病みの軌跡を意識した 患者に寄り添う心不全診療

  • ページ数 : 432頁
  • 書籍発行日 : 2025年12月
  • 電子版発売日 : 2025年12月27日
¥5,940(税込)
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商品情報

内容

病みを意識して心不全患者さんに寄り添った診療が行えるようになる一冊! 個々の心不全症例に対してどのように治療を組み立てていくかを判断できます!
心不全とそのリスクの進展ステージを支えていくにあたり、心不全発症時は急性期病院の循環器内科医が診療するこがが多いですが、その後、状態が安定したら一般内科医・家庭医に依頼することも少なくありません。またステージDの終末期になり、訪問診療も含めた在宅診療が必要となったり、在宅復帰が難しく施設転院が必要になったりと、重症心不全でも一般内科医と連携して診療します。ステージA~Bのプレ心不全の段階では開業医・プライマリケア医が診療していることが多く、つまり、すべてのステージの心不全を診療するにあたり進展ステージを意識した心不全診療が大事になります。そこで、本書では各分野のエキスパートたちが集結し、総合診療医、家庭医的な視点で全人的な診療として、心不全の支え方に主眼を置いた1冊としました。

序文

推薦のことば


近年、急増する心不全患者は、もはや循環器専門医だけが担う疾患ではなく、地域で診療にあたる総合内科医やかかりつけ医にとっても避けられない“common disease”となりました。そのような状況の中で刊行された、齋藤秀輝先生(循環器専門医)と官澤洋平先生(総合診療・総合内科専門医)による『病みの軌跡を意識した 患者に寄り添う心不全診療―薬物療法・非薬物療法から緩和療法・ACPまで―』は、まさに時宜を得た一冊といえるでしょう。

本書の最大の魅力は、著者お二人がそれぞれの専門性―齋藤先生のカーディオロジストアイと、官澤先生のジェネラリストアイ―を交互に響かせながら展開している点にあります。循環器内科医と総合診療医の視点が交わることで、読者はまるで現場のカンファレンスにいるような感覚で読み進められ、単なる教科書では得られない臨場感と納得感をもって学ぶことができます。

特に「第2章 心不全のステージ別の寄り添い方」では、症例をベースにした掛け合い形式が取り入れられ、一般的なテキストにありがちな難解さを避けつつ、自然に理解を深められる構成となっています。さらに、高齢化社会の現実として避けられないmultimorbidity(多併存疾患)の中で、心不全患者をどのように診ていくべきかについて、最新のエビデンスやガイドラインにとどまらない実践的な視点が随所にちりばめられています。ここで紹介される「マルモのトライアングル」は、併存疾患を抱える地域医療の現場において必須の考え方といえるでしょう。高齢者医療、在宅医療、併存疾患を抱えた患者への対応といった、従来のガイドラインだけでは十分にカバーできない領域に、本書は実践的かつ新たな気づきをもたらしています。

私は、循環器クリニックグループ統括院長、全国循環器クリニックネットワーク(JCCN)の事務局を務め、地域医療に根差した循環器・心不全診療を実践してきました。また多くの循環器専門医、総合内科専門医、総合診療医が心不全診療への苦心する姿を目の当たりにしてきました。その経験からも、本書が地域心不全診療に携わるすべての医師にとって珠玉の一冊となることを確信しています。

『病みの軌跡を意識した 患者に寄り添う心不全診療―薬物療法・非薬物療法から緩和療法・ACPまで―』は、心不全診療の新たな羅針盤であり、現場で患者や家族に寄り添う医師にとって必ずや頼れる伴走者となることでしょう。


医療法人社団ゆみの
弓野大



まえがき


近年、心不全パンデミック時代と言われ、社会の高齢化に伴い本邦でもその患者数は今後も増加すると考えられます。旧来の急性期病院の循環器内科医が心不全診療をリードする時代から、総合医・実地医家など非専門医も含めて地域全体で心不全を診療していくことを要求される時代となりました。近年心不全の薬物療法のevidenceの蓄積が目覚ましく、非薬物療法の進歩とともにより診療が高度化する一方で、心不全患者の高齢化に伴い、個々の心不全症例に対してどのように治療を組み立てていくかの判断の重要性が日に日に増しています。

本書では心不全ステージ別に心不全患者さんの人生にいかに寄り添うかをメインテーマとし、第1章でその専門的スキル、第2章で心不全のステージ別、パターン別の寄り添い方を述べ、コラムでさらに深く心不全診療を行う中で関わる内容に関して触れる、といった構成としています。

