放射線安全管理学

  • ページ数 : 354頁
  • 書籍発行日 : 2025年12月
  • 電子版発売日 : 2025年12月5日
¥4,620(税込)
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商品情報

内容

放射線防護の理論と実践をこの一冊に

放射線の利用は医療や研究に不可欠である一方,人体や環境への潜在的リスクを伴うため,適切な防護と管理が求められている.本書は,最新の法令およびICRPの基本原則に基づき,放射線防護の理論と実践を体系的に整理し,被ばく線量の管理,事故対策,リスクコミュニケーションなど,現場で必要とされる実践的知識を習得できる構成となっている.付録には,散乱線や線量分布の「見える化」を通して理解を深める実験例を収録し,理論と実務の橋渡しを図っている.放射線を安全にそして確実に扱うための指針となる一冊である.

序文

序文


放射線の利用は医療・産業・研究に不可欠である一方,人体および環境への潜在的リスクを伴うため,適切な防護と管理が求められている.近年,国内では医療法や関連規則の改正により,診療用放射線の安全管理体制が強化され,患者および医療従事者の放射線防護が重要課題として位置づけられている.特に2020年以降,被ばく線量の記録・管理,放射線安全管理責任者の配置,放射線診療に係る医療従事者への診療放射線の安全利用のための研修の義務化など,医療機関全体での包括的な取り組みが制度化されたことは大きな変化である.

本書は,前書「放射線・医療安全管理学」から医療安全分野を分離し,放射線安全管理の現行法令の内容,さらに演習問題や付録を追加することで現状に合わせたものに充実させ,放射線防護の基本概念,関係法規,放射線衛生,施設・環境測定,事故対策,医療における安全管理までを体系的に整理し,現場で即応可能な知識を提供することを目的とする.ICRPの基本原則である「正当化」「最適化」「線量限度」を基盤としつつ,国内の最新法令やガイドラインを反映し,実務に直結する内容とした.また,国際的な基準や動向にも触れ,国内制度との整合性を理解できるよう配慮している.

さらに,医療分野での放射線管理においては,技術的対策のみならず,患者や家族への説明,医療従事者間の情報共有といったリスクコミュニケーションが不可欠である.本書では,被ばくリスクの適切な伝え方,不確実性の説明,診療上の利益とのバランス提示など,現場で求められる実践的手法を整理した.

本書の特色として,付録に電子教材を活用した放射線管理学実験例を収録し,散乱線や線量分布の可視化など,視覚的理解を促進する資料を紹介している.放射線という不可視の現象を「見える化」することで,理論と実務の橋渡しを図ることを意図している.

放射線の安全利用は,科学的根拠に基づく知識と現場での実践力の両立によって達成される.本書が,放射線を取り扱う専門職にとって確かな指針となり,患者と医療従事者の安全確保に寄与することを期待する.


