病理と臨床 2026年3月号 44巻3号 血管炎

  • ページ数 : 100頁
  • 書籍発行日 : 2026年3月
  • 電子版発売日 : 2026年3月3日
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内容

血管炎

特集記事として,血管炎の診断と治療─近年の進歩を中心に─/大動脈を侵す血管炎─高安動脈炎を中心に─/結節性多発動脈炎を主体とする中型動脈を侵す血管炎/冠動脈を侵す血管炎─川崎病を中心に─/Buerger病を主体とする下肢動脈を侵す血管炎/腎生検における血管炎/皮膚生検における血管炎 等を取り上げる.また連載では,[マクロクイズ],[がん薬物治療選択に関わるバイオマーカー検査],[今月の話題] 他を掲載する.


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序文

特集 血管炎


本誌では近年,2~6 年に一度のペースで血管を対象とした特集号が企画・刊行されてきているが,血管炎は循環器病理の特集の中に組み込まれる形で登場することが多い.直近では42巻9号(2024年9月号)「血栓症・動脈硬化症」,39巻11号(2021年11月号)「循環器Ⅱ─血管・血管腫・弁膜疾患─」などがある.血管炎を単独で扱ったものとしては,16巻3号(1998年3月号)「血管炎症候群をめぐる最近の知見」まで28年も遡ることになる.血管炎は一般病理医にはとらえどころがなく,なじみが深くないものと思われる.しかしながら,血管炎は臓器横断的に生じることが多く,しばしば手術検体などで臨床側が気づいていない血管炎を病理側が見出すこともあるため(原因不明性の消化性潰瘍が血管炎であったなど),一般病理医もある程度は通暁しておく必要があるといえよう.

現在,臨床的にも病理的にも,血管炎は2012 revised International Chapel Hill ConsensusConference Nomenclature of Vasculitides(CHCC2012)に基づく分類,名称が広く受け入れられている.CHCC は現在改訂中であるが,CHCC2012では,血管炎を侵される径に応じて,大型血管炎,中型血管炎などと分類している.本特集でも前半はCHCC2012に準拠した構成として,大型血管から小型血管に向けて項目立てをしている.一方で後半は,各臓器の側から血管炎を扱う切り口も必要と考え,内臓の中型動脈,下肢切断肢,また生検の多い腎臓,皮膚を独立した項目とした.なお,分節性動脈中膜融解や線維筋性異形成は血管「炎」ではないと考えられるが,血管炎の瘢痕期との鑑別になりうるため取り上げた.

臨床側からの画像診断や治療も取り扱った.近年,癌の治療では抗がん薬の進歩が著しいが,血管炎を含む膠原病の治療においても同様である.血管炎の原因として,Ⅱ型アレルギー機序(抗糸球体基底膜抗体病),Ⅲ型アレルギー機序(IgA血管炎),自然免疫の関与なども提言されているが,病態は多彩で病因不明なものも多い.時相の変化もあり,結節性多発動脈炎を変性期,炎症期,肉芽期,瘢痕期と分けたArkinの分類,また高安動脈炎でも類似の分類がある.これら病因や時相まですべて網羅することは難しいが,本特集号では,上記内容を踏まえて,血管炎の理解と鑑別に重点を置いた.血管炎では日本人の貢献度も高く,高安動脈炎,川崎病,もやもや病などの名称が残っている.Behçet 病やBuerger病も欧米に比べて比較的日本に多い.ANCA関連血管炎に関しても欧米人には多発血管炎性肉芽腫症 granulomatosis with polyangiitis(GPA)が多いが,日本人には顕微鏡的多発血管炎 microscopic polyangiitis(MPA)が多いなど人種差がある.そのため,本邦での血管炎の特集には特色があると考えられる.


倉田 厚 [東京女子医科大学 病理学]
髙橋 啓 [東邦大学医療センター大橋病院 病理診断科]

目次

【特 集】

血管炎の診断と治療─近年の進歩を中心に─……田巻弘道 他

大動脈を侵す血管炎─高安動脈炎を中心に─……髙橋 啓 他

結節性多発動脈炎を主体とする中型動脈を侵す血管炎……石津明洋

冠動脈を侵す血管炎─川崎病を中心に─……横内 幸 他

ANCA関連血管炎……宮崎龍彦

Buerger病を主体とする下肢動脈を侵す血管炎……倉田 厚

分節性動脈中膜融解と線維筋性異形成を主体とする内臓の中型動脈疾患……加藤誠也 他

腎生検における血管炎……河野 圭

皮膚生検における血管炎……川上民裕

【連 載】

マクロクイズ[203]

宮居弘輔

がん薬物治療選択に関わるバイオマーカー検査:いまとこれから[4]

唾液腺癌における薬物治療選択のための検査……多田雄一郎 他

【今月の話題】

Proliferative glomerulonephritis with monoclonal IgG deposits(PGNMID)……伊吹英美 他

「必要なのか,取り扱い規約!」再考……吉澤明彦

病理標本の保管期間について……若狹朋子

【Information】

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書籍情報

  • ISBN:9784011204403
  • ページ数:100頁
  • 書籍発行日:2026年3月
  • 電子版発売日:2026年3月3日
  • 判:B5変型
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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