3年目までは持っておきたい　病棟で使える薬のお守り

あなたのポケットに「薬のお守り」
注射薬で困ったら，これで薬剤インシデントを回避しよう！

「あれこれなんの薬だっけ？　調べたいけど，忙しくて時間がない！」。日々の臨床現場で，看護師は，多種多様な薬剤と向き合っています。刻一刻と変化する患者さんの状態，複雑な薬剤の作用機序，そして「患者さんの命を預かっている」という重い責任感。そのなかで，「この薬，本当にこの量で合っているのだろうか」，「副作用が出たらどう対応すべきか」，「相互作用は大丈夫だろうか」といった不安に駆られることは少なくないでしょう。情報過多の時代だからこそ，必要な情報に迅速にアクセスし，的確な判断を下すことが求められます。

本書は，そんな皆さんの声に応えるために生まれました。ちまたには数多くの薬剤に関する書籍が出回っていますが，私たちは「臨床で広く使用される薬剤の情報を，必要最低限かつ的確にまとめる」ことに注力しました。注射薬について膨大な情報のなかから，実際に看護師が現場で直面する疑問や不安を解消するために本当に必要なエッセンスだけを5W1Hで厳選しました。薬剤の作用・効果はもちろんのこと，特に注意すべき副作用，投与時のポイント，相互作用など，実践に即した情報に絞り込んでいます。本書のコンセプトは，まさに「薬のお守り」です。困ったとき，迷ったときに，まずこの本を開いてみてください。ページをめくれば，あなたが知りたい情報がきっとみつかるはずです。まるで頼れる先輩がすぐそばにいて，そっと的確なアドバイスをくれるように，本書があなたの不安を和らげ，迅速な問題解決をサポートします。 私たちは，この一冊が，皆さんの日々の業務を優しく見守り，導く「薬のお守り」となることを心から願っています。薬剤にまつわる不安から解き放たれ，自信をもって患者さんに寄り添えるよう，本書が皆さんの心に寄り添い，常に支えて守る存在となることを確信しています。

2025年9月

星野 晴彦