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脳卒中治療ガイドライン2021〔改訂2025〕
- ページ数 : 352頁
- 書籍発行日 : 2025年8月
- 電子版発売日 : 2025年11月21日
商品情報
内容
脳卒中対策の必読書
全140項目中52項目を改訂した最新版
2022年1月から2023年12月までの2年間に発表された論文のうち「レベル1のエビデンス」「レベル3以下だったエビデンスがレベル2となっていて、かつ、特に重要と考えられるもの」を採用する方針で、該当する項目(140項目中52項目)を改訂しました。
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序文
序文
脳卒中治療ガイドラインは、2015版より一般社団法人日本脳卒中学会 脳卒中ガイドライン委員会により作成され、2年ごとに新たな知見を追加した改訂が行われて(追補2017対応、および追補2019対応)きた。今回の2021版は6年ごとに行うことになっている全面改訂版である。作成にあたってご協力をいただいた日本脳神経外科学会、日本神経学会、日本リハビリテーション医学会、日本神経治療学会、日本脳卒中の外科学会、日本脳神経血管内治療学会をはじめとする多くの学会に深謝申し上げる。
はじめに、『脳卒中治療ガイドライン2021』の策定目的を明らかにしておく。
一般に学会が診療ガイドラインを策定する目的は、臨床で遭遇する様々な病態に対して、臨床医が判断を行うための目安を示すことであり、これを参照することによって適切な判断を行うことができるように支援することである。その意味で、診療ガイドラインは臨床において判断の際に参考にすべき重要な情報である。しかし、実際の臨床においては、患者の個別性に配慮した判断が必要とされることは多く、診療ガイドラインに記載されていない診療が、必ずしも否定されるものではない。診療ガイドラインが臨床現場における柔軟な個別判断を拘束することがあってはならない。
一方で、診療ガイドラインは公開されるため、患者および家族などにとっては自らが受ける治療について期待する内容ともなり得るので、患者および家族などに対しては、診療ガイドラインで示されている標準的な診療の意味について説明するとともに、当該患者の個別性に配慮した判断に理解を求めることが必要である。
なお、診療ガイドラインはしばしば本来の目的以外にも利用されることがある。例えば、医療水準に適合した診療を行ったか否かが争点となる係争において、司法は診療ガイドラインにその医療水準を示す指標を求めることがある。しかし、診療ガイドラインと医療水準とは別の概念である。
本ガイドラインは、以上のような目的を持つものであり、脳卒中の臨床現場で治療にあたる際には、このガイドラインに示された内容を十分に理解して、個別の患者に適切な治療を行うよう求めるものである。
次に、本ガイドラインの策定にあたって、推奨の科学的合理性と妥当性をどのように担保したかを述べる。
診療ガイドラインは、科学的合理性を担保するために、エビデンスすなわち患者集団を対象にした過去の研究の結果に基づいて系統的に作成される。しかしながら、エビデンスの確立には現実的な限界がある。研究はその対象集団や治療介入の効果をできるだけ均一にしなければ、有意なエビデンスは導き出せない。しかし、実際の臨床では患者の臨床像は不均一であり、薬物療法の介入効果はアドヒアランスによって異なり、外科的治療の介入効果は施設や術者によって異なる。したがって、すべての診療行為に十分なエビデンスがあるわけではなく、またエビデンスのレベルが低くとも、推奨すべき診療行為は少なくない。たとえば、救命目的の救急医療がそれに相当する。また、明確な効果がある標準療法としてすでに世界的に行われている治療法であっても、エビデンスレベルは高くない場合もある。これは、エビデンスレベルは低いが、推奨すべき治療ということになる。このような場合に、高いエビデンスレベルを立証することを目的として、標準治療を行わない対照群を設定したランダム化比較試験を行うことは倫理的に問題である。
本ガイドラインでは、エビデンスレベルが低い項目に対する推奨については、執筆担当者と領域の責任者そしてガイドライン委員会が慎重に確認しあうことにより、その推奨の透明性と妥当性を担保するように心掛けた。なお、エビデンスレベルと推奨度については別項に記載している。
最後に、本ガイドラインは、脳卒中・循環器病対策基本法に基づく脳卒中対策が大きく前進する2021年に、時を同じくして全面改訂となった。これが、脳卒中診療の向上を進める大きなエンジンとなり、国民の健康福祉に大きく貢献することを期待する。
2021年7月
一般社団法人日本脳卒中学会
脳卒中ガイドライン委員会(2021)
委員長 宮本 享
目次
Ⅰ 脳卒中一般
CQ Ⅰ-a 非弁膜症性心房細動(NVAF)による心原性脳塞栓症の一次予防に、直接作用型経口抗凝固薬(DOAC)は有用か?
