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別冊「医学のあゆみ」 細胞を用いた再生医療 臨床展開の現状と今後の展望

  • ページ数 : 160頁
  • 書籍発行日 : 2025年9月
  • 電子版発売日 : 2025年9月19日
¥5,720(税込)
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商品情報

内容

「どのような病態にどのような再生医療が適切か?」を考える時代を迎えた今日,
再生医療の臨床展開を領域横断的に俯瞰できる一冊.

●製造販売承認された再生医療等製品は20品目を超え,保険収載が着実に進んでいる.
●2000年からの“再生医療1.0”では自己由来細胞・シート技術の応用が進み,2015年からの“再生医療2.0”では他家由来細胞,ES細胞・iPS 細胞,オルガノイドの応用が進んできた.これからの“再生医療3.0”では,産学官連携による国際標準化戦略やエクソソーム応用まで,さらなる新展開が期待される.
●間葉系間質(幹)細胞12稿,組織幹細胞・シート・オルガノイド4稿,ES細胞・iPS細胞8稿の計24稿を通じて,多様な領域・疾患における国内の再生医療の開発・応用状況を幅広く解説.

序文

はじめに
再生医療3.0:真心のこもった再生医療の実現

国内にて,製造販売承認されている再生医療等製品は現在20品目になります(2025年7月現在).着実に再生医療等製品の保険収載が進んでいる状況です.さまざまな再生医療についての臨床試験,開発も進んでおり,現在は初期の再生医療の開発段階から多様な段階に入ったと考えています.そのようななか,2024年3月,第23回日本再生医療学会総会を“心―Compassion“をテーマに開催させていただきました.過去の23回を振り返ると,“難治性疾患に対する医療”という再生医療に対する初期の考えから進展して,応用分野も広がり,さまざまな基礎,臨床研究が推進され,今では“どのような病態にどのような再生医療が適切か?“を考える時代になったと考えています.私自身は,“真心のこもった再生医療=安心,安全,効果が明確で国際競争力のあるもの”と考え,研究開発を進めています.そして今回,本書『細胞を用いた再生医療―臨床展開の現状と今後の展望』を発行しました.間葉系間質(幹)細胞を用いたもの12稿,組織幹細胞,オルガノイド,細胞シートを用いたもの4稿,ES細胞を用いたもの1稿,iPS細胞を用いたもの7稿をご覧になることで,国内において多様な再生医療の開発が行われていることがわかるかと思います.

日本においては,再生医療等安全性確保法,薬機法における早期承認制度,それをふまえたNRMD(再生医療等データ登録システム)も整備されています.これらは,日本が世界に先駆けて開始したもので,国内の再生医療開発を推進する大きな力になったと考えています.

“再生医療1.0“が2000年から,“再生医療2.0”が2015年から,“再生医療3.0“が2030年からとすると,“再生医療1.0”では自己由来細胞,シート技術の応用が進み,“再生医療2.0“では他家由来細胞,ES細胞,iPS細胞,オルガノイドの応用が進んできたと考えています.“再生医療3.0”を目指し,日本が世界のなかで再生医療をリードするには,産学官の連携,および次世代の医療技術の国際的な標準化を主導する戦略が重要になると考えます.また,再生医療認定医制度,各臨床培養士制度など,国内でつくってきた教育コンテンツを通じて海外と交流していく必要があると考えています.間葉系間質(幹)細胞の領域においては,間葉系間質(幹)細胞から分泌される細胞外小胞“エクソソーム“も今後重要になると考えられ,新しい技術の臨床応用への国際標準として,日本再生医療学会では,日本細胞外小胞学会,厚生労働省と協力し,“細胞外小胞等の臨床応用に関するガイダンス”を2024年4月に公開しています.このガイダンスは世界初のもので2025年には英文化して公開し,今後,この分野の推進において大きな力になると考えています.

“再生医療3.0”を目指し,さらに多様な再生医療の開発が進むことを期待しています.


寺井崇二

目次

第1章 間葉系間質(幹)細胞

自己骨髄間葉系幹細胞を用いた脳脊髄疾患などの治療(佐々木祐典・本望 修)

 KeyWords 脳脊髄疾患に対する細胞移植療法,間葉系幹細胞(MSC),脊髄損傷,リハビリテーション併用,寿命延伸

自己完結型肝硬変再生療法に至る基礎的研究から治験まで(藤岡 毅・他)

 KeyWords 再生医療,肝硬変,骨髄間葉系幹細胞(BMSC)

前立腺癌術後腹圧性尿失禁に対する自己脂肪組織由来幹細胞投与による再生医療の取り組み(増田 均)

 KeyWords 培養脂肪幹細胞,前立腺癌,腹圧性尿失禁,足場脂肪,バルキング

脂肪幹細胞を用いた末梢動脈閉塞症に対する治療効果(清水優樹・室原豊明)

