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アバス–リックマン–ピレ基礎免疫学 原著第7版―免疫系の機能とその異常
- ページ数 : 346頁
- 書籍発行日 : 2025年7月
- 電子版発売日 : 2025年11月11日
商品情報
内容
パンデミック、COVID-19に関する免疫学的記述が追加されました。
講義のコマ数にも合わせやすい12章構成。
初めて免疫学を学ぶ学生にとって、さらにわかりやすい文体にアップデート!
序文
著者序文
このたび『基礎免疫学』が改訂され,免疫系に関する最新の重要な知見を盛り込んだ第7版が刊行される運びとなった.初版刊行時から本書の目標は,免疫学における最新の概念を専門分野の学生が理解できるよう詳細にかつ説得力をもって提示すること,ならびに免疫学のサイエンスに立脚した疾患の理解や新たな治療法の開発などの臨床的な事柄を強調することであり,これらを私たちは常に求め続けている.実際,免疫に関する理解が深まり,免疫についての本質的な知見を簡潔に提示することが可能な時代になったと私たちは感じている.さらに,免疫学の基本原理を疾患の理解と治療に対して応用することに,驚くべき進歩があり,医学や健康科学を学ぶ学生にとって非常に興味深いトピックとなっている.このような近年の進歩の中でも最も代表的なのは,がん免疫療法の開発および,パンデミック,集団免疫,ワクチンに関する新しい情報であり,基礎科学の成果が診療に応用されるプロセスを劇的に示した例となっている.
本書で具体的に意図したのは以下の目標である.まず第1に,免疫系の機能を支配する最も重要ないくつかの原理を,この分野の膨大な実験データから得られた主要な考え方を統合することによって示した.また,ヒトの健康や疾患に関連する内容を重視した.さらに,複雑な現象を簡潔に説明する際に,例外や補足事項について詳細に言及することは理解を妨げるため,これらは大きく省略した.第2に,私たちは感染性微生物に対する免疫応答に重点を置き,この文脈に沿って,本文を記述した.第3に,重要な原理をわかりやすくするために多数のイラストを使い,分厚い教科書にみられるような,細かな事実の記載は少なくした.第4に,免疫疾患を原理的な観点から解説し,正常な免疫応答との関連に重点を置き,臨床症状や治療の詳細な説明は省略した.また,免疫学の原理が一般的なヒトの疾患にどのように応用できるかを示すために,臨床症例を記載した付録をつけた.最後に,それぞれの章を単独でも読みやすくするために,本書の随所において鍵となる考え方を繰り返し記述した.学生たちが最も重要な概念を理解するために,このような反復的な記述が役立つものと信じている.
この『基礎免疫学』の改訂版が,学生たちにとって読みやすく,説得力があり,読んでいて楽しい本であることを期待している.また,この分野が,ヒトの健康と疾患とのかかわりにおいてどのように進化し,また進化し続けているか,私達がいつも感じているそのワクワク感を本書によって伝えられたらと願っている.
最後に,本書は,医学部の講義で使用することを念頭に出版計画を推し進めてきたが,医学生だけでなく,健康科学や生物学を学ぶ学生たちにも価値ある1冊であることを願っている.免疫系に関して学生たちが抱く多くの疑問に答え,同時に彼らがより深く免疫学を掘り下げることを促せたなら,私たちが本書で意図した目標は達成できたと言えるだろう.
本書の執筆において,重要な役割を果たしてくれた方々がいる.引き続き私たちのアイデアを情報的に正しく,かつ美しい図に変えてくれた才能あるイラストレーターDavid Baker.時間とロジスティックのプレッシャーにも負けず,このプロジェクトを常にきちんと整理し,進行してくれたデベロップメントエディターのRebecca Gruliowと編集者のJeremy Bowes.本書の制作を効率的かつ専門的な方法で進めてくれたClay Broeker.彼らには心からの感謝を捧げる.最後に,揺るぎないサポートと励ましを与えてくれた家族にも大いなる感謝を.
