イチからわかる!転倒予防Q&A

  • ページ数 : 136頁
  • 書籍発行日 : 2025年10月
  • 電子版発売日 : 2025年11月7日
¥2,530(税込)
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商品情報

内容

なぜ転ぶ? どう防ぐ? 根拠で読み解く転倒のメカニズム

転倒は高齢者の生活の質や自立性を大きく左右する重要課題である.転倒発生の疫学的特徴や多様なリスク因子,発生メカニズムを正しく理解し,根拠に基づいた予防策と運動介入を展開することが肝要となる.本書では,転倒予防の全体像を示し,以下の5つのテーマに沿って転倒予防の大切さを解説する.
【1.転倒予防の基礎知識】
高齢者における転倒の発生率や季節・時間帯・場所ごとの特徴を示し,転倒の繰り返し性や社会的影響について解説.
【2.転倒のメカニズムとリスク理解】
つまずき,滑り,バランス崩れの生理学的・運動学的メカニズムを分析し,転倒に関わる内的・外的・行動要因を整理.
【3.転倒リスクの背景】
サルコペニア,認知機能障害,視機能低下など身体的・認知的要因の影響と,多剤服用や環境要因が転倒リスクに与える影響を考察.
【4.転倒恐怖感と骨折予防】
転倒後の恐怖感が引き起こす心理的・身体的変化や活動制限の連鎖を解説し,骨折発生のメカニズムとその予後について詳述.
【5.転倒予防の実践知】
根拠に基づく運動介入プログラム,身体活動の促進方法,転倒予防アルゴリズムの活用法を紹介し,臨床現場での応用例を示唆.

序文


「高齢者の転倒は偶発的な事象ではない」と捉えるべきです.確かに転倒は,ある日突然に起こり,ときにはその人の生活を一変させてしまう出来事です.しかし,脳卒中や心筋梗塞が,生活習慣に起因する動脈硬化性血管病変を主な原因として発症するように,転倒もまた,長年にわたる生活習慣の積み重ねによって「転倒しやすい状態」が形成された結果と考えられます.

すなわち,こうした危険因子を回避する生活習慣を選択することにより,転倒リスクを低減できる可能性があるのです.

ご存じの通り,高齢者における転倒は,骨折や入院,さらには死亡リスクの上昇にもつながる,きわめて深刻な「予防すべき健康課題」です.とはいえ,一口に「転倒」と言っても,その様態は多様です.たとえば,「つまずいて前方に倒れた」ケースと,「バランスを崩して側方に倒れた」ケースとでは,原因,きっかけ,状況,発生場所,予後などが大きく異なることがわかっています.つまり,「転倒」という包括的な概念のなかには,無数のサブタイプが存在しており,それぞれに応じた理解と対応が求められるのです.

本書『転倒予防Q&A』では,転倒を「必然的に発生し得る事象」と捉え,これまでの研究で蓄積されてきたエビデンスと実践的知見を融合しながら,転倒を多角的な視点から見直しました.転倒に関する50の問いを一問一答形式で整理するなかで,転倒予防がもつ広範さ,複雑さ,困難さを明らかにするとともに,サブタイプ別の理解の重要性についても強調しています.また,実務者の視点を支援する「一言メモ」や理解を促す「用語解説」,さらには転倒予防に関連する補助的な「Column」も随所に盛り込んでいます.これらより,転倒予防を取り巻く背景や概念への理解を深め,臨床現場で生じる疑問や相談に対して,現実的かつ科学的根拠に基づいた対応を可能とすることを目的としています.

超高齢社会を迎えた現代において,転倒予防はもはや一部の専門職のみが担う領域ではなく,地域包括ケアや介護予防事業の中核を成すべき重要課題となっています.こうした現状に対応する専門職には,単なる運動指導者に留まらず,転倒リスクの評価者・介入者・教育者としての多様な役割が求められています.本書が,最新のエビデンスと臨床的判断の橋渡し役を果たすことにより,実践的知識の整理と深化,さらには多職種連携のための共通言語の確立に寄与し,転倒予防の質的向上に貢献することを心より願っております.


2025年9月

筑波大学 人間系 山田 実

目次

I.転倒予防の基礎知識

1.転倒予防研究の歴史ってどうなっているの?

2.転倒者割合はどのくらい?

3.転倒は繰り返す?

4.BMIは低くても高くても転倒の危険性は高まる?

5.独居の人は転倒しやすいのか?

Column1 杖の長さはどう決めたらいいですか?

Column2 転倒予防に住宅改修は必要ですか?

II.転倒の実態把握

6.転倒はどこで発生している?

7.自宅内での転倒の特徴は?

8.転倒は何月に発生している?