第1章では心不全診療を行う上で必須とされる薬物療法・カテーテル治療・不整脈・リハビリなどの基本的知識を循環器内科医から、ポリファーマシー・ケア移行・多職種連携といった疾患横断的な基本的な考え方を総合診療医からご提示いただきました。

第2章では、第1章で活用したスキルを活用して、実際に様々なフェーズの心不全症例に対していかにして向き合っていくか、を具体事例や症例経験、タイプ別・ステージ別のevidenceとともに語っていただきました。

さらに編者の官澤よりジェネラリストアイ、齋藤よりカーディオロジストアイを追記し、循環器内科医・総合診療医、相互の視点でカンファレンスをしている感覚で読み進めることができる形としました。

本書籍の執筆にあたり、多忙な臨床業務の中、より実践的な内容の執筆にご尽力いただいた執筆者の先生方へ重ねて感謝を申し上げます。心不全診療の現場に立つすべての医療者にお勧めしたい一冊として完成したものと自負しております。最後に、本書の発行に際し、貴重な機会をいただき、企画、編集いただいた金芳堂の編集部の皆さまに心から感謝申し上げます。


齋藤秀輝
弓野大



あとがき


本書を手に取っていただき、誠にありがとうございました。心不全に向き合うエキスパート、ジェネラリスト、メディカルスタッフのたくさんの仲間たちにご執筆いただきました。校正中には『心不全診療ガイドライン2025』へのアップデートもあり、校正段階で内容を反映できたことも大変ありがたく思っております。

今回の執筆にあたっては、できる限り、日々の臨床で大切にしていることを盛り込んでほしいというお願いをさせていただきました。それぞれの筆者が綴ってくれた日々の葛藤には深く共感でき、大切にしている取り組みは励みとなり、また、すぐにでも実践できる内容が数多く散りばめられていることと思います。

齋藤先生による「カーディオロジストアイ」では、少し難しく感じられるトピックについても、非専門医にもわかりやすく噛み砕いて解説してくれており、立ち止まらずに読み進められる構成になっていると感じています。専門性の高い部分においても、日々の専門医との対話を深める助けになれば幸いです。

私自身も、心不全と向き合う機会を得て、臨床に携わってきましたが、ジェネラリストでありながら、心不全というプロブレムに集中しすぎて視野が狭くなってしまう瞬間を、日々実感していました。そんなとき支えになったのは、他者との対話でした。日々の現場で直接対話できるメンバーに加え、今回は全国各地で心不全と向き合う多様な背景を持つ方々と対話することができ、心不全に悩む地域や患者さんに対する解像度がさらに高まったように感じています。

本書にはナラティブな側面も多く含まれていますが、それがまた、一筋縄ではいかない現場で悩む読者の皆さまそれぞれにとって、そっと背中を押してくれる一文が見つかるのではないかと思います。

心不全に悩んだとき、もう一度開きたくなる——

そんな一冊になってくれたら嬉しく思います。

最後に、執筆者の皆さま、そして齋藤先生と私の漠然とした構想に、粘り強く伴走してくださった浅井健一郎さんをはじめ、金芳堂の方々に深く感謝を申し上げ、本書のあとがきとさせていただきます。


官澤洋平

目次

執筆者一覧

推薦のことば

まえがき

特設サイトについて

1 心不全の診断/進展ステージ

1.心不全の診断

はじめに

そもそも心不全とは?

心不全の病態、背景疾患と増悪因子

心不全の進展ステージと病みの軌跡

心不全の進展ステージごとに考える心不全患者の付き合い方・寄り添い方

2.心不全治療薬の使い方・考え方

心不全の治療目標を共有する

心不全薬物治療の歴史とエビデンスを知る

心不全治療薬の具体的な使い方

3.心不全の非薬物療法~不整脈編~

心房細動へのアブレーション

カテーテル左心耳閉鎖デバイス

心室性期外収縮へのアブレーション

心臓再同期療法(CRT)

リードレスペースメーカ

4.心不全の非薬物療法ストラクチャー(弁膜症治療+虚血)