 KeyWords 脂肪幹細胞,治療的血管新生,重症虚血肢(CLI),多施設共同臨床試験

肝硬変に対する間葉系幹細胞を用いた肝再生治療─基礎研究から臨床への展開(渡邉雄介・他)

 KeyWords 間葉系幹細胞,肝硬変症,マクロファージ

クローン病に対する瘻孔治療─アロフィセルを中心に(高橋秀和・水島恒和)

 KeyWords クローン病,瘻孔,幹細胞

滑膜由来間葉系幹細胞を用いた変形性膝関節症の治療(遠藤健太郎・関矢一郎)

 KeyWords 変形性膝関節症(OA),滑膜,間葉系幹細胞(MSCs),関節軟骨

間葉系幹細胞の磁気ターゲティングによる関節軟骨再生治療の開発(亀井直輔・他)

 KeyWords 変形性膝関節症,自家培養軟骨移植,間葉系幹細胞移植,磁気ターゲティングシステム

変形性膝関節症に対する脂肪由来細胞治療(松本知之・他)

 KeyWords 変形性膝関節症(膝OA),脂肪由来間葉系幹細胞,脂肪由来間質血管細胞群,微小細断脂肪組織片(MFAT)

間葉系幹細胞の免疫調整能を応用した難治性腎疾患治療(田中章仁・他)

 KeyWords 難治性腎疾患,間葉系幹細胞(MSC),腎臓

培養自家骨膜細胞を用いた顎骨再生医療の臨床実用化における課題と取り組み(永田昌毅)

 KeyWords 培養骨膜細胞(CPC),顎骨再生,歯科インプラント,歯周病,咬合機能回復

脂肪組織由来多系統前駆細胞の自己移植による歯周組織再生(竹立匡秀)

 KeyWords 歯周組織再生,脂肪組織由来多系統前駆細胞(ADMPC),自己移植,先進医療

第2章 組織幹細胞・シート・オルガノイド

表在性十二指腸腫瘍に対する新規術式の開発─内視鏡+腹腔鏡手術+細胞シート医療=?(金高賢悟・他)

 KeyWords 腹腔鏡下手技,細胞シート,表在性十二指腸腫瘍

炎症性腸疾患と再生医療(岡本隆一・他)

 KeyWords 潰瘍性大腸炎,クローン病,粘膜治癒,自家腸上皮オルガノイド移植

当院における細胞シート移植術後リハビリテーションの取り組み(玉木美夕・佐藤正人)

 KeyWords 軟骨再生,自己細胞シート,高位脛骨骨切り術

歯根膜由来間葉系幹細胞シートを用いた歯周組織の再生(岩田隆紀)

 KeyWords 歯周組織再生,細胞シート,間葉系細胞

第3章 ES細胞・iPS細胞

尿素サイクル異常症に対する胚性幹細胞製品の臨床試験(梅澤明弘)

 KeyWords 多能性幹細胞,肝細胞移植,先天性代謝異常症,新生児,高アンモニア血症

パーキンソン病に対する細胞移植治療(土井大輔)

 KeyWords iPS細胞,パーキンソン病(PD),細胞移植治療,ドパミン神経細胞

心不全に対する再生医療の現状と展望(宮川 繁)

 KeyWords 細胞,細胞シート,筋芽細胞,iPS細胞,心不全

iPS細胞由来の再生心筋細胞移植による重症心不全治療法の開発(福田恵一)

 KeyWords 再生医療,心不全,心筋細胞移植,iPS細胞

角膜再生医療の最先端(大家義則・西田幸二)

 KeyWords 角膜上皮幹細胞疲弊症(LSCD),培養上皮細胞シート,iPS細胞

網膜色素変性症に対するiPS細胞由来網膜オルガノイドシート移植治療─現状と最近の研究について(岩間康哲・万代道子)

 KeyWords 網膜色素変性症(RP),網膜シート移植,ラベルフリー細胞濃縮

脊髄損傷に対するヒトiPS細胞由来神経幹/前駆細胞移植療法の新たな治療戦略(西條裕介・他)

 KeyWords 脊髄損傷(SCI),細胞移植療法,遺伝子治療,併用療法

ヒトiPS細胞,キメラ技術,異種臓器を用いた次世代医療開発への挑戦(山本修太郎・他)

 KeyWords 慢性腎臓病,異種移植,iPS細胞オルガノイド,異種再生医療

Side Memo

 ステミラック(R)注

 間葉系幹細胞

 ALBI score

 Celution(R)システム

 ルブリシン

 MOWHTOとMOWDTO

 人工シナプスオーガナイザーCPTX

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書籍情報

  • ISBN:9784006527500
  • ページ数:160頁
  • 書籍発行日:2025年9月
  • 電子版発売日:2025年9月19日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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