9.なぜ,転倒は冬に多く発生している?

10.転倒は何時頃に多く発生している?

11.転倒のきっかけは何?

12.転倒しやすい人の歩行の特徴は?

Column3 「動かなくてもよい時代」ってどういうことですか?

Column4 高齢者はあまり筋肉を働かせていないのですか?

III.転倒のメカニズム理解

13.多い転倒パターンは?

14.つまずいて転倒するメカニズムは?

15.滑って転倒するメカニズムは?

16.履物によって転倒しやすくなる?

17.転倒の内的要因・外的要因・行動要因とは?

Column5 運動する人は増えていますよね?

Column6 高齢者の筋力は強くなっている?

IV.転倒リスクの紹介

18.筋力低下は転倒の危険因子になる?

19.下肢筋の左右差と転倒との関係は?

20.下肢痛は転倒の危険性を高める?

21.足部の機能低下は転倒の危険性を高める?

22.筋力低下とバランス能力の低下は転倒の危険性を高める?

23.Dual-task能力は転倒に関係する?

24.誰でもdual-task能力が必要になるのか?

25.転倒しやすい人はどこを見て歩いている?

26.よく動くとよく転ぶ?

V.転倒リスクを修飾する障害の整理

27.サルコペニアの人は転倒しやすい?

28.サルコペニアの人の転倒の特徴は?

29.フレイルの人は転倒しやすい?

30.ロコモティブシンドロームは転倒の危険性を高める?

31.軽度認知障害(MCI)は転倒の危険性を高める?

32.認知症は転倒の危険性を高める?

33.大脳白質病変は転倒の危険性を高める?

34.視機能低下は転倒の危険性を高める?

35.多剤服用は転倒の危険性を高める?

Column7 どうやって隙間時間に運動するモチベーションを保っていますか?

Column8 スマートフォンのアプリは行動変容に有用ですか?

VI.転倒恐怖感と骨折予防

36.転倒恐怖感を有する人はどのくらいいる?

37.転倒恐怖感の要因は?

38.転倒恐怖感はなぜ悪い?

39.転倒関連骨折は加齢に伴い増加する?

40.骨折しやすい転倒パターンは?

41.骨折連鎖とは?

42.骨折した人の予後は?

Column9 プラス10という言葉がありますが,なぜ10なんですか?

Column10 15分ほどでまとまったコンパクトな体操はありますか?

VII.転倒予防の実践知

43.転倒予防のエビデンスは?

44.高齢者に対する運動の効果は?

45.転倒予防アルゴリズムって何?

46.運動指導に役立つ転倒予防アルゴリズムとは?

47.運動指導に役立つ転倒予防アルゴリズムに応じた運動プログラムは?

48.高齢者の転倒予防に身体活動は大切なの?

49.どうやって身体活動量を増やす?

50.運動による転倒予防効果は永続的?

一言メモ

今後,転倒発生率を減らすためには

前期高齢者と後期高齢者

偶然と必然

BMIと要介護・死亡

独居高齢者の推移

TUG(Timed Up and Go test)

足部の構造

自宅内で転倒が多い理由の一つ

転倒場所の解釈

こたつの文化

行楽シーズンの転倒

転倒の5W1H

意外と覚えている転倒の記憶

行楽地での転倒

認知機能低下者の転倒への注意

運動とたんぱく質

転倒パターンと身体機能

転倒パターンと今後の介入の可能性

転倒事故と交通事故

前方の足が障害物に接触する状況

家でスリッパやつっかけは避ける?

転倒予防の考え方

膝伸展筋力

左右差を視覚的に捉えられるのか

高齢期の左右差

疼痛の有訴率

足趾把持力とバランス能力

筋力とバランス

減算課題歩行

足元情報は周辺視野で対応可能

身体機能

身体活動量の計測方法

サルコペニアとダイナペニア

サルコペニアの判定方法

サルコペニアの転倒骨折

フレイルの判定方法

プレフレイル

多剤服用の割合

座位行動時間

可変要因と不可変要因

骨折の発生

認知症者の転倒

二重課題運動

多剤服用の基準

レジスタンス運動の効果

転倒予防のアルゴリズムの活用方法

社会参加

用語解説

PubMed

前向き調査,後ろ向き調査

ケイデンス

ステップとストライド

支持基底面

年齢階級

5回立ち上がりテスト

易転倒性

健康寿命

身体活動

有害健康転帰

遂行機能

1,000人年

大脳白質病変

白内障

システマティックレビュー

転倒関連骨折

予後

太極拳

エビデンス

モチベーション

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書籍情報

  • ISBN:9784263266960
  • ページ数:136頁
  • 書籍発行日:2025年10月
  • 電子版発売日:2025年11月7日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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