CQ Ⅰ-b 脳卒中急性期のリハビリテーションは、いつから開始することが推奨されるか?
1 脳卒中発症予防
1-1 危険因子の管理(1)高血圧
1-1 危険因子の管理(2)糖尿病
1-1 危険因子の管理(3)脂質異常症
1-1 危険因子の管理(4)飲酒・喫煙
1-1 危険因子の管理(5)心疾患
1-1 危険因子の管理(6)肥満・メタボリックシンドローム、睡眠時無呼吸症候群、末梢動脈疾患など
1-1 危険因子の管理(7)慢性腎臓病(CKD)
1-1 危険因子の管理(8)血液バイオマーカー
2 脳卒中急性期
2-1 全身管理(1)呼吸
2-1 全身管理(2)血圧、脈、心電図モニター
2-1 全身管理(3)体温
2-1 全身管理(4)意識レベル、鎮静(せん妄対策)
2-1 全身管理(5)栄養など
2-1 全身管理(6)体位など
2-2 合併症予防・治療(1)感染症
2-2 合併症予防・治療(2)消化管出血
2-2 合併症予防・治療(3)痙攣
2-2 合併症予防・治療(4)頭痛
2-2 合併症予防・治療(5)深部静脈血栓症および肺塞栓症
2-3 Stroke Care Unit(SCU)・Stroke Unit(SU)
2-4 リハビリテーション(1)評価(機能障害、活動制限、参加制約の評価)
2-4 リハビリテーション(2)予後予測
2-4 リハビリテーション(3)急性期リハビリテーションの進め方
2-5 地域連携
Ⅱ 脳梗塞・TIA
CQ Ⅱ-a 脳梗塞軽症例でも遺伝子組み換え組織型プラスミノゲン・アクティベータ(rt-PA、アルテプラーゼ)は投与しても良いか?
CQ Ⅱ-b 狭窄度が軽度の症候性頚動脈狭窄患者に対して頚動脈内膜剥離術(CEA)は推奨されるか?
1 脳梗塞急性期
1-1 経静脈的血栓溶解療法
1-2 経動脈的血行再建療法
1-3 抗血小板療法
1-4 抗凝固療法
1-5 抗脳浮腫療法
1-6 脳保護薬
1-7 血液希釈療法
1-8 高圧酸素療法
1-9 その他の内科治療(1)低体温療法
1-9 その他の内科治療(2)脂質異常症治療
1-9 その他の内科治療(3)神経再生療法
1-10 開頭外減圧術
1-11 その他の外科治療
2 TIA急性期・慢性期
3 脳梗塞慢性期
3-1 非心原性脳梗塞(1)抗血小板療法
3-1 非心原性脳梗塞(2)頚動脈内膜剥離術(CEA)
3-1 非心原性脳梗塞(3)経動脈的血行再建療法(頚部頚動脈)
3-1 非心原性脳梗塞(4)経動脈的血行再建療法(頚部頚動脈以外)
3-1 非心原性脳梗塞(5)EC-ICバイパス術
3-2 心原性脳塞栓症(1)抗凝固療法
3-3 危険因子の管理(1)高血圧
3-3 危険因子の管理(2)糖尿病
3-3 危険因子の管理(3)脂質異常症
3-3 危険因子の管理(4)メタボリックシンドローム・肥満
3-4 塞栓源不明の脳塞栓症(ESUS、Cryptogenic stroke)(1)抗血栓療法
3-5 奇異性脳塞栓症(卵円孔開存を合併した塞栓源不明の脳塞栓症を含む)
3-6 その他の内科治療(1)脳代謝改善薬、脳循環改善薬
3-6 その他の内科治療(2)ヘマトクリット高値、フィブリノゲン高値
3-6 その他の内科治療(3)神経再生療法
Ⅲ 脳出血
CQ Ⅲ-a 脳出血急性期における血圧高値に対する厳格な降圧療法は推奨されるか?
CQ Ⅲ-b 抗血栓療法(ビタミンK阻害薬、直接作用型経口抗凝固薬、抗血小板薬、ヘパリン)中の脳出血急性期における血液製剤・中和薬投与は推奨されるか?
1 脳出血の予防
2 高血圧性脳出血の急性期治療
2-1 血圧の管理
2-2 止血薬の投与
2-3 脳浮腫・頭蓋内圧亢進の管理
3 高血圧性脳出血の慢性期治療
3-1 高血圧
4 高血圧性脳出血の手術適応
4-1 開頭手術、神経内視鏡手術
5 高血圧以外の原因による脳出血の治療
5-1 脳動静脈奇形
5-2 硬膜動静脈ろう
5-3 海綿状血管腫
5-4 静脈性血管腫
5-5 脳腫瘍に合併した脳出血
5-6 抗血栓療法に伴う脳出血
5-7 慢性腎疾患・腎不全・透析患者に伴う脳出血
Ⅳ くも膜下出血
CQ Ⅳ-a CTで脳槽の描出が不明瞭な軽症くも膜下出血症例では、腰椎穿刺を行うことが推奨されるか?
