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- 泌尿器外科 2025年9月号(Vol.38 No.9)【特集】バスキュラーアクセスの最前線
商品情報
内容
VA 手術の進歩・総論/血液透析用の内シャント作成と動脈表在化の基本的方法/バスキュラーアクセスにおける人工血管の現況と手術手技 ほか
序文
序文
バスキュラーアクセス(vascular access:VA)は血液透析患者において命綱(lifeline)であるが,近年の透析患者の高齢化,治療の長期化,糖尿病有病率増加などから,シャント作成・修復は年々難易度が増しており,アクセス作成医にはより高度な外科的技術が求められている。また,透析患者の著しい高齢化を考慮すると,心機能の低下,皮膚・血管の脆弱性に配慮した患者の負担のないVAが求められている。アクセス治療に関しては,2019年にup dateされたKDOQI(Kidney DiseaseOutcome Quality Initiative)のClinical Practice Guideline for Vascular Accessにより“fistula first”から“patient first” へ大きく方針が変更された。そのような要望に応えて最近のVAに対する治療法や治療のためのデバイスの開発・進歩は著しい。わが国の透析患者のVAに関する統計では,2008年と2017年と比較してarteriovenous fistula(AVF)は89.7%から89.0%と僅かに減少し,arteriovenous graft(AVG)は7.1%から7.3%と微増であった。動脈表在化は1.8%で変化なく,留置カテーテルによるVAは0.5%から1.4%と増えている。両年度間の透析患者の高齢化率は55.1%から67.1%と12ポイント増加しているが,VAの割合には変化が小さい。この点から特に高齢者のアクセス手術においては,その特性を考慮した手術が大切である。現在のVascular Access InterventionTherapy(VAIVT)─ PTA(経皮的血管形成術)を含む血管内治療の広い概念─では再狭窄のため開存期間が十分に得られず,また合併症も一定の割合で併発する。ある報告では,VAIVTの開存率は,AVFで半年一次開存20.4%と決して多くない。また,VAIVTの合併症が施行例全体の1.3%に生じ,バルーン拡張に伴う血管損傷が0.8%に併発したと報告している。そこで,開存の改善および合併症の減少を目的に,さまざまなバルーンカテーテルが開発され使用可能となっている。その1つに薬剤コーティングバルーン(drug coated balloon:DCB)が発売され注目されている。本特集では,最新のVA治療デバイスの紹介と併せて,VA手術と手技,留置カテーテルの種類(非カフ型とカフ型)と手技,VAのモニタリングと機能的および形態的評価,VAIVTと拡張バルーンカテーテル(特殊型と標準型バルーン,コンプライアンスバルーン)の特性,過剰血流・静脈高血圧症の対策,VAIVTの合併(シース挿入時,血管造影時,ガイドワイヤー関連,バルーン拡張時など)対策など,VA治療の最前線で活躍中のアクセス作成医諸氏に懇切丁寧な解説をいただいた。本特集がバスキュラーアクセスへの理解を深める一助となれば幸いである。
なお,本特集を企画するに当たっては,①特集:バスキュラーアクセスUpToDate. 腎と透析:2023.94(2),②特集:若手に伝承! 泌尿器科医が知っておくべき腎不全外科・血管外科手術.泌尿器外科:2024.37(5)の2誌を参考にした。併せて,執筆項目の抽出と執筆者の人選には執筆者の1人でもある廣谷沙千子先生には多大なご援助とご助言をいただいた。
大和つきみの腎クリニック
勝岡 洋治
目次
特集 バスキュラーアクセスの最前線
序文
大和つきみの腎クリニック 勝岡 洋治
VA手術の進歩・総論
森下記念病院透析血管外科 廣谷紗千子
血液透析用の内シャント作成と動脈表在化の基本的方法
大阪医科薬科大学三島南病院泌尿器科 能見 勇人,他
バスキュラーアクセスにおける人工血管の現況と手術手技
特定医療法人桃仁会病院バスキュラーアクセスセンター 佐藤 暢
血液透析用カテーテルの種類と留置手技
加納岩総合病院透析アクセスセンター 深澤 瑞也
エコーによるスクリーニングとサーベイランスの実践
みはま成田クリニック 村上 康一
VAIVTにおけるバルーンカテーテル選択の今
横浜第一病院バスキュラーアクセスセンター 宮本 雅仁
過剰血流・静脈高血圧症に対する血流抑制術
神應透析クリニック 神應 太朗
VAIVTの合併症と対策法
小島外科 小島 善詞
バスキュラーアクセスにおける最新デバイスを用いた最新治療
飯田橋春口クリニック 春口 洋昭
症例報告
ロボット支援腹腔鏡下術後に発生したポートサイトヘルニアの2例
横浜市立大学附属市民総合医療センター泌尿器・腎移植科 岩本 源矢,他
即時膀胱全摘除術を行った膀胱癌 plasmacytoid variantの1例
神奈川県立足柄上病院泌尿器科 高木 広道,他
膀胱原発の炎症性筋線維芽細胞腫に対して完全切除により長期奏効を得た1例
順天堂大学医学部附属浦安病院泌尿器科 成田周一郎,他
膀胱原発悪性リンパ腫の1例
藤沢湘南台病院泌尿器科 堀場 紀乃,他
地方会
第418〜420回 日本泌尿器科学会北海道地方会
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書籍情報
- ISBN:9784865176537
- ページ数:84頁
- 書籍発行日:2025年9月
- 電子版発売日:2025年9月25日
- 判:A4判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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