2022年8月
Abul K. Abbas
Andrew H. Lichtman
Shiv Pillai
監訳者序文
本書は,免疫学における世界的に有名な教科書の1つ「分子細胞生物学」(Cellular and Molecular Immunology)を執筆したAbbas,Lichtman,Pillaiらが,免疫学を専攻する大学生や大学院生,研究者だけでなく,医療系,生物系あるいはそれ以外の一般の学生にも役立つように免疫学のエッセンスを簡潔にわかりやすくまとめた「Basic Immunology」第7版の翻訳です.第7版も,第6版に引き続き,各章の翻訳は,それぞれの分野の第一線でご活躍されている研究者の方々にお願いしました.各々の専門知識がしっかりと反映された正確な翻訳と,そこに添えられた簡潔でわかりやすい豊富なイラストが,これから免疫学を学ぶ読者の方々の理解に大いに役立つことを,監訳者として確信しています.
さて,第6版の監訳者序文を執筆時(2020年5月5日)は,新型コロナウイルス感染症に対する緊急事態宣言真っ只中でした.よって,そのときの監訳者序文には「子供の日 人気が途絶えた甲府の街中のところどころに,大きな鯉のぼりがゆったりと泳いでいることに,安堵感を持ちながら記す.」と,不安な世相を反映した記述があります.あれから5年,ワクチン接種希望者数も激減するなど,人々からパンデミックの記憶は消えつつあり,社会は通常の活動を取り戻しています.
当時,あるいは現在でも,新型コロナウイルス感染者のほとんどは,特別な薬を使うことなく自然に治癒します.この自然治癒の背景にあるのが免疫系です.この免疫系のキモは,マクロファージやT細胞,B細胞といった多様な免疫細胞たち(白血球)が,病原体(抗原)を認識したときに,その抗原情報を交換しあいながら,活性化し(いわば緊急事態宣言を発動し),新しいネットワークを形成することです.その結果,抗体やキラーT細胞というアウトプットが最終的に生み出され,抗原を排除します.これほど精緻で多様な細胞同士の相互作用がドラマチックな役割を果たすからだのしくみは免疫系だけです.アニメ「はたらく細胞」で白血球が取り上げられる場面が多いのもうなずけるところです.
本書を読むことで,免疫系の細胞たちの驚くべき協調的な働きが,素晴らしいイラストとともに読者の頭のなかで可視化され,私たちのからだのなかで起きている免疫というしくみのありがたさを感じてもらえることを願っています.一方で,この緊密なネットワークによる感染症やがんに対する防御機構は,そのどこか1つでもエラーや食い違いがあると立ち行かなくなる,極めて危なっかしい生命現象であり,アレルギーや自己免疫疾患,あるいはがんの進展が起きてしまうことは,ある意味必然であるという微妙なニュアンスまで感じとっていただければ,監訳者としては望外の喜びです.
なお今回(第7版)の翻訳も「分子細胞免疫学 原著第10版」に引き続き,エルゼビア・ジャパン株式会社の皆さんの多大なご協力なくしては成り立ちませんでした.この場を借りて深く感謝いたします.
最後になりますが,本書によって免疫学に興味をもち,免疫学の知識をさらに拡張,もっと言えば現在の免疫学の常識をひっくり返してくれる若者が現れることを期待します.まず自分がやれっていう話もありますが(笑).
令和7年3月25日
甲府駅のスタバで,朝の通学や通勤でごったがえす
学生や社会人の流れをボーッと見ながら記す
中尾篤人
目次
第 1 章 イントロダクション:免疫系について
第 2 章 自然免疫
第 3 章 T細胞への抗原提示と主要組織適合遺伝子複合体(MHC)分子の機能
第 4 章 獲得免疫系における抗原認識
第 5 章 T細胞性免疫
第 6 章 T細胞性免疫のエフェクター機構
第 7 章 体液性免疫応答
第 8 章 体液性免疫のエフェクター機能のメカニズム
第 9 章 免疫寛容と自己免疫
第10章 腫瘍免疫学と移植免疫学
第11章 過敏症
第12章 免疫不全症
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書籍情報
- ISBN:9784866552064
- ページ数:346頁
- 書籍発行日:2025年7月
- 電子版発売日:2025年11月11日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:2
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