CQ Ⅳ-b くも膜下出血の遅発性脳血管攣縮の予防に持続髄液ドレナージ留置は推奨されるか?
1 発症予防
2 初期治療
3 脳動脈瘤一治療法の選択
4 脳動脈瘤一外科的治療
4-1 時期
4-2 種類と方法
4-3 周術期管理
5 脳動脈瘤一血管内治療
5-1 時期
5-2 種類と方法
5-3 周術期管理
6 脳動脈瘤一保存的治療法など
6-1 保存的治療法などの概略
7 遅発性脳血管攣縮
7-1 遅発性脳血管攣縮の治療
Ⅴ 無症候性脳血管障害
CQ Ⅴ-a 無症候性脳梗塞に対して抗血小板療法は必要か?
1 無症候性脳梗塞および大脳白質病変
1-1 無症候性脳梗塞
1-2 大脳白質病変
2 無症候性脳出血
3 無症候性頚部・頭蓋内動脈狭窄・閉塞
3-1 無症候性頚部頚動脈狭窄・閉塞
3-2 無症候性頭蓋内動脈狭窄・閉塞
4 未破裂脳動静脈奇形
5 未破裂脳動脈瘤
5-1 診断とスクリーニング
5-2 発見された場合の対応
5-3 治療
Ⅵ その他の脳血管障害
CQ Ⅵ-a 動脈解離に対して抗血栓薬の投与は推奨されるか?
CQ Ⅵ-b 出血発症の脳静脈洞血栓症に抗凝固療法は推奨されるか?
1 動脈解離
1-1 内科的治療
1-2 頭蓋内・外動脈解離の外科治療
1-3 頭蓋内・外動脈解離の血管内治療
2 大動脈解離
3 もやもや病(Willis動脈輪閉塞症)
3-1 外科治療
3-2 内科治療
3-3 出血発症例に対する治療
4 小児の脳血管障害(もやもや病を除く)
4-1 頭蓋内狭窄・閉塞
4-2 その他
5 妊娠・分娩に伴う脳血管障害
6 脳静脈・静脈洞閉塞症
7 可逆性脳血管攣縮症候群(RCVS)
8 片頭痛
9 高血圧性脳症
10 脳アミロイド血管症
11 血管性認知症
12 全身疾患に伴う脳血管障害
12-1 凝固亢進状態(Trousseau症候群ほか)
12-2 遺伝性脳血管障害
12-3 線維筋性形成異常症
12-4 高安動脈炎
12-5 血液造血器疾患(真性多血症、本態性血小板血症、血栓性血小板減少性紫斑病ほか)
Ⅶ 亜急性期以後のリハビリテーション診療
CQ Ⅶ-a 回復期リハビリテーション病棟からの退院時期は、どのようにして決定すべきか?
CQ Ⅶ-b 尖足もしくは下垂足に対する短下肢装具の作製は、どの時期に考慮すべきか?
CQ Ⅶ-c 亜急性期以後の服薬アドヒアランスの低下は、脳卒中再発予防にどう影響するか?
1 亜急性期以後のリハビリテーション診療の進め方
1-1 回復期のリハビリテーション診療
1-2 生活期のリハビリテーション診療
1-3 機能改善と活動性維持のための患者および家族教育
2 亜急性期以後の障害に対するリハビリテーション診療
2-1 運動障害
2-2 日常生活動作(ADL)障害
2-3 歩行障害(1)歩行訓練
2-3 歩行障害(2)装具療法
2-4 上肢機能障害
2-5 痙縮
2-6 疼痛
2-7 摂食嚥下障害
2-8 低栄養
2-9 排尿障害
2-10 失語症および構音障害
2-11 高次脳機能障害(失語症を除く)
2-12 脳卒中後うつ
2-13 精神症状(脳卒中後うつを除く)
2-14 体力低下
2-15 痙攣
付録
表1 Japan Coma Scale(JCS)
表2 Glasgow Coma Scale(GCS)
表3-1 National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS)
表3-2 National Institutes of Health Stroke Scale(NIHSS) 評価時の注意点
表4 日本版modified Rankin Scale(mRS) 判定基準書(mRS信頼性研究グループ)
表5 CHADS2スコア
表6 modified Ashworth Scale(mAS)
表7 Brunnstrom Recovery Stage(BRS)
特長1
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特長2
特長3
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書籍情報
- ISBN:
- ページ数:352頁
- 書籍発行日:2025年8月
- 電子版発売日:2025年11月21日
- 判:指定なし
- 種別:アプリケーション版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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