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- 臨床画像 2026年10月増刊号 42巻14号 頭頸部画像診断における画像と病理の対比
商品情報
内容
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序文
序説
「腹部画像診断における画像と病理の対比」という特集を編集担当させていただいたのは2025年の4月に上梓された『臨床画像』の4月増刊号でした。編集部よりほかの領域でも同様の企画をというご提案をいただき,私が真っ先に思いついたのは「頭頸部」領域でした。というのも頭頸部領域は豊田圭子先生や尾尻博也先生などによる優れた教科書がある一方で,画像と病理を対比させた教科書や医学雑誌の特集はあまりないように思われるからです。
頭頸部領域は疾患の種類が多く,その疾患の多彩さが頭頸部の画像診断を難しくする要因の1つでもあります。実際に今回の特集で取り上げることができた疾患もあくまでその一部にすぎません。しかし,個々の疾患の画像所見の特徴を理解するうえで病理組織に関する理解が有用なことは論をまたず,ひいては鑑別を考えるうえでもその知識が役に立つことが期待されます。
疾患については中には症例報告レベルのまれなものもある一方で,日常遭遇することの多い基本的な疾患も少なからず含まれており,疾患の頻度に大きなバラつきがあるという批判もあるかもしれませんが,まれな疾患のみならず頻度の高い疾患においても病理を知ることで画像所見に関する理解を深めるということが本特集の大きな目的と思っております。
病理の解説について病理の先生に執筆していただくということも施設によってはハードルが高いかと心配していたのですが,実際には病理の先生に共著に加わっていただいたことで,従来の画像診断の教科書にはない,斬新なものになったと思います。ただ,そのために執筆の先生方には大変なご負担をおかけしたかと思いますが,深謝に堪えません。
とはいえ頭頸部領域全体を企画するにはとうてい私自身のみでは明らかに大役でしたが,頭頸部放射線研究会におけるイメージインタープリテーションセッションで幾度か共に座長をさせていただいたご縁により,以来,懇意にさせていただいている豊田圭子先生に共同編集をお願いさせていただきました。構成,執筆者への依頼など何から何までといってもいいほどに大変お世話になりました。この領域の重鎮であられる豊田圭子先生とともにこの特集の編集に携わらせていただけたことは小生にとっては大きな喜びであり,身に余る光栄というほかないのでした。
1つ企画の段階で私が仕出かした大きな失策は,顎下腺,涙腺および眼窩内病変の項目が脱落していたことでした。顎下腺はともかく涙腺および眼窩内病変は病理を得ることが難しいため,どこの施設でも症例収集の困難が懸念されるところですが,なんとか当院で病理組織のある症例を揃えることができ,病理の項目を含めて急場凌ぎで原稿を作成させていただいたのでした。頭頸部領域の新進気鋭のエキスパート達による玉稿に比べると小生の担当した項目は路傍の石のように思われてならないのですが,ご笑覧いただけると幸甚です。
最後に,本書が頭頸部領域の画像と病理に関する理解を広げるのに少しでも役に立つことを願っております。
~酷暑と豪雨の夏が過ぎ,秋風が吹くのを待ちわびつつ
小山 貴
序説
小山 貴先生から,「頭頸部画像診断における画像と病理の対比−画像診断医が知っておきたい病理の知識−」という企画の編集に協力してほしい,とのお話をいただいたのは,2025年の晩秋であった。そもそも小山先生とは,頭頸部放射線研究会のイメージインタープリテーションセッション(IIS)で何度か司会をご一緒したことをきっかけに,よくお話をさせていただくようになった。小山先生は,画像診断はもちろん,さまざまな領域の病理にも大変お詳しく,頭頸部においても,深い知識に裏付けられた病理学的視点からの発言やコメントが印象に残っている。それも決して“上から目線”ではなく,「皆で知識を共有しようよ」というような快活で率直なものである。先生のおかげでIISはいつも大いに盛り上がり,ご一緒した司会は,何が飛び出してくるのかとわくわくする,大変楽しい時間であった。