虚血性心筋症に対するカテーテル治療

大動脈弁狭窄症に対するカテーテル治療

TAVIの将来の展望と課題

僧帽弁閉鎖不全症に対するカテーテル治療

5.心臓リハビリテーション・運動療法

心臓リハビリテーション総論

心臓リハビリテーションの実践と運動療法

心臓リハビリテーションの問題点と今後の展望

6.栄養指導・生活習慣変容・セルフケア

栄養指導

セルフケア

7.ポリファーマシー

ポリファーマシーとは

ポリファーマシーの原因

ポリファーマシーの問題点

明示的クライテリア

患者ごとに個別に薬剤の適切性を考える

心不全とポリファーマシーの関係

心不全における潜在的不適切薬剤

減薬介入効果のエビデンス

心不全患者の生活・人生に寄り添ったポリファーマシーへの関わり方

8.ACP・心不全の緩和ケア

緩和ケアとは

心不全の緩和ケアの提供モデル

緩和ケアの導入、ニーズ評価

心不全患者の苦痛

意思決定支援とACP

ACPとは

地域での取り組み

高次医療機関の立場から

後方病院の立場から

共通の取り組み

9.地域連携・ケア移行

特に移行期は再入院に注意

ケア移行/ケア連携/ケア統合とは

心不全におけるケア移行

情報提供にこだわる

退院後のポイント

Extensivist

10.多職種連携

はじめに

薬剤師(病院、薬局)

栄養士

介護支援専門員(ケアマネジャー)

福祉用具や医療機器会社の担当者

訪問介護士(ヘルパー)

訪問入浴(介護士+看護師)

訪問看護師

訪問リハビリ

訪問歯科・歯科衛生士

訪問薬剤師

患者・家族

心理士

成年後見制度

ケースワーカー

大家さん

最後に

11.医療経済

総論

心不全におけるガイドライン標準薬物療法(GDMT)

心不全における追加薬物療法

心不全の侵襲的治療

退院後ケアサービス

医療費負担と治療効果に対する患者の価値観

12.心不全のマルチモビディティ

はじめに:心不全診療におけるマルモの現実

多疾患併存とは何か:定義と基本の理解

ASIAN-HFレジストリーにみるアジアのマルモの多様性

マルモのトライアングル:臨床実践のための思考整理

統合的ケアと多職種連携の中で活きるフレームワーク

終末期や下降期慢性疾患との関係

おわりに:人を診る医療の中のマルモ

2 心不全進展ステージ パターン別寄り添い方

1.心不全の病みの軌跡 ステージA(生活習慣病持ち)

総論

悩むポイント

マネジメントのポイント

ケースを振り返って

2.心不全の病みの軌跡 ステージB(心房細動)

総論:心房細動マネジメントの基本“AF-CARE pathway”を知ろう

悩むポイント:心房細動患者における心不全の診断

マネジメントのポイント

ケースを振り返って

3.心不全の病みの軌跡 ステージB(心筋梗塞)

総論

悩むポイント

マネジメントのポイント

ケースを振り返って

4.心不全 ステージC(初発の心不全HFrEF)

病みの軌跡+必要とされるケアの強度

生活指導は行動変容ステージモデルを意識する

緩和ケアも重要

5.心不全の病みの軌跡 ステージC(HFpEF総合診療医がみる心不全)

総論 ステージC HFpEF

悩むポイント

マネジメントのポイント

ケースを振り返って

6.心不全の病みの軌跡 ステージD(HFrEF)

総論

悩むポイント

マネジメントのポイントと実際

ケースを振り返って

7.心不全 ステージD(HFpEF患者への寄り添い方)

ステージDのHFpEF患者は難しい

悩むポイント:HFpEFを抱えた患者の問題を整理する

マネジメントのポイント

ACPの進め方

ケースを振り返って

COLUMN

過負荷を避け運動の楽しみ、喜びを残す

心不全に対する薬剤効果を多面的に考察するための視座

ACPの愛称として”人生会議”に込めた想い

心不全のケアに健康の社会的決定要因(SDH)の視点を

成人先天性心疾患(ACHD)診療を通じて考える医師像とは

妊娠、分娩で循環動態はどう変わる? 心疾患合併妊娠に対する管理戦略

ストレスが引き金に? たこつぼ症候群、見逃し注意!

心不全患者のCKM(保存的腎臓療法)と透析

付表

あとがき

索引

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書籍情報

  • ISBN:9784765320726
  • ページ数:432頁
  • 書籍発行日:2025年12月
  • 電子版発売日:2025年12月27日
  • 判:四六判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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