小児の疼痛管理

  • ページ数 : 208頁
  • 書籍発行日 : 2025年10月
  • 電子版発売日 : 2025年11月27日
¥4,950(税込)
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商品情報

内容

術後痛管理から鎮静、慢性疼痛、緩和ケアまで
痛みが適切に評価・対処されなければ心身の発達に深刻な影響を及ぼす。特に小児においては年齢や発達段階によって痛みの感じ方や表現方法が大きく異なるため、成人医療の縮小版ではなく、年齢や発達段階に応じた専門的かつ繊細な疼痛管理が求められる。新生児から思春期に至るまでの小児の鎮痛管理に関する基礎知識と実践的な対応を網羅的に解説している。

序文

序文


痛みは人が生きていくうえで避けがたい感覚であり、時に重大な意味をもつ身体からのサインです。痛みが適切に評価・対処されなければ心身の発達に深刻な影響を及ぼします。特に小児においては年齢や発達段階によって痛みの感じ方や表現方法が大きく異なるため、成人医療の縮小版ではなく、年齢や発達段階に応じた専門的かつ繊細な疼痛管理が求められます。

小児の痛みは発語能力の未熟さや表現の困難さから過小評価されやすく、1988年の「病院のこども憲章」や2010年の国際疼痛学会(IASP)によるモントリオール宣言を経ても対応の遅れは顕著でした。近年、発達神経生理学、心理学的研究、そして臨床経験の蓄積により、小児も明確な疼痛体験を有しており、それが後の神経発達や精神的健康に影響を及ぼすことが明らかとなっています。若手麻酔科医にとっては術後痛や周術期のストレスが慢性疼痛に移行しうることの理解は必須であり、ペインクリニックや緩和医療を志す医師にとっても本分野の知識は不可欠です。

本書は、こうした課題意識のもと、新生児から思春期に至るまでの小児の疼痛管理に関する基礎知識と実践的な対応を網羅的に解説することを目的として企画しました。周術期の疼痛管理を行う麻酔科医、慢性疼痛に対するペインクリニック医、集中治療医、緩和医療医、小児科医、精神科・心療内科医、看護師、理学療法士など多職種からなる執筆陣により、急性期から慢性期、さらには終末期に至るまで、臨床現場で直面する多様な痛みに対し、科学的根拠に基づいた柔軟な対応ができるよう配慮しています。

本書が小児の疼痛管理に携わるすべての医療者にとって、日常診療の質を高め、痛みに苦しむ子どもたちへの最適な医療の一助となれば幸いです。多忙な日常勤務のなか、本書の執筆をご担当いただいたすべての執筆者と、編集・校正にご尽力いただいた克誠堂出版の手塚雅子氏に深甚の謝意を表します。