そのような小山先生からのご依頼であり,仕事をご一緒できることを大変光栄に思った。一方,いざ「頭頸部」となると,当初は「うーむ」と唸るところもあった。どの疾患を取り上げ,どなたにお願いするのか。頭頸部癌の中心となる扁平上皮癌をどのように取り上げるのか,『WHO分類』の新版を踏まえた最新の知見をどう盛り込むのか。そして本企画の核となる「画像と病理との対比」を,病理の先生方との連携によってどう形にしていくのか。
ただ,振り返ってみれば,私は長年にわたり頭頸部画像診断に携わり,教科書の執筆などを通じて,全国の“頭頸部好き”の先生方と知り合う機会に恵まれてきた。学会やカンファレンスで知り合った先生,先輩からご紹介いただいた先生,以前に執筆をお願いした先生など,今回お願いしたのは,一緒に頭頸部画像診断を楽しんできた,いわば“仲間”である。執筆者の人選は小山先生とも相談し,いろいろと無理なお願いもしたが,皆様快くお引き受けくださった。でき上がった原稿からは,それぞれの経験と知識を惜しみなく盛り込み,楽しみながら書いてくださったことが伝わってくる。長く1つの領域に携わり,知識をシェアしていると,こうして仲間ができていく。ありがたいことである。
一方,当初少し心配していた病理の先生方との連携も,でき上がった内容を読むと杞憂であった。どの項目でも病理医との連携は素晴らしく,内容は多彩で深い。病理の先生方の言葉からは,画像診断や放射線科医への深い理解と敬意も感じられ,互いの専門性を尊重するよい関係性が伝わってくる。私自身も在職中,疑問があると病理の先生のところへよく質問に伺った。そのときの先生方のお顔まで思い浮かぶ。画像と病理を突き合わせ,「なぜこの画像になるのだろう」と一緒に考えることは,画像診断の大きな楽しみの1つであった。
ぜひ若い先生方にも本書を手に取っていただきたい。画像と病理の対比のみならず,行間からにじみ出る学術的な視点,病理医から得られる知識,そして「なぜだろう」という疑問にも目を向け,日々の臨床や新たな研究へと活用していただきたい。そして,診療科を越えて知識を共有し,一緒に考えるよい関係性が,これからの世代にも受け継がれていくことを心から願っている。
最後に,ご執筆いただいた先生方,さまざまなお願いに丁寧に対応してくださったメジカルビュー社編集部の皆様に厚く御礼申し上げる。そして,この企画に私を引っ張り出してくださり,再び一緒に楽しい仕事をする機会をくださった小山 貴先生に,心から感謝申し上げたい。
豊田圭子
目次
特集:頭頸部画像診断における画像と病理の対比−画像診断医が知っておきたい病理の知識− 企画・編集:小山 貴, 豊田圭子
【頭蓋底・側頭骨領域】
画像所見:三田村克哉 病理所見:石川 亮,香川聖子
【眼窩領域】
画像所見:小山 貴 病理所見:小山 貴,能登原憲司
【耳下腺良性疾患】
画像所見:田中史根,小久江良太,海野真記,前田正幸 病理所見:湯淺博登,今井 裕
【耳下腺悪性疾患】
画像所見:加藤博基,松尾政之 病理所見:市橋昂樹,宮崎龍彦
【顎下腺領域】
画像所見:加賀屋 駿,小山 貴 病理所見:小山 貴,能登原憲司
【鼻腔疾患】
画像所見:馬場 亮,山内英臣,佐野彰乙,山中雄太,旭爪磨琴,尾尻博也 病理所見:深澤 寧
【副鼻腔疾患】
画像所見:金谷本真, 藤間憲幸 病理所見:種井善一,髙橋利明,田村友佳,森次由衣,金谷本真, 藤間憲幸
【口腔・小唾液腺疾患】
画像所見:子安 翔,塚元鈴音,沢村博一 病理所見:杉本暁彦
【咽頭・喉頭腫瘍】
画像所見:檜山貴志,小山 貴 病理所見:坂下信悟,小山 貴,能登原憲司
【頸部軟部組織領域】
画像所見:横山幸太 病理所見:山本くらら
【甲状腺・副甲状腺疾患】
画像所見:内匠浩二 病理所見:北薗育美
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書籍情報
- ISBN:9784008004612
- ページ数:264頁
- 電子版発売日:2026年9月30日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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