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- 手・前腕・肘の外傷 解剖と手術手技
商品情報
内容
手の複雑な解剖と手術手技の難しさに直面したことがある整形外科医・形成外科医にオススメ.解剖編では献体写真・イラストを用いて肉眼解剖や機能解剖を示し,臨床編では手術手技をステップごとに丁寧に解説.エキスパートならではの知恵や経験に裏打ちされたポイントも随所に盛り込まれており,日々の臨床現場において即戦力となる1冊です.
序文
監修の序
このたび,「手・前腕・肘の外傷 解剖と手術手技」を出版することとなった.本書を企画するに至ったきっかけは,「整形外科の手術をうまくこなす基本とコツは解剖を熟知していることである」という考えが善家雄吉先生と全く一致したことである.本書は,章として,部位別に「肘関節・前腕」,「手関節」,「手部・手指」の3 つを設け,加えて,「マイクロサージャリー・皮弁形成術」,「超音波を用いた手外科領域の解剖と実臨床」の2 つを設けた.各章では「解剖編」と「臨床編」の2 つにわかれている.本書においては,読者が解剖を深く理解したうえで臨床を知ることができるように文章を構成することが一貫した執筆方針となっている.
「解剖編」では,筋の起始と停止,筋の作用と支配神経などの基礎知識の整理はもとより,献体の写真やイラストを用いて肉眼解剖や機能解剖を示しながら,手術時のアプローチ法やバイオメカニクスなどの臨床的内容について解説されていることが特徴である.外科的侵襲を最小限に抑え,血管・神経損傷のリスクを回避することは,医療安全的な側面からも大きな意義がある.「実臨床のコツ」では,通常の教科書では学べない注意点が記載されているので診療上の参考になる.
「臨床編」では,肘関節・前腕・手関節・手部・手指の主な外傷に対する標準的な手術法が網羅されている.スクリューの刺入方向や長さ,プレートの設置位置などを理解するうえでの解剖学的な指標,手関節鏡で用いるポータルとその注意点などがわかりやすく「point」に記載されている.各種治療法の適応,各種プレートなどが一覧表にまとめられている.「解剖編」と照らし合わせながら,視覚的に手順を追って術野の展開と手技を確認しながら手術の様子や実際の動きが理解できるようになっている.
手外科医にとっての三種の神器は,関節鏡,顕微鏡,超音波といわれている.関節鏡については,「臨床編」のなかで適宜記載され,顕微鏡を用いた皮弁の実際,超音波を用いたブロックや注射について実臨床に則したかたちで記載されている.手術を予習するうえで,手元に置くべきものは解剖学書と手術書である.本書はこれらを統合した画期的な医学書である.整形外科の専門医はもとより,専攻医などの若手医師,手術室のメディカルスタッフの方々に大いに役立つことを願っている.
2025年9月
産業医科大学整形外科学教室
酒井昭典
編集の序
「手・前腕・肘の外傷 解剖と手術手技」──この領域に携わる整形外科・形成外科医であれば,誰もが一度はその複雑な解剖と,術後の機能回復の難しさに直面された経験があるのではないでしょうか.手の外傷手術は,頻度の高い手術の1 つでありながら,術野が狭小で繊細な構造が密集しており,解剖の理解と熟練した技術を求められる,極めて奥深い分野でもあり,自分もその魅力にはまり,専門の1 つとしてこれまでやってきました.
本書は,こうした難解な手・前腕・肘の外傷に対して,解剖学的知識に基づいた的確な手術が実践できるよう,多くの先生方にとって“実践的な手引き”となることを目指して企画いたしました.特に,手外科を専門とされていない先生方や,これから手外傷の手術に携わろうとする若手医師にとっても,わかりやすく,手に取りやすい構成となるよう努めております.
各章前半の「解剖編」では,肘関節から前腕,手関節,手部・手指まで,部位ごとに整理された解剖情報を丁寧に解説していただくよう心がけました.特に筋肉の起始や停止の記載も盛り込み,機能解剖について読者の臨床的理解を助けるべく,図版を多用し,臨床に直結する視点から記述していただいています.また,後半の「臨床編」では,各手術手技をステップごとに明確に示し,適切なイラスト・術中写真に加え,必要に応じて動画を添えるなど,多角的に学習できる工夫を凝らしています.さらには,エキスパートならではの“知恵”や“経験に裏打ちされたポイント”も随所に盛り込み,日々の臨床現場において即戦力となる内容を目指しました.