2025年8月

高田香・川人伸次

目次

総論

1.疼痛管理のこれまでと現状 ・・・松香 芳三

1 痛みの意義、定義

2 侵害受容性疼痛、神経障害性疼痛、痛覚変調性疼痛

3 慢性疼痛の分類

2.小児の痛みの特徴・・・曽我 朋宏

1 痛みの定義の改訂

2 新生児から乳幼児の痛みの特徴

3 学童期の痛みの特徴

4 思春期の痛みの特徴

5 生涯続く痛み体験

3.小児の痛みの評価と診断 ・・・香川 哲郎

1 小児の痛みと評価の原則

2 小児において正しく痛みを評価するための注意点

3 理想的な疼痛評価スケール

4 自己申告スケール

5 行動学的評価スケール

6 新生児の痛みの評価法

7 慢性疼痛の評価

8 痛みの診断に用いることができる可能性のある客観的指標

各論

Ⅰ 急性疼痛

1.小児の急性疼痛 ・・・名和由布子

1 小児の急性疼痛の特徴

2 急性疼痛の予防

3 急性疼痛の評価

4 急性疼痛の治療とケア

5 急性疼痛の今後

2.術後痛のメカニズム・・・高田 香

1術後痛の定義・特徴

2術後痛の機序

3.術後痛における IV-PCA・・・鳥羽 好恵

1 小児における適応と使用基準

2 疼痛評価

3 使用薬物:オピオイド

4 薬物の選択と用量設定

5 モニタリング項目

6 主な副作用とその対応

7 その他の問題点

8 PCA by proxy(代理人による PCA)

9 教育と運用

4.神経ブロック ・・・竹下 淳

1 神経ブロックに伴う合併症

2 腹直筋鞘ブロック

3 仙骨硬膜外ブロック

4 膝窩部坐骨神経ブロック

5 傍脊椎ブロック(PVB)

5.新生児・乳児・幼児の疼痛管理・・・水野圭一郎

1 痛みの評価

2 疼痛管理

6.精神面の配慮 ・・・宮澤 典子

1 手術後の痛み

2 手術後の行動異常

3 遷延性術後痛への移行 80 4 新生児期の処置の痛み

Ⅱ 慢性疼痛

1.小児の慢性疼痛 ・・・加藤 実

1 小児の痛みの捉え方の歴史

2 こども基本法に基づく医療行為に伴う苦痛緩和の必要性

3 ペインクリニックにおける小児の痛み対応

4 小児の頭痛と線維筋痛症

5 小児の痛みと成人の痛みのつながり

6 小児の慢性疼痛の現状

2.小児の集学的痛み治療・・・間嶋 望・南 敏明

1 小児の集学的痛み治療の概要

2 小児の集学的痛み治療と多職種連携

3 主な疾患別の神経ブロック

3.薬物療法・・・鈴木 潤・山内 正憲

1 非オピオイド鎮痛薬

2 オピオイド鎮痛薬

4.理学療法・リハビリテーション・・・服部 貴文・松原 貴子

1 小児慢性疼痛の実態

2 リハビリテーションで重要となる小児慢性疼痛の病態

3 小児慢性疼痛に対するリハビリテーション

4 疼痛リハビリテーションにおける運動処方の実際

5 教育的アプローチを併用した運動療法

5.認知行動療法 ・・・川人 慎・中尾 智博

1 心理療法の役割

2 認知行動療法(CBT)

3 その他

6.くり返す痛みと発達障害・不登校 ・・・石﨑 優子

1 小児と痛み

2 くり返す痛みの理解と対応

Ⅲ がん性疼痛

1.小児の緩和ケア ・・・間宮 敬子・山本 兼二・田中 成明

1 発達レベルごとの痛みの表現

2 発達段階に応じた痛みの評価

3 痛みの原因と病態を考えた評価

4 小児がんサバイバーの慢性疼痛への対応

5 多職種での集学的治療の必要性

2.小児がん性疼痛の治療・・・堀木としみ

1 小児がん性疼痛を分類する

2 小児がん性疼痛の治療

Ⅳ その他

1.検査・処置での鎮静・鎮痛 ・・・佐倉 考信・岩﨑 達雄

1 準備・評価

2 リカバリー

3 代表的な鎮静薬・鎮痛薬

4 検査・処置

2.集中治療室での鎮静・鎮痛 ・・・栁沼 和史・竹内 護

1 鎮静度、痛みの評価

2 集中治療室で小児に使用される代表的な鎮静薬

3 集中治療室で小児に使用される代表的な鎮痛薬

4 集中治療室での鎮静・鎮痛の実際

3.看護のポイント ・・・名古屋祐子

1 痛みについて小児と話す時のポイント

2 痛みについて親と話す時のポイント

3 薬物療法時のケア

4 薬物以外の方法によるケア

5 痛みの種類別のケア

索引・・・193

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書籍情報

  • ISBN:9784771906204
  • ページ数:208頁
  • 書籍発行日:2025年10月
  • 電子版発売日:2025年11月27日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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