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- 病理と臨床 2026年7月号 44巻7号 デジタルパソロジー×AIの最前線
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内容
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序文
デジタルパソロジー×AIの最前線
病理とAI,AIの基本となるデジタルパソロジー(DP)は,これまで本誌にて何回か取り扱われてきた.2024年には13回にわたって様々な角度から多くの先生に執筆いただき連載(「AIと病理」)が行われた.しかしながら,未だ本邦においてDPの利用は限定的であり,AIは臨床現場において全く広がっていない.そして日本の世界的な遅れも目立つ.
欧米の病理学会の企業ブースでは,病理に関連した技術的な製品を紹介する企業以上にDPないしAIを紹介する企業展示の方が多い.DPベンダーによると,欧米ではスキャナの販売台数は伸びており,トレンドはDICOMを含めたマルチベンダー対応のビュワーやクラウド型ストレージをもった製品である.AIに関しては無名なベンダーも多くブースを出している.世界的に多くのAIベンダーが対象とするのは前立腺癌で,HE染色からの癌の検出,Gleason Scoreなど,病理医が日常行っているタスクを十分な精度で判定可能である.乳腺も同様に癌の検出,組織学的グレーディングがタスクとなるが,前立腺癌との違いはER,PgR,HER2といった免疫染色(IHC)の判定も行えることである.HER2に関しては昨今のultralow症例の判定やin situ hybridization(ISH)の判定を行える製品も出ており,いずれも優れた精度を示す.AIの対象トレンドがこの5年変わらないのは,患者数がほかの癌腫に比べ多いこと,グレーディングなどの標準化が必要なこと,IHCの結果がそのまま治療に直結すること,などが理由であろう.論文としては組織像から遺伝子異常や予後を推定できるといったAIなどをよく目にするが,製品化された例はみない.
さて,多くの病理医がこの領域に大きな関心を抱くとともに,様々な疑問,意見をもち,現状そして未来を知りたがっている.「AIシステム,特にディープラーニングの技術は現時点で何ができて,何ができないのか」「論文では有用性が示されているが,実際にAIは使えるのか,使えない場合は何が問題なのか」「AIの製品化が一向に進まないのはなぜなのか,製品化のハードルはどこにあるのか,どうしたらそれを乗り越えられるのか」「AIを臨床現場で利用するとしたら病理医はどのように活用したらよいのか」「学生や研修医にAI時代の病理診断をどう説明するのか」「研修医時代からAIを利用してもよいのか,AI時代の病理専門医研修のあり方は」などである.現在,AIのトレンドはlarge languagemodel(LLM)であり,生成AIである.PathChatなどはその最たるものであるが,精度や利用方法に関しては未知数である.一方で病理診断の外をみると治験におけるがんの背景の統一や,ゲノムをはじめとするほかの臨床情報と併せたマルチモーダル判定,複雑な免疫状態の推定など通常の病理医が行わないような技術領域が出てきている.
この特集の目的は,DPとAIの現在地の把握である.読者からの疑問としてある,「AIは病理医を駆逐しないは本当か」,この答えは現状ないながら未来を予想してみたい.
吉澤明彦 [奈良県立医科大学 病理診断学講座]
石川俊平 [ 東京大学医学部・大学院医学系研究科 衛生学教室/国立がん研究センター先端医療開発センター 臨床腫瘍病理分野]
目次
【特 集】
病理画像AIの最新技術……河村大輔
医療機器薬事承認状況の国内外比較と診療報酬……佐々木 毅
large language model(LLM)の病理領域における応用……川井将敬
病理診断領域におけるEthical,Legal and Social Issues/Implications(ELSI)について……神坂亮一 他
病理AIの阻害要因……坂下信悟
診断以外の病理AI……石川俊平
病理医が知っておきたいAIの基本構造と限界……備瀬竜馬
一般病院の導入の課題─フルデジタル・ルーチン運用の勧め─……齋藤勝彦 他
デジタルパソロジーとAI,海外事情……石嶋聡介 他
20年後のデジタルパソロジー・AIについて想像してみる……吉澤明彦
【速報解説!ここが変わった】
「WHO Classification of Tumours, 5th Edition, Eye and Orbit Tumours」改訂ポイント……森 泰昌 他
【連 載】
マクロクイズ[207]
浦野 誠
がん薬物治療選択に関わるバイオマーカー検査:いまとこれから[8]
胆道癌における薬物治療選択のための検査……川本泰之
病理学的研究に有用なdry解析の基本[2]
RNAシークエンス・RNAスプライシング解析の概要と研究・臨床への応用……西森 奎 他
知っておきたい眼病理[2]
虹彩腫瘍・毛様体腫瘍の臨床と病理学的所見……加瀬 諭
病理トレンド[12]
公益財団法人一迫記念READ 血液アカデミーの「保健文化賞」受賞と天皇皇后両陛下拝謁……一迫 玲
【今月の話題】
膵癌のfoamy gland patternについて……佐藤勇一郎
病理医にとってのinternational collaboration……小無田美菜
【第115回 日本病理学会総会 開催報告記】
Pathologists, be ambitious!─病理医よ大志を抱け─……田中伸哉
【CPC解説】
急性肝不全を契機に診断に至ったLangerhans細胞肉腫の一例……藤田千佳 他
【Information】
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書籍情報
- ISBN:9784011204407
- ページ数:128頁
- 書籍発行日:2026年7月
- 電子版発売日:2026年6月29日
- 判:B5変型
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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