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- 「感染症が苦手」な研修医へ 感染症診療の極意を伝授
商品情報
内容
診断できる,処方がわかる,手技・対応もわかる・・・
感染症診療に携わるスタッフへ贈る,すべてが詰まった1冊です!
序文
序文
研修医の皆さん,本書を手に取っていただきありがとうございます.おそらく皆さんは医師としての第一歩を踏み出して,日々さまざまな患者さんと向き合っていることでしょう.そのうえで,感染症ってどの領域にもかかわってくる重要な領域だと感じていませんか? そうです.内科,外科,小児科,産婦人科…どの診療科を選択しても,感染症とのかかわりは避けられません.救急外来で出会う肺炎の患者さん,術後に発熱した患者さん,免疫抑制薬を使用中の患者さん…さまざまな場面で感染症の知識が問われます.つまり,感染症を学ぶことは,どの道を選ぶにせよ,医師として必須のスキルなのです.
感染症診療の魅力とは何でしょうか.そのひとつは「論理性」であり,「複雑性」にあるのかもしれません.患者さんの年齢,性別,症状,既往歴(基礎疾患),渡航歴,職業,採血結果,画像診断などを基に感染症が起こっている臓器や病原体を推定し,それを突き止める検査をオーダーする.そしてそれらを総合的に判断して最終的な診断に辿り着く.さらにその患者さんの治療に適した抗菌薬を選択し,有効な投与量・投与法を決定して投与し,患者さんの回復を確認する.これらの過程はまさに医学におけるミステリー小説のようです.あなたは患者さんから突きつけられる難問を考え抜いて,感染症名や病原体名を決定していく.その結果,「B I N G O!」と叫びたくなるような場面に出くわすかもしれませんし,「えーっ! まさか」と言いたくなるような現実を突きつけられることになるかもしれません.そしてその判断が,結果的に患者さんの予後を左右することもあるのです.
感染症診療を複雑にしている別の要因のひとつには「流行」が大きく影響するという点もあります.発熱,咳,頭痛,筋肉痛などを訴えて患者さんが受診した場合,冬のインフルエンザの流行時期であれば,まずインフルエンザの検査をして陽性結果が出て「やっぱりね」,ということもありますが,夏のまったく流行していない時期には検査も通常しません.でも患者さんが「検査をやって欲しい」と言うので,「じゃあ念のため」とやってみたインフルエンザの検査結果が陽性と出たとしたら,きっと結果そのものを疑ってしまうでしょう.このように,流行を起こす病原体は常に変化しているので,流行状況を考慮しながら,その時々に応じた判断が必要になります.そのような意味では,感染症診療には「ダイナミックさ」があるとも言えます.
また,当然,感染症診療でも失敗はあります.もちろん適切に診断を行って,その病原体に適した治療薬を用いれば,患者さんは見違えるように良くなっていきます.その一方で,診断がつかないまま,「一応この抗菌薬を続けておきましょう」とやみくもに治療を行うと,長期間改善しないばかりでなく,薬剤の副作用でさらに悪化するというケースもあり得ます.このように,実力のなさが患者さんを結果的に苦しめてしまうことにつながるのです.それをふまえて皆さんが理解しておかなければいけないのは,感染症診療の実力を付けるには「知識」や「経験」がものを言うという点です.さまざまな書籍を読み込んで多くの知識を得ておくことはもちろん重要です.でもそれだけでは,その知識は本物とは言えません.やはり経験を積んでいくことで診療のレベルが上がっていくのです.ただ残念ながら,誰もがさまざまな症例を経験できるわけではありません.その意味で必要な経験を補足してくれるのが本書ではないかと思っています.つまり貴重な感染症症例について,本書を読みながら経験を積んでいけるわけです.
皆さんは日々の忙しい業務のなかで,難しい成書やガイドラインをじっくり読み込むエネルギーは枯渇しているかもしれません.でもきっと皆さんはそういうなかでも「医師として実力を付けたい」という気持ちはしっかりもっているでしょう.本書はそんな皆さんの強い味方となるべく誕生しました.複雑な感染症の世界を,わかりやすく,マンガを交えながら解説しています.難解な概念も視覚的に理解できるよう工夫を凝らし,臨床の現場ですぐに役立つ知識を厳選しました.本書があなたの臨床現場での判断を助け,患者さんへのより良い医療の提供につながることを願っています.
2025年5月
国際医療福祉大学医学部感染症学講座
松本哲哉
目次
第1章 消化器系
1 胆道感染症
2 ウイルス性下痢症(ロタウイルス感染症)
第2 章 脳・神経系
1 髄膜炎疑い
2 肺炎球菌感染症
第3 章 呼吸器系
1 A 群溶血性レンサ球菌咽頭炎
2 マイコプラズマ肺炎
3 肺アスペルギルス症
4 新型コロナウイルス感染症
5 レジオネラ肺炎
6 抗酸菌感染症:結核
7 院内肺炎
第4 章 性感染症/性感染症関連疾患
1 梅毒
2 カンジダ血症
第5 章 外科系
1 手術部位感染
2 カテーテル関連血流感染症
第6 章 小児科
1 RS ウイルス感染症
2 手足口病/ ヘルパンギーナ
3 百日咳
4 皮疹を伴うウイルス感染症:麻疹
第7 章 その他
1 結膜炎
2 破傷風
3 壊死性筋膜炎
4 敗血症
5 腎盂腎炎
6 化膿性脊椎炎
7 寄生虫感染
8 ペットからの感染症
第8 章 予防・検査等
1 針刺し・粘膜曝露
2 標準予防策
3 グラム染色
4 血液培養
5 微生物検査
第9 章 抗菌薬関連
1 デ・エスカレーション
2 治療期間の決め方
3 β-ラクタム系薬の使い分け
4 キノロン系抗菌薬の使い方
5 VRE 感染症
6 ( 薬剤耐性)緑膿菌感染症
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書籍情報
- ISBN:9784059889342
- ページ数:352頁
- 書籍発行日:2025年6月
- 電子版発売日:2025年12月16日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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