2025年9月

藤淵俊王

目次

1章 放射線防護の基本概念

A 放射線防護体系 防護の3原則

1.放射線・放射能の発見と放射線障害の始まり

2.国際放射線防護委員会について

3.放射線防護体系について

4.行為の正当化について

5.防護の最適化について

6.線量限度

B 放射線防護に関係する量

1.放射能

2.照射線量

3.吸収線量

4.防護量と実用量について

5.等価線量

6.実効線量

7.実用量の場のモニタリング量

C 放射線被ばくの種類と防護

1.被ばくのカテゴリ

2.被ばく状況の種類

3.線量拘束値と参考レベル

D 被ばくの特徴

1.外部被ばくと内部被ばく

2.全身被ばくと局所被ばく

3.高線量率被ばくと低線量率被ばく

4.1回被ばくと多分割被ばく

5.遷延被ばく

6.急性被ばくと慢性被ばく

2章 関係法規

A 放射性同位元素等の規制に関する法律

1.法体系

2.放射線,放射性同位元素等の定義

3.規制区分

4.規制の流れ

5.許可届出使用者の義務

6.他の法令との関係

B 労働安全衛生法,電離放射線障害防止規則

1.労働安全衛生法の目的

2.電離放射線障害防止規則

3.眼の水晶体等価線量限度の引下げに関する法令改正

C 医療法

1.医療法の目的

2.医療法施行規則の構成

3.病院等の管理者の責務

4.医療放射線の適正管理

D 診療放射線技師法

3章 放射線衛生学

A 医療被ばく,職業被ばく,公衆被ばくの実態と放射線影響

1.放射線被ばくの種類と実態

2.放射線の人体影響の分類

B LNT仮説と低線量の放射線リスクの考え方

1.放射線のリスク

2.放射線のリスクモデルとその理論的根拠

3.低線量放射線リスクをどのように考えるべきか

C 放射線検査でのリスクに関する疫学

1.放射線の疫学研究

2.放射線検査の被ばく影響に関する主な疫学研究

4章 国内外の放射線防護関連機関・団体

A 国外の放射線防護関連機関・団体

1.国際的な枠組み

2.欧州の枠組み

3.米国の枠組み

B 国内の放射線防護関連機関・団体

1.影響と線量に関する基礎研究

2.基礎研究から得られる科学的知見の評価と放射線防護体系の枠組みの勧告

3.放射線防護基準の策定

4.放射線防護の実践

付表 英語略記で示した団体などの正式名称

5章 施設・環境測定と個人の放射線被ばく管理

A 外部被ばくの測定と評価

1.外部被ばくと実効線量と等価線量

2.実用量による線量評価

3.個人線量計

4.線量限度

5.外部被ばくの防護対策(外部被ばく防護の3原則)

B 内部被ばくの測定と評価

1.ホールボディーカウンタ(whole body counter:WBC)

2.バイオアッセイ

3.預託実効線量

4.使用量からの計算による評価方法

5.内部被ばくの防護対策(内部被ばく防護の5原則)「2C3Dの原則」

C 施設環境の測定と評価

1.場の測定:空間線量率測定

2.RI汚染:表面汚染測定・スミア法,ダストサンプラや液体シンチレーション測定器など

3.測定場所など:放射線障害が発生するおそれのある場所の測定(医療法など)

6章 放射線取扱施設の管理

A 管理区域と入室時の注意事項

1.管理区域

2.放射線取扱施設の構造設備

3.管理区域入室時の注意事項

B 遮蔽体の材質と能力

1.放射線施設の遮蔽

2.医療用放射線の遮蔽材(無鉛素材)

3.個人防護用の遮蔽

C 遮蔽計算

1.放射線遮蔽計算の基礎と応用

2.X線診療室の遮蔽計算

3.診療用高エネルギー放射線発生装置使用室の遮蔽計算

D 排気・排水設備

1.排気設備

2.排水設備

7章 放射線管理の方法と事故対策

A 線源管理(セキュリティ含む)

1.密封RI線源の管理

2.密封線源の主な構造

3.各放射線種類とその線源特性について

4.密封RI線源の保管

5.記録(使用の記録・保管の記録)

6.密封RI線源の汚染管理と測定(線量の測定・密閉性の確認)

7.線源の運搬,輸送

B 汚染管理

1.非密封RI線源の化学形や線源特性

2.非密封RI線源の取扱いで生じる汚染と体内摂取による危険性とその防護

3.汚染管理に伴う施設・設備など

4.汚染対策のための実験準備・実験および薬剤調整中の汚染対策

5.非密封RI線源取扱いに伴う汚染検査

C 放射性廃棄物管理

1.放射性廃棄物の安全管理

2.日本アイソトープ協会における廃棄:廃棄物の分類,収納,廃棄まで

3.保管廃棄の実際

D 放射線事故

1.放射線事故とは?

E 在宅医療・災害医療

1.在宅医療

2.災害医療

3.在宅医療の放射線管理と安全対策

4.災害医療の放射線管理と安全対策

F 被ばく医療

1.被ばく医療体制整備の経緯

2.JCO事故後の緊急被ばく医療体制

3.東京電力福島第一発電所事故の緊急被ばく医療体制

8章 医療における放射線安全管理

A 医療被ばく線量管理と線量記録

1.行為の正当化とリフェラルガイドライン

2.医療被ばくの適正管理

3.線量記録

4.診断参考レベル(DRL)

5.診断参考レベルによる最適化と線量管理

B 被ばく相談への対応

1.患者の被ばく線量

2.医療被ばくレベルの放射線による人体影響

3.病院内の体制と環境整備

4.診療科医師の理解と協力

5.診療放射線技師の対応範囲と限界

6.診療放射線技師による被ばく相談の考え方

7.患者相談の対応と実際

8.胎児被ばく

C 患者の放射線防護

1.診断参考レベルによる防護の最適化

2.生殖腺(性腺)防護

3.モダリティ別の患者の防護の最適化(被ばく低減)

4.過剰被ばくなどの事故時の対応

D 医療従事者の放射線防護

1.職業被ばく限度

2.測定と不均等被ばく

3.健康診断

4.モダリティ別の放射線防護

5.水晶体被ばくの放射線防護

6.放射線業務従事者などへの研修と管理体制

参考文献 

巻末演習問題 

付録 1.電子教材による放射線防護教育の紹介

 2.線量分布図の説明 

日本語索引

外国語索引

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書籍情報

  • ISBN:9784525279714
  • ページ数:354頁
  • 書籍発行日:2025年12月
  • 電子版発売日:2025年12月5日
  • 判:A5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
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