本書の特徴としてさらに強調したい点は,その執筆陣の充実ぶりです.国内で第一線でご活躍中の著名な先生方に加え,中国およびタイより国際的に高い評価を受ける先生方にもご協力を賜りました.多忙な日々の中,皆さまにはご快諾いただき,いずれも高い完成度の原稿をご執筆くださいましたこと,この場をお借りして厚く御礼申し上げます.
特に,Zeng Tao Wang 先生による微小血管解剖の章は,圧巻とも言うべき内容であり,その精緻かつ視覚的に美しい解剖図は,教育的価値にとどまらず,まさに芸術の域に達しています.また,巻末の特別寄稿として,アニメーターの加々美高浩氏による「手の描き方のエッセンス」は,医学書としては異色の試みながら,手の構造美に対する芸術的な視点が交差する,非常に興味深い内容となっており,手術記録を実際に書き残す際にもとても役立つ情報が含まれております.
本書は,整形外科・形成外科の先生方のみならず,ハンドセラピストや手術室看護師をはじめとした多職種の皆様にも広くご活用いただける内容と言えます.現場で“困ったときに開ける”1 冊として,また日々の診療や教育における羅針盤として,本書が少しでも皆様の助けとなれば幸いです.
本書の刊行にあたり,惜しみないご尽力をいただきました全ての執筆者ならびに関係者の皆様に,心より感謝申し上げます.
2025年9月吉日
産業医科大学病院外傷再建センター
善家雄吉
目次
第1章 肘関節・前腕
§1. 解剖編
1)肘関節〜前腕近位部【吉田史郎】
2)前腕中央部(掌側)【小杉健二】
3)前腕中央部(背側)【佐藤直人】
§2. 臨床編
1)Terrible triad injury【辻 英樹】
2)Posteromedial rotatory instability【対比地加奈子】
3)Olecranon fracture dislocation【森谷史朗】
4)モンテジア骨折・ガレアッツィ骨折【目貫邦隆】
第2章 手関節
§1. 解剖編
1)橈骨遠位端(掌側)【坂なつみ】
2)橈骨遠位端(背側)【濱田大志】
3)遠位橈尺関節・三角線維軟骨複合体【辻村良賢】
§2. 臨床編
1)橈骨遠位端骨折(MIPO法)【内藤聖人】
2)橈骨遠位端関節内骨折(volar marginal rim含む)[movie]【川崎恵吉】
3)遠位橈尺関節障害・TFCC損傷[movie]【大茂壽久】
4)リウマチ性手関節症【山中芳亮】
第3章 手部・手指
§1. 解剖編
1)手根骨周囲【久能隼人】
2)手部・手指(掌側)【篠原大地】
3)手部・手指(背側)【蜂須賀裕己】
§2. 臨床編
1)舟状骨骨折【平澤英幸】
2)舟状骨偽関節[movie]【川崎恵吉】
3)母指CM関節症【田島貴文】
4)中手骨骨折【長尾聡哉】
5)PIP関節脱臼骨折【鈴木雅生】
6)基節骨骨折【鈴木雅生】
7)マレット骨折(骨性・腱性)【戸羽直樹】
第4章 マイクロサージャリー・皮弁形成術
§1. 微小血管解剖編
1)手指【Zeng Tao Wang(監訳/善家雄吉)】
2)手部【Zeng Tao Wang(監訳/善家雄吉)】
§2. 臨床編
1)肘および前腕の有茎皮弁【Surasak Jitprapaikulsarn(監訳/善家雄吉)】
2)肘周囲から前腕部の皮弁【髙木信介】
3)手関節から手掌の皮弁【鳥谷部荘八】
4)手背部の皮弁【楠原廣久】
5)指体部・指尖部の皮弁【宇佐美 聡】
第5章 超音波を用いた手外科領域の解剖と実臨床
§1. 解剖編
1)肘〜手指の超音波解剖【中島祐子】
§2. 臨床編
1)各種エコー下注射の実際[movie]【岩倉菜穂子】
◆ 特別寄稿:手のリアルな描き方のエッセンス【加々美高浩】
索引
◆ 執筆者一覧
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書籍情報
- ISBN:9784758112703
- ページ数:296頁
- 書籍発行日:2025年10月
- 電子版発売日:2025年11月6日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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