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- 前立腺がん検診ガイドライン 2025年版
商品情報
内容
前立腺癌診療に関わる人々の必携書。
是非、ご一読ください。
序文
2025年版 序
前立腺がん検診ガイドラインは2008年に初版が刊行され,2018年に改訂版が発表されました。今回は2018年版から7年ぶりの改訂ということになります。2018年版と比較しますと,CQの構成を含め大幅な改訂がなされております。
前立腺がんの罹患数は男性で最も多いことはよく知られています。死亡数は罹患数に比べて少ないものの泌尿器科悪性腫瘍では最も多いことが示されています。にもかかわらずPSA検診の是非については長いこと議論されております。さらに対策型検診が確立されている五臓器(胃,大腸,肺,子宮頸部,乳房)で検診効果が科学的に証明されているのは大腸がんの便潜血,乳がんのマンモグラフィだけであることは意外と知られていません。
前立腺がん診断時に約1割の方には転移があります。実際,進行がんで見つかった方を診察して,これまでなぜPSAを測っていなかったのだろう,と思うことは頻回にあります。その度に心を痛める経験は皆持っているのではないかと思います。
さて,本ガイドラインは前立腺がん検診に関して網羅的に文献を収集,客観的に評価し,かなり掘り下げた議論をしています。泌尿器科が中心となって作成していますが,決して泌尿器科寄りの議論になっておらず,中立的な立場でデータを提示し,解説がなされています。なお,別のガイドラインである前立腺癌診療ガイドライン2023年版でも前立腺がん検診について触れられておりましたが,本ガイドラインとの整合性は確認されています。
本ガイドラインは前立腺がん診断だけでなく前立腺がん診療全体に役立つものと確信しております。最後になりますが,本ガイドライン改訂作業に尽力いただいた鈴木和浩教授をはじめ諸先生方に心より謝意を申し上げます。
令和7年8月
一般社団法人日本泌尿器科学会
理事長 久米春喜
2025年版 発刊によせて
日本泌尿器科学会(JUA)としての「前立腺がん検診ガイドライン」は,2008年に「前立腺がんの本邦における現状と将来予測,検診の受診による利益と不利益を広く国民に啓発したうえで,受診希望者に対して最適な前立腺がん検診システムを提供し,50歳以上の男性のPSA検診を推奨する」という立場を明確にした初版が刊行され,2010年には増補版が発表されました。さらに,2018年には「前立腺がん検診ガイドライン2018年版」が『Minds診療ガイドライン作成の手引き 2007』に準拠して作成されました。一方,2023年に発表された「前立腺癌診療ガイドライン2023年版」で,前立腺がん検診に関するCQとして「中高年男性に対するPSA検査による前立腺がん検診は推奨されるか?」が設定されましたが,このCQに対する文献検索が実施されてから3年が経過し,2018年版の発刊から5年が経過したことを考慮して,私がJUAの理事長を拝命しておりました2023年にガイドラインの改訂が必要であると判断されまして,『Minds診療ガイドライン作成マニュアル2020ver3.0』に準拠した形での改訂作業が始まり,この度「前立腺がん検診ガイドライン2025年版」として刊行できましたことを大変うれしく思っております。
本検診ガイドラインでは,検診対象者と検診実施機関・医療者が適切な検診実施方針を決定する際に指針となる推奨を提示することを目的としております。そのため,一般市民向けに作成されたものではありませんが,前立腺癌が疑われる男性およびその家族にとっても有益となるよう,執筆には十分配慮しております。また今回の改訂では2018年版で扱った,検査,治療などに関する事項は触れずに,検診の理解に必要な疫学的な事項と検診の有効性の評価,検診のシステムに的を絞って記載しております。本ガイドラインは,作成時点における最も標準的な指針を示すものであり,実際の検診実施を強制するものではありません。
そして検診実施の最終的な方針は,個々の検診対象者の社会的・医学的背景を考慮したうえで,検診対象者およびその家族と検診実施機関・医療者との合意に基づき決定されるべきものであります。とはいえ,米国泌尿器科学会では最近early detectionとしてガイドラインを改訂しており,個人のリスクに応じたスクリーニングを推奨してきております。またバイデン前米国大統領が骨転移を伴う進行前立腺癌の診断を受けたというニュースは世界に配信され,前立腺がん検診のあり方を再考すべきではないかといった意見も出ております。このような状況下,現時点における最も標準的な指針を示す本ガイドラインは,前立腺がん検診におけるdecision makingを行う多くの方々に大いに役立つと確信致しております。
最後に,鈴木和浩委員長はじめとする本ガイドラインの作成にご尽力いただきました諸先生方に深甚なる謝意を表しますとともに,本ガイドラインにより前立腺がん検診が適切に実施され,転移癌の減少,前立腺癌死亡率の低下につながりますことを期待して,私の発刊によせた言葉とさせていただきます。
令和7年6月
一般社団法人日本泌尿器科学会
前理事長 江藤正俊
発刊にあたって
日本泌尿器科学会が作成している,前立腺がん検診に関連するガイドラインは,2008年に初版が発刊されて以降,下記のような変遷を経て今回の『前立腺がん検診ガイドライン 2025年版』の発刊に至りました。
①『前立腺がん検診ガイドライン』 初版2008年
②『前立腺がん検診ガイドライン2010年増補版』
