではない)
極論4 外科治療は有効,もっと手術適応すべき
極論5 一般的な手術に踏み切るタイミングは入院から7日以内
コラム1 細菌は抗菌薬からどう身を守っている?
第2部:外科医が捉える冠動脈疾患
6章 安定冠動脈疾患[Stable Coronary Artery Disease;SCAD]
極論1 血管造影の「クセ」を意識して三次元の所見を考える
極論2 狭窄を広げてもハードエンドポイントは減っていない
極論3 抜け穴の存在が効果を薄めている
極論4 狭さより脆さがキモ
極論5 「新しい道(バイパス)をつくる」ことの意義
7章 冠動脈バイパス術[Coronary Artery Bypass Graft;CABG]
極論1 多彩なアレンジで個々の患者の特性に対応する
極論2 手術の質はオフポンプ > オンポンプとは一概にいえない
極論3 グラフトデザインに外科医のこだわりが具現化する
極論4 PCI vs. CABGではdistal protectionでCABGに利がある
コラム1 グラフトデザインに用いられる用語 / コラム2 エビデンスに基づく理想的な術式とは何か?
第3部:外科医が捉える大動脈疾患
8章 大動脈瘤[Aortic Aneurysm]
極論1 動脈瘤は雪だるま式に拡大する
極論2 まずは血管壁構造の維持・管理システムを知る
極論3 遺伝性大動脈疾患は「維持・管理のシステム障害」
極論4 外科治療は瘤径6cmを基準に包括的に評価する
9章 急性大動脈解離[Acute Aortic Dissection]
極論1 解離の予後はいまなお厳しい
極論2 解離疑い探索力を駆使して迅速に造影CTを決断
極論3 解離の術式は短期と長期予後のトレードオフ
極論4 臓器虚血を見逃さない
コラム1 急性大動脈診療における最大の難関:腹部臓器虚血
10章 カテーテル治療 vs.外科手術[Catheter Treatment vs. Cardiac Surgery]
極論1 治療の特質を「多角的に」理解する
極論2 最良の根拠を「思慮深く」活用する
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書籍情報
- ISBN:9784621311752
- ページ数:208頁
- 書籍発行日:2025年9月
- 電子版発売日:2025年9月24日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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