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- 総合診療の地図帳 広大で複雑な世界を迷わずつなぐために
商品情報
内容
とかく複雑でわかりにくいといわれる総合診療理論における各テーマの関連を,“地図”をみるように視覚的な図を使って紹介.各テーマを “芋づる式”に辿ることでわかりやすく解説している.総合診療における知識の関連付けや事例報告書,ポートフォリオ,レポート作成などの補助ツールとして最適な書.後半には,“総合診療”の達人4名にインタビューを掲載.総合診療やプライマリ・ケアに携わる医療スタッフの必読書に仕上がっている.
序文
まえがき
この本をお手に取ってくださった皆さん,本当にありがとうございます.この本は私自身が総合診療/ 家庭医療専門プログラムの専攻医を指導する立場になった際に感じた総合診療の学びづらさがテーマになっています.当時,ずっとなんとなく総合診療の理論を聞きかじってはいたものの,総合内科,EBM畑でやってきた自分にとっては指導するためにしっかり学ぼうとするとそれは非常に骨が折れるものでした.これまで学んだ医学とは全く別の学問体系を新たに学ぶ必要があり,そのパラダイムに慣れるまでは教科書のページをめくるたびに悶々としていました.また家庭医療専門医のポートフォリオ作成となると一つひとつの理論からさらに学びを拡張する必要があり,専攻医とああでもないこうでもないと日々一緒に勉強をしていました.
今でこそたくさんの先輩方からお話を伺い,フィードバックをいただくことで総合診療の全体像がわかってきた気がしますが,「目の前の患者さんの状況・苦悩を理解・解決するためには分野を問わず理論を使用する」という総合診療の特性がある以上,総合診療領域の学問体系も日進月歩で専攻医とともに勉強の毎日です.
さて,こういった経験から私だけではなく実は総合診療系の専攻医自身,また指導医たちも同じ悩みを抱えているのではないかと思うようになりました.そして私がモヤモヤしながらも総合診療を学び,少しずつ理解できるようになってきたきっかけである「総合診療理論はそれぞれが独立しておらずに重なり合い,関連し合っている.関連を通して芋づる式に学ぶのがよさそう」という気づきを共有できれば,みんなの悩みも少し減るのではないかと考えました.そこで当時専門医取得のために私とともに勉強していた近藤真未先生,齋藤惣太先生,家庭医療専門医と総合内科専門医をもっておりアドバイスをくれた海永千怜先生,新井遊先生に相談しながら今回の企画が誕生しました.彼らが背中を押してくれなかったらこの書籍はなかったことでしょう.
家庭医療専門医,病院総合診療専門医,地域総合診療専門医,どれであっても働くセッティングによって使う総合診療理論の重み付けは違えど,ベースとなる部分は同じだと思っていますし,そうであってほしいと考えています.そのため本書の読者層は
・総合診療プログラム専攻医
・家庭医療専門医プログラム専攻医
・病院総合診療専門医プログラム専攻医
・地域総合診療専門医プログラム専攻医
(・それぞれの指導医)
を想定しており,目標は
・学習者の知識の関連付けに役立つ
・事例報告書,ポートフォリオ,レポート作成の補助ツールになる
(・指導者の指導補助になる)
などを考えています.
本書が同じ悩みをもつ総合診療を目指す人たちにとって学びのヒントになってくれることを祈ります.
最後になりますが,いつも子育てで精一杯奮闘しながらもいっしょに映画を見てくれ,さらに世界の平和活動に勤しむコミュニケーション能力の塊の恵梨,小学6年生で中学受験の勉強を毎日遅くまで頑張りながらも韓国アイドルにハマっている12歳の名心,小学4年生でファッションセンス抜群で優しく,Cult of the Lambにハマっている10歳の環,ポケモンカードにどハマりして毎日戦いを挑んでくる興味関心が広く深いおしゃべりな8歳の界良,みんなhuman beat boxerとしてもいつもかっこいいよ.パパはみんなとの体験・時間のために仕事をしていることを忘れません.大好きだよ,いつもありがとう.
2025年9月
東京北医療センター 総合診療科 岡田 悟
目次
第I章 総合診療の地図帳
A 総合診療はなぜ勉強しづらいのか <岡田 悟>
B 状況と向き合う
1 未分化な健康問題 <志水健太・金子 惇>
2 長期的なケア <飯沼侑香・菅波祐太>
3 複雑困難 <小林聡史>
4 行動変容 <矢吹 拓>
5 多疾患併存 <大浦 誠>
C 患者と向き合う
1 患者中心の医療の方法(PCCM) / 共同意思決定(SDM) <井上博人>
2 家族志向のケア <宮本侑達>
3 EBM <安原千晴・岡田 悟>
4 Narrative Based Medicine / Narrative Medicine <井口真紀子>
D 人・組織と向き合う
1 チーム/ リーダーシップ <坂口公太>
2 マネジメント <綿貫 聡>
3 業務改善 <近藤敬太>
E 地域と向き合う
1 統合ケア <菊池徹哉・近藤真未>
2 地域志向のケア <密山要用>
3 健康の社会的決定要因(SDH) <横田雄也>
F 自分と向き合う
1 医療者自身のケア <大高由美>
2 生涯学習 <齋藤惣太・深瀬 龍>
3 臨床倫理 <西村正大>
4 教育 <宮上泰樹>
G その場に応じて発動するスキル
1 IADL,AADLを目標としたリハビリ・栄養療法 <小坂鎮太郎>
2 診断推論 <原田 拓>
3 緩和ケア <柏木秀行>
4 集中治療 <五十野博基>
5 セクシュアルヘルス <高橋弘樹>
6 メンタルヘルス <三澤美和>
7 思春期 <高島大樹>
8 高齢者,フレイル/ACP <川幡翔太郎・玉井杏奈>
9 産業保健 <安藤明美>
第II章[インタビュー]達人たちの頭の中
1 プライマリ・ケアは″よろず相談所″だ <藤沼康樹>
2 Medical Generalismをベースに,General Practice を実践した結果,プライマリ・ケア機能を発揮するのが総合診療医である <岡田唯男>
3 分け隔てなく丁寧に全身をみて, 人生の問題にお付き合いする <志水太郎>
4 Disease を診るのではなく Managementする <内藤俊夫>
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書籍情報
- ISBN:9784498120266
- ページ数:342頁
- 書籍発行日:2025年10月
- 電子版発売日:2025年10月21日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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