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- ねころんで読める腰痛診療
商品情報
内容
腰痛は外来でよくみられる症状のひとつだが、「腰痛診療ってむずかしい」と感じたことはないだろうか。そのむずかしさは幅広い年齢層、原因や症状の多様性、非特異的腰痛が少なからず存在している点にある。
著者の長年にわたる腰痛診療を通して得られた深く、幅広い知見を、わかりやすく解説する。
序文
はじめに
腰痛診療は、私が研修医であった40年以上前からみると大きく変わりました。それ以前から腰痛の病態がさまざまであることはわかっていました。しかし、当時の医療者が抱いていた疾患概念は今とは異なっていました。診断方法は限定的で、保存療法は安静が主体で、現在のような多彩な疼痛関連薬はなく、まだインストゥルメンテーション手術は普及しておらず、腹臥位で行われる脊椎後方手術は麻酔の関係から70歳以下に限られている時代でした。
その後、高齢者人口の増加にともない腰痛患者が増え、病態がさらに複雑化するなかで、CTやMRIのような精密な画像診断装置が使えるようになると腰痛の病態解明が進みました。それに合わせるように治療の面でも進歩し、腹臥位での手術は患者さんに併存する内科的疾患が重篤でない限り容易に行われるようになり、「もう歳だから手術はしない」という時代ではなくなりました。その背景には、脊椎手術用デバイスの開発などにより、前方法でも後方法でも低侵襲手術が可能となったことや、高度な脊柱変形を矯正固定する脊椎手術やナビゲーション手術などの技術革新があります。
このような進歩があるなかで、私は「神経側から腰痛をみる」というコンセプトを得ました。そして腰痛の病態解明を研究テーマに据えて、基礎医学としては、腰仙椎と神経根に関する解剖学、神経圧迫の病態生理学、椎間板内圧測定による生体力学など多方面から研究しました。臨床医学としては、整形外科へのリエゾン精神医学的アプローチの導入や、術者として約5千例の脊椎手術を行った経験から得られた臨床知見をもとに、腰痛診療の最前線で腰痛の本質を究めるために取り組んできました。CTやMRIが開発されて、解剖でみた脊柱管や神経の形態学的変化を画像で診断できるようになったことは、腰痛の病態の理解や手術計画を立てるうえで大変役に立ちました。本書では、自分なりに究めて得られた腰痛の病態に関する知見について解説したので、今後の腰痛診療に役立てていただけたら本望です。
また、臨床研修医の育成として総合診療にもかかわる機会を得ました。
総合診療は一般的疾患(common disease)を対象にしていることから、専門的医療が必要な疾患との鑑別診断が大変重要です。そこで教育されている診断推論法は論理的で科学的手法に基づくものです。 腰痛もcommon diseaseの一種で、多彩な病態のなかから鑑別していくので、腰痛の診断にもこの手法を取り入れるべきと考えました。そして、腰痛の診断推論法を独自に考案し、当院の臨床研修医に教育してきました。本書でもその内容の一端を紹介していますので、これから腰痛診療に取り組む若手医師の方々にはご一読いただき、参考にしてもらいたいと思います。
臨床医学では、リエゾン精神医療を学ぶことで、腰痛を訴える“人”の診断も合わせて行う重要性も学びました。“痛みは脳で感じている”、“腰痛診療は心身医療である”ことを実感しました。腰痛以外でも痛みを訴える患者さんでは、多かれ少なかれ心理社会的問題を抱えています。とくに、腰痛をきたす疾患には急性で重篤な疾患もあるし、慢性化して生活が破綻しかかっている患者さんもいます。腰痛の診療をむずかしくしているのは、画像上の異常所見が必ずしも腰痛の原因となっておらず、心因的問題の合併でどのように治療するか、手術に踏み切るかなど、判断に迷う症例があることでしょう。しかし、それらの問題をいかに対応すればよいか、それが判れば余裕を持ってその患者さんをサポートする個別的な腰痛診療ができるようになると思います。本書では、このような臨床的問題をわかりやすく解説していますので、ねころんで気安く読んで、対処法を身につけてもらいたいと思います。本書を読んだ後に、腰痛診療に対する患者さんの満足度が向上すれば本書を執筆した甲斐があるというものです。
本書は、救急診療に携わる研修医、これから腰痛診療に取り組もうとする専攻医など、とくに若手の医師に読んでもらうことを念頭に執筆しました。これからの腰痛診療に役立てていただき、腰痛診療の楽しさやむずかしさ、やり甲斐などを感じてもらいたいと考えています。そして、できるだけ平易にわかりやすく書いたつもりなので、腰痛診療に携わるスタッフの方々や一般の方々にも読んでもらい、腰痛というものをご理解いただきたいと考えています。
2025年12月
一般財団法人大原記念財団大原綜合病院
理事長兼統括院長
佐藤 勝彦
目次
はじめに
1章 そもそも腰痛ってなんだろう?
1 腰痛の定義を押さえよう
2 日本における腰痛の現状
3 腰痛診療のむずかしさとは?
2章 腰痛の診断ってどうやってするの?
1 腰痛診断の流れを知ろう!
2 問診のときに気を付けたいこと!
3 問診で聞き取りたい情報
4 患者さんといっしょに痛みの原因を探る
5 身体診察は五感を使う!
6 腰痛の診察手技はイタイ!?
7 検査は急性期と慢性期で視点が変わる
3章 腰痛を引き起こす疾患にはなにがある?
1 腰痛のヴィンディケイト・プラス・ピーってなに?
4章 とっても大事な腰痛治療のコツ
1 腰痛治療の基本はFBSSをつくらないこと
2 腰痛の薬物療法はアドヒアランスが重要
3 ブロック療法、注射療法には痛みを与えないテクニックが必要
4 運動療法は継続してこそ効果がある
5 物理療法はほかの治療法と併用する
6 装具療法と代替療法の効果は限定的
5章 保存療法でも改善しなければ手術も視野に!
1 腰痛の手術適応を知ろう!
2 代表的な手術を知ろう!
3 術後の疼痛管理を知ろう!
6章 こころに寄り添う腰痛診療
1 こころと痛みの背景を知ろう!
索引
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書籍情報
- ISBN:9784840490962
- ページ数:216頁
- 書籍発行日:2026年2月
- 電子版発売日:2026年1月21日
- 判:A5判
- 種別:eBook版 → 詳細はこちら
- 同時利用可能端末数:3
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