③『前立腺癌診療ガイドライン 2012年版』検診パート
④『前立腺癌診療ガイドライン 2016年版』検診パート
⑤『前立腺がん検診ガイドライン 2018年版』
⑥『前立腺癌診療ガイドライン2023年版』検診パート
⑦『前立腺がん検診ガイドライン2025年版』
2018年版では検診以外にも検査,治療を包括的に扱いましたが,今回は前立腺癌診療ガイドライン2023年版との整合性から,検診の理解に必要な疫学的な事項と検診の有効性の評価,検診のシステムに的を絞りました。また,2018年版では前立腺癌診療ガイドライン2016年版の形式に合わせて,多数のCQを設定して解説しましたが,本版では前立腺癌診療ガイドライン2023年版で採用されたCQと総論の形式にして内容をアップデートいたしました。このような背景から,前立腺がん検診の有効性評価,検診の利益・不利益とQOLへの影響,検診効率・経済的評価,疫学,前立腺がん検診受診者への対応:リスク因子・化学予防,検診の対象・検査法・検診間隔,検診発見癌と臨床診断 (有症状発見)癌の比較,住民検診・人間ドック検診システムと精度管理,検診受診前後のファクトシート,国内外のガイドラインをまとめております。
福岡県久山町の「久山町研究」の最新報告では,この60年で全前立腺癌ならびにラテント癌の有意な増加が示されており,スクリーニング,診断技術の向上および高齢化などでは説明ができない要因があると考察されております(Eur Urol Open Sci 78:9-15, 2025)。本ガイドラインが,ますます増加傾向にあるわが国の前立腺癌の臨床に役立つこと,ならびに,わが国の前立腺がん検診において受診者,医療者・保健行政担当者,それぞれの皆様の意志決定に寄与することを願っております。
最後に,本ガイドラインの改訂作業にご協力いただきましたすべての皆様に感謝申し上げますとともに,パブリックコメントをお寄せいただきました皆様にも御礼申し上げます。
令和7年8月
前立腺がん検診ガイドライン 2025年版 作成委員長
群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学 教授 鈴木和浩
同作成事務局
群馬大学大学院医学系研究科泌尿器科学 講師 関根芳岳
目次
【本検診ガイドラインについて】
1 本検診ガイドラインの目的
2 改訂の目的
3 本検診ガイドラインの適応が想定される対象者,および想定される利用者
4 本検診ガイドラインを使用する場合の注意事項
5 改訂検診ガイドラインの特徴
6 重要臨床課題・クリニカルクエスチョン(CQ)の設定(2023 年 12 月 20 日)
7 システマティックレビュー(SR)
8 推奨決定の方法
9 総論作成について
10 検診ガイドライン改訂作業の実際
11 外部評価およびパブリックコメント
12 今後の改訂
13 検診ガイドライン出版後のモニタリング
14 資金
15 利益相反(COI)に関して
16 ガイドライン普及と活用促進のための工夫
17 患者・市民向け解説書
【CQ】
中高年男性に対する PSA 検査による前立腺がん検診は推奨されるか?
1.エビデンス評価
2.益と害のバランス評価
3.患者・市民の価値観・希望
4.資源利用
5.その他
6.今後の研究(future research)
【総論】
Ⅰ 前立腺癌の疫学
1 わが国の前立腺癌の罹患数・死亡数の推移
2 わが国の前立腺癌罹患率・死亡率の国際比較(欧米との比較)
Ⅱ 前立腺がん検診受診者への対応:リスク因子・化学予防
1 男性型脱毛症治療薬(5α還元酵素阻害薬)内服者への対応
2 前立腺肥大症治療薬内服者への対応
3 前立腺癌,他癌の家族歴を有する検診受診者への対応:HBOC との関連
Ⅲ 前立腺がん検診の対象・検査法・検診間隔
1 検診受診者の受診開始・中止年齢・PSA 基礎値によるリスク細分化オーダーメイド検診
2 検診において推奨される PSA カットオフ値
3 PSA 検診における直腸診併用の意義
4 精密検査における phi などの補助診断マーカー
Ⅳ 検診発見癌と臨床診断(有症状発見)癌の比較
1 わが国における検診・健診で発見される前立腺癌比率の推移
2 検診発見癌と臨床診断(有症状発見)癌の進行度・生存率比較
Ⅴ 住民検診・人間ドック検診システムと精度管理
1 住民検診で推奨される前立腺がん検診システム・精度管理
2 人間ドックで推奨される前立腺がん検診システム・精度管理
Ⅵ 前立腺がん検診受診前後のファクトシート
1 前立腺がん検診受診前のファクトシート(表 1)
2 前立腺がん検診受診後のファクトシート(精密検査非対象者)(表 2)
3 前立腺がん検診受診後のファクトシート(精密検査対象者)(表 3)
4 患者向け情報提供シート(表 1 〜 3)
Ⅶ 国内外の前立腺がん検診ガイドライン
1 米国泌尿器科学会の推奨度・評価
2 欧州泌尿器科学会の推奨度・評価
3 その他の国内外専門機関における推奨度・評価
・外部評価およびパブリックコメントの結果
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書籍情報
- ISBN:9784865176551
- ページ数:122頁
- 書籍発行日:2025年9月
- 電子版発売日:2025年11月21日
- 判:B5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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