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- 「その」手術室外での鎮静・鎮痛 安全ですか
商品情報
内容
検査・処置や救急・集中治療の現場で欠かせない「鎮静と鎮痛」。適切な管理は患者の苦痛を和らげる一方、薬剤反応の差により重篤な合併症を招く危険を伴う。 本書は鎮静の基本概念から安全に行うための体制・機器・人員までを体系的に解説。さらに、各領域での安全な実践を専門家が解説するとともに、臨床で役立つチェックリストも巻末に収載した。
序文
監修 序文
「鎮静」とは、「診断および治療のために薬剤を用いて、気道、自発呼吸、気道反射および循環を維持したまま不安および痛みを緩和する処置」とされている。「鎮静」の定義は一定したものはないようであるが、本書ではこのInternational Committee for the Advancement of Procedural Sedation(ICAPS)による定義を採用し、procedureすなわち検査・治療手技や処置の視点から見た鎮静について、そのすべてを網羅した教科書である。
鎮静の究極にあるのが全身麻酔で、これは麻酔科医が手術室で行う医療である。一方「鎮静」の多くは手術室の外で広く一般に行われている医療であり、麻酔科医師以外の医師、医療者が日常診療の中で広く携わっている。
医師国家試験の出題基準にも「鎮静」は明記されており、特に「苦痛緩和」の文脈で緩和ケアや非常時の対応など、臨床実践においても重要な基本知識とみなされている。しかし、「鎮静」を体系的に詳しく学ぶ機会は意外に少なく、多くは臨床の現場で経験に基づき先輩医師や指導医からその手技を伝承しているように感じる。
『「その」手術室外での鎮静・鎮痛 安全ですか』と題する本書は医療事故裁判事例の解説から始まる。手術室外での鎮静の現状を考えると医療安全を強調しなければならないという編集者の麻酔科医横田美幸氏、森﨑 浩氏の思いが強く反映されており、それは本書のタイトルに表れている。これに続いて、定義、歴史、主要な薬剤の解説、ガイドライン、教育法などの総論があり、後半の各論では消化器内視鏡、呼吸器内視鏡、循環器治療、放射線治療、歯科治療などの手技と救命センター、ICU、精神科救急、緩和ケア、小児、高齢者などさまざまな場面での「鎮静」の詳細が解説されている。冒頭にも述べたように本書は「鎮静」のすべてを網羅した教科書であるが、読者には総論の後に該当する各論を読んで臨床の現場で役立てていただくことを期待したい。
最後に、“手術室外での鎮静・鎮痛”に特化した類書のない画期的な教科書を上梓した横田、森崎両氏と著者の皆様に敬意を表するとともに、本書が安全で質の高い鎮静の普及に役立つことを祈念する。
2025年9月
国立健康危機管理研究機構理事長/東京大学名誉教授
國土 典宏
編集 序文
鎮静(sedation)は、侵襲的医療による苦痛を軽減・緩和するために、手術室内外を問わず、処置や小手術、あるいは病棟においてなど、あらゆる機会において実施されている。このため鎮静という用語は、鎮静のレベル、すなわち「最小レベルから中等度、深鎮静」の広範囲な深度を含んでいる。
加えて患者に関わる侵襲度によって、鎮静の深度・レベルは相対的に変化する。また患者の苦痛を軽減、緩和するために鎮痛(analgesia)も同時に求められ、種々の鎮静薬や鎮痛薬を用いてその目的を達成している。
しかし、それらの薬剤の個別的反応性にはかなりの差があることも事実で、ある時には過少で追加量を必要とし、またある場合では過量となって呼吸や循環の抑制を伴い、重大な合併症を引き起こすこともある。このため安易な鎮静は、全身麻酔(anesthesia)と同様に危険を伴う医療行為で、その安全性は最も優先されて然るべきである。
