栄養科学イラストレイテッド 生化学実験

  • ページ数 : 192頁
  • 書籍発行日 : 2022年9月
  • 電子版発売日 : 2026年1月14日
¥2,970(税込)
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商品情報

内容

実験操作の基本から中和滴定,吸光光度分析,PCRなど収録
実験操作の基本から中和滴定,吸光光度分析,酵素分析法,PCR等を収録.目に見えない酵素の働きや栄養素の性質を実験を通じて理解できる.イラスト豊富で実験手順や注意点もわかりやすい.器具の使い方の動画付き

序文

生化学は,生命現象を化学的な手法を中心に分子レベルで探索し,理解する学問です.1970年代後半からのバイオテクノロジーの急激な発展により,それまで主流だった,生体がつくり出す物質の化学的性質や各酵素の化学反応を中心に調べる学問から,遺伝子や細胞の情報伝達,生体防御機構などの生命現象を分子レベルで理解する学問へと発展してきました.私が学生だった30云年前と比べると,現代の生化学の教科書の中身はかなりボリュームが増えていますから,現代の学生の皆さんは,さぞかし生化学の勉強がたいへんだろうと察します.

教員の立場から申しますと,生化学の知識は,人体の機能や疾病を理解するうえでとても大切であると断言できますが,「目に見えない現象を化学反応を通じて取り扱う学問であるために,教科書だけではイメージするのが難しい」という学生の皆さんの意見も一理あると思います.本書は,そのギャップを埋めるべく,実験を通じて生化学の知識を習得してもらい,「生化学は難しい」という意識をできるだけ払拭したい,という思いで企画した学生実験の教科書です.

教科書は,教科用図書の略で,学ぶ学生がじっくり読むことが前提にあります.そこで本書では,各学生ができるだけスムーズに読み進められるような工夫をしました.具体的には,まず,各章のはじめに理解する内容をPointとしてまとめました.また,どのような実験を実施するのか,そして得られた結果をどのようにまとめるのかをより深く理解できるよう,実験の概要図とフローチャートを入れました.実験手順(プロトコール)では,イラストや写真を挿入し,イメージしにくい操作については動画を作成し,化学実験に詳しくない初学者でも実験をイメージしながら予習ができるようにしました.さらに,①180分間(2コマ)の授業で,操作説明の理解から実験データ整理 ,器具の洗浄までできる内容を基本とする,②危険な試薬類の使用や危険を伴う操作は最小限に抑える,③できるだけマイクロピペットを使用し,その使用方法に慣れる,④カラフルな色の変化を観察する実験を積極的にとり入れることで,学生の参加意欲を高める,⑤卒業論文研究や大学院での生化学研究を行う際にも役立つ実験項目を積極的にとり入れる,という5つの基本コンセプトを柱とし,各プロトコールを作成しました.栄養科学イラストレイテッドシリーズの「生化学」や「基礎化学」の項目とも連携させ,実験後にもう一度自己学習できるように工夫しました.

本書の作成において,羊土社の田頭みなみ氏には,私のおぼろげなイメージを具体化していただき,また年寄りでは思いつかないような,若い学生に寄り添ったたくさんのアイデアを本書に吹き込んでいただきました.このようなご協力のおかげで,本書の執筆や校正も楽しく行うことができました.厚く御礼を申し上げます.


2022年8月

執筆者を代表して
鈴木 敏和

目次

第1章 生化学実験をはじめる前に【鈴木敏和】

1 生化学実験を行う意義

2 安全に実験を行うために

 A 服装など

 B 実験前

 C 実験中

 D 実験終了後

 E 緊急時または災害時の対応

3 生化学実験で使用する水について

4 生化学実験で使用する単位,有効数字

 A 質量パーセント濃度(%)

 B モル(mol)

 C モル濃度(体積モル濃度,mol/L)

 D 規程度(N)

 E pH(水素イオン指数)

 F 体積質量濃度(g/L, μg/mL など),ユニット濃度(U/mL など)

 G 有効数字

5 実験記録とレポートの書き方

 A 実験実習で持参するもの

 B 実験記録

 C レポート

第2章 基本操作【鈴木敏和】

1 マイクロピペットの操作方法

 A 容量設定

 B 吸入(フォワード法)

 C 排出

 D 参考

2 ビュレットの操作方法

3 その他の実験器具の使用方法で参考となるサイト

第3章 中和滴定【鈴木敏和】

1 滴定とは

2 酸および塩基とは

3 中和とは

実験3-1 食酢の中和滴定

第4章 緩衝液【鈴木敏和】

1 緩衝液とは

2 緩衝液のpHの求め方

3 アミノ酸の性質

実験4-1 緩衝液の性質

実験4-2 アミノ酸の滴定によるpH緩衝作用の観察

第5章 タンパク質の等電点【鈴木敏和】

1 タンパク質の等電点

実験5-1 タンパク質水溶液のpHを変化させたときの状態観察

第6章 吸光光度分析(比色定量法)【鈴木敏和】

1 色について

2 吸光光度分析について

実験6-1 合成着色料の比色定量

第7章 酵素の性質【鈴木敏和】

1 酵素とは

2 酵素反応

実験7-1 西洋わさびペルオキシダーゼ(HRP)活性の観察

実験7-2 ウレアーゼの反応速度に及ぼす酵素および基質濃度の効果

実験7-3 ウレアーゼの反応速度に及ぼす阻害剤の効果

第8章 酵素分析法による生体成分の分析【鈴木敏和】

1 酵素分析法とは

実験8-1 GOD-POD法とインベルターゼを利用した,清涼飲料水に含まれる糖の定量

第9章 細胞分画法【杉浦千佳子】

1 細胞と細胞小器官

実験9-1 ニワトリの肝臓から細胞小器官の分離

実験9-2 核画分の定性―DNAの確認―

実験9-3 ミトコンドリア画分の定性

第10章 DNAの性質【杉浦千佳子】

1 核酸とは

実験10-1 ニワトリの肝臓からのDNA抽出および純度の測定

実験10-2 DNAの定量

実験10-3 DNAの化学的性質

第11章 PCRと制限酵素【鈴木敏和】

1 PCRとは

2 制限酵素とは

3 PCRの原理

 A PCR

 B 制限酵素

 C 制限酵素断片長多型法

実験11-1 PCRと制限酵素を使用したALDH2遺伝子多型の検出とアルコール感受性

第12章 抗原抗体反応【鈴木敏和】

1 免疫とは

2 抗体反応の応用

実験12-1 ELISA法による抗原の検出

第13章 生体分子の分離・分析【鈴木敏和】

1 混合物からの物質の分離

2 カラムクロマトグラフィー

3 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動(SDS-PAGE)

実験13-1 CM-セファロースカラムを用いたタンパク質の分離

実験13-2 SDS-ポリアクリルアミドゲル電気泳動によるタンパク質の展開

第14章 ビタミンCの定量と抗酸化活性

1 ビタミンCの性質【鈴木敏和】

2 ビタミンCの定量【鈴木敏和】

3 抗酸化機構【杉浦千佳子】

実験14-1 モリブデンブルー発色法による食品のビタミンC定量【鈴木敏和】

実験14-2 ビタミンCの抗酸化活性 ―DPPHラジカル消去活性の測定―【杉浦千佳子】


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書籍情報

  • ISBN:9784758113687
  • ページ数:192頁
  • 書籍発行日:2022年9月
  • 電子版発売日:2026年1月14日
  • 判:B5判
  • 種別:eBook版 → 詳細はこちら
  • 同時利用可能端末数:3

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