本書のはじめに鎮静に関わる医事紛争について解説いただいた。ひとたび紛争になるとかなりの労力や非生産的な時間を要することを肝に銘じ、安全な医療の実践をお願いしたい。総論では、鎮静と麻酔についてその連続性、類似性についても解説している。鎮静は麻酔に必要な要素とされているが、anestheiaの語源はギリシャ語「an(無)」「aisthesis(感覚)」、つまり感覚のない状態〔≒(全身麻酔で)意識消失〕、またanalgesiaの語源もギリシャ語「an(無)」「algos(痛み)」、つまり痛みのない状態を表す一方、sedationの語源はラテン語の「sedare(静める、落ち着かせる)」で、先述の2語とは意味が異なっている。それにもかかわらず麻酔と鎮静を混同して使用している医療従事者は多い。ここではまず鎮静の概念・レベルを定義し、その目的を達成するために必要な鎮静のレベルを理解し、鎮静や鎮痛に必要な知識を高め、それら薬剤投与による危険性、安全に使用するために準備すべき薬剤、モニター、医療機器、人員・体制などについてまとめている。そして、病院機能の評価で「安全な鎮静」は最重要項目とされており、その体制整備の参考となっている。
次に各論として、臨床に即して医療行為の「侵襲度、患者に関わる苦痛」を理解し、いかに軽減・緩和するかを各専門家に解説いただいている。鎮静に関わる医療の質の向上を目指すことができるより実践的なものとなっている。
最後に「鎮静前の評価」や「鎮静後の管理」、「体制整備」など、臨床上使用しやすい簡易チェックリストを提示した。手術室外の鎮静における臨床の際に参考としていただきたい。本書の目的でもある「患者ならびに医療従事者にとっても、安全で質の高い鎮静」が日々実践され、さらに発展することを祈念している。
2025年9月
東北海道病院/昭和医科大学病院麻酔科客員教授
横田 美幸
慶應義塾大学名誉教授
森﨑 浩
目次
Ⅰ 総論
1.鎮静関連の医療事故
a.手術外の鎮静に関する医事紛争 加藤 愼
b.術後・鎮静後せん妄―刑事・民事の裁判例と留意点 水沼直樹
2.鎮静・鎮痛の歴史 信國桂子 山浦 健
3.鎮静の定義と分類 原 哲也
4.鎮静・鎮痛とMAC(monitored anesthesia care):米・欧における状況 宮坂清之 長坂安子
5.鎮静・鎮痛の説明と同意 山田高成
6.鎮静・鎮痛前の患者評価と計画・方法 安宅一晃
7.鎮静・鎮痛前の準備 小澤章子
8.鎮静・鎮痛中の患者評価 鎌田ことえ 山内正憲
9.鎮静薬・鎮痛薬
a.プロポフォール 萩平 哲
b.ミダゾラム 萩平 哲
c.デクスメデトミジン 鈴木祐二 土井松幸
d.レミマゾラム 鈴木祐二 土井松幸
e.その他の鎮静薬と鎮痛薬 原 哲也
10.鎮静・鎮痛の国内外ガイドライン 枝長充隆
11.鎮静・鎮痛後の患者評価 安宅一晃
12.鎮静・鎮痛における医療者(看護師等)の教育と役割 大江克憲
13.病院機能評価における鎮静管理の評価 菊地龍明
Ⅱ 各論
1.消化器内視鏡の鎮静・鎮痛
a.食道 山田和彦 横井千寿
b.胃 藤崎順子
c.大腸 鈴木桂悟 五十嵐正広
2.循環器治療時の鎮静・鎮痛 宮内靖史
3.呼吸器内視鏡の鎮静・鎮痛 内藤雅仁 佐藤之俊
4.救命救急センター(ER)での鎮静・鎮痛 櫻井 淳
5.精神科救急における鎮静 小山玄紀 船山道隆
6.歯科の鎮静・鎮痛 砂田勝久
7.一般病棟・集中治療室での鎮静・鎮痛 田邉優子 大下慎一郎
8.緩和ケア病棟での鎮静・鎮痛 松本禎久
9.小児の鎮静・鎮痛 西部伸一
10.高齢者の鎮静・鎮痛 浦 章博 川股知之
11.放射線治療での鎮静・鎮痛 辻野佳世子 吉岡靖生
12.特に注意すべき患者の鎮静 鈴木武志
13.検診時の侵襲的検査・治療に関する鎮静 林 裕子
Appendix:鎮静前、鎮静開始直前・終了時、帰宅時・帰室時のチェックリスト 有阪理英 寺嶋克幸
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書籍情報
- ISBN:9784771906228
- ページ数:226頁
- 書籍発行日:2025年11月
- 電子版発売日:2